1)脳疾患と活性酸素

 

 脳は、非常に酸素の影響を受けやすい組織の一つです。

体重に占める脳の重量は2~3%しかないにもかかわらず、脳の酸素消費量は全体の20%です。

それだけ活性酸素を発生しやすく影響を受けやすいのです。


脳神経疾患の一部は別名フリーラジカル病とも呼ばれています。



脳梗塞は動脈硬化が原因であり、活性酸素が深く関与していることはお話しました。


アルツハイマー病においては、活性酸素による記憶の中枢である海馬を中心とした神経細胞の傷害や細胞死が発端になり、痴呆の症状が起こる可能性が考えられています。


また、その際にかかわるのが、もっとも毒性の高いヒドロキシラジカルと言われています。


認知機能の低下した脳内では、抗酸化酵素が低下しているとわかっています。


また、活性酸素によって、アルツハイマー病の患者に増えるβアミロイド蛋白が増加することが確認されています。




 効果的な抗酸化物質を採ることが必要になってきますが、残念なことに脳は大切な自分の身を守る為に、血液脳関門という関所を作っています。


選ばれたものしか通過できず、多くの薬物、また分子量の大きな抗酸化物質CoQ10、ポリフェノール、またビタミン類までもが通過できないのです。CoQ10もわずかに通ると言われているのですが、脳に効果のある量を届けようと思ったら、通常の1200倍投与しなければならないといいます。そんなのあまりに非現実的ですよね。


その点で水素は、その最も小さいという特徴からこの関所を易々と通り抜けられるのです。