発癌と活性酸素の関連についてのお話をしました。 ⇒ 記事


今回は、癌化した細胞の転移と増殖についてです。


癌の転移には、生命活動に必要なエネルギーを合成する働きを持つミトコンドリアDNAの突然変異が原因の一つであることが分かっています。

(米サイエンス電子版2008.4.4・島根大学医学部本間ら)


ミトコンドリアDNA突然変異を起こすとエネルギー合成力が低下して活性酸素の産出量が増加します。

この活性酸素が核DNAに影響し、転移能力が獲得されるのです。


活性酸素量を抑制すると転移能力が抑制されることも分かっています。


また、癌が転移するときには、コラゲナーゼという酵素によって血管やリンパ管に穴をあけて侵入します。

普段は、このコラゲナーゼの働きを妨げるコラゲナーゼインヒビターが働いているのですが活性酸素によってコラゲナーゼインヒビターが壊される、コラゲナーゼが働きだし、血管やリンパ管に癌細胞が侵入することになります。

コラゲナーゼインヒビターは、癌細胞が自分に栄養を取り込む為の栄養血管ができるのも抑える作用がありすが、これが壊れると血管が作られ、癌細胞がどんどん栄養をとりこんで大きくなってしまいます。



癌の発生、増殖、転移。

いずれにも活性酸素が関わっており、癌にも抗酸化が必要と考えられます。