新車が来るまで

 

暫く車が使えない期間があった。

 

その状態に強く不便を感じていたのは

 

私ではなく母の方だった。

 

私は車が無ければ無いで

 

それを楽しんでいた。

 

車が使えない事に

 

それ程不便も感じなかった。

 

けれども母は

 

車が有れば・・・

 

という気持ちが常に湧いて来るようで

 

車が無い状態が

 

耐え切れないようだった。

 

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私よりも母の方が

 

車の無い生活を

 

受け入れられないようだった。

 

母は車の運転ができないのに

 

ここまで車の無い生活を嫌がる母が

 

不思議に思えた。

 

案外運転できない人の方が

 

車に執着するのかも知れないと思った。

 

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車が無くても

 

それ程不便な場所に住んでいない。

 

それなのに何故母は

 

それ程車に固執するのだろうか?

 

バスやタクシー

 

自転車や歩くという選択がある。

 

必要な時にだけ

 

レンタカーを借りるという手もある。

 

そういう選択ができる事を母に話しても

 

「車が手元にない生活は考えたくない」と言っていた。

 

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母は余程車の無い生活を

 

考えられないようだった。

 

免許を持っている訳でもないのに

 

そういう感覚でいられるのが

 

不思議だと思った。

 

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私という運転手がいなくなったら

 

母は一体どうやって

 

車の無い生活を乗り越えるのだろうか?

 

ここまで車に囚われている母は

 

大変だと思った。

 

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もし私に免許がなかったら

 

もしもの為に

 

車が無い生活でも

 

平気になれるように

 

自分を変えるように思った。

 

だからそういう気に全くならない母が

 

すごく不思議に思えた。

 

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母は常に運転手を

 

確保するつもりなんだろうか?

 

それも大変だろうと思った。