【マフィア企画】誕生日おめでとう、Emma【文章】 | あたしの海にさよならを

あたしの海にさよならを

あなたはあたしのすべてだったの。 だからさようなら。 さよなら、あたしの海。



みゃおう、みゃおう。
さみしがりの猫が、すこしでも癒されますように。


  ――しあわせの黒猫、或いは


「そういやァよォ、お前の連れのオンナ、アレの誕生日、もうすぐだろ?祝わなくて良いのかァ?」

何の事か全く解らず訊ね返すと、どうやらエマの事を指していたようだ。とんでもない勘違いをしている電話先の男に阿呆かと言う。何よりも連れの女という表現がどうしても気に食わない。ソルジャー如きにそんな感情抱くかよと文句をひとつ。すると痛烈なカウンターが入る。

「【ソルジャー】?今はお前のソルジャーじゃねェだろォが。お前は幹部様か?御偉いのかァ?なら何でイギリス支部になんか居るんだ?あァ?」

あまりにも痛い反撃に黙り込んでしまう。確かに今のダビデは幹部ではない。よって「ダビデ付ソルジャーだった皆」とは連絡を取らないように心がけていた、空虚感に苛まれ引き返したくならないように。そして全てが終わった時に、例え上司と部下という立場でなくとも、また彼等と笑顔で話が出来れば良いと、そう思っていた。大事な友人と彼は思ってはいるのだが、彼等はどう思っているかは知らないしどうでも良かった。

「で、連れの女って発想に至る訳か…阿呆か。あんなんじゃ欲情しねェよ」

本日2度目の罵言を吐いて携帯の電源を落とし、イギリスの街並をあても無くふらふらと歩き始めた。ちらりと海辺を眺める。そういえば嘗て愛した女は自分の瞳を海色と揶揄していたか。そんな事をふと思い出し、そのやさしい思い出を振りほどくように早足で過ぎた。


「…あ、」

ふと目に映ったひとつのちいさなアクセサリショップ。店頭に展示されていたひとつのアクセサリが気になり、立ち止まる。ちいさな猫が走り去るようなペンダントトップのネックレス。瞳の部分にはブラウンダイヤモンドであろう、きらきらと光る宝石が埋まっている。10月3日、確かブラウンダイヤモンドが誕生石ではなかったか。どうもアレの為に存在するようなそれであると、少々忌々しげに見やる。まるで買えと言わんばかりに猫がこちらを睨んできた。タイムリーな話題すぎるだろうあの眼鏡野郎と一言呟き、長い長い溜息を吐く。

「…ま、どうせ不審物って棄てられるのがオチさ」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「……い、一体誰からですか…気味の悪い。」

Re dei Caniフランス支部。仮設された執務室のエマの机に謎の小包がぽつり。派手なリボンとシオンの造花を携えたそれがやたらと己を主張していた。宛名や差出人の表記は一切ない。綺麗にラッピングされているのが非常に恐ろしい。中身はちゃんとチェックされたのだろうか、爆弾でも入っていたらどうするのだ。そんな愚痴を呟きながらも、中身がとても気になる。

「…ば、爆弾が入るような大きさ…ではないです、かね?でも最近は小型爆弾とか…うー…でも気になりますねー…。」

逡巡の後、

「ええい!」

ラッピングを大胆に破る。と、そこには小さな桃色の可愛らしいケエス。流石にそれに爆弾が入っている事はないだろうとケエスの蓋を開けた。

「わあ!とっても可愛い猫さんですねー」

猫が駆けるような可愛らしいネックレス。ブラウンの瞳が太陽の柔らかな光を反射して嬉しそうに煌めく。

「…これ、私の机にあったんですから私のものですよねー?」

こそこそと周囲を見回し、今は誰もいないその部屋に誰にも聞こえないような小さな声でぽつりと訊ねる。そしてこっそり首に飾る。ちらりと鏡を見、自慢げに胸元のそれを翳す。自分の鎖骨の上で楽しげに走る猫を見、鏡越しに笑顔を送った。そしてそれを見せびらかすように、執務室を出てうろうろとその辺りを歩き回っていると、赤い髪の青年を見つけて、自然な挨拶を投げかけつつ駆け寄る。

「ん?どしたのそれ~?」

胸元のそれを指差し、赤い髪が気付いた。

「えへへ、貰っちゃいました」

誰に、と聞かれ、知らないです、と答えるとサンが一言。

「…詐欺じゃないよねぇ~?」

ハッと我に帰る。でも今更だし、と悶々とする少女を見て大丈夫かなと思いながらも、まあいいやと呟いてから一言。

「似合ってると思うよ~?良かったね~、誰からのプレゼントかは解らないけど~、似合うしいいんじゃない?」

それだけを言ってすたすたと歩き去った。そして笑顔で走り去る彼女の後ろ姿を見やり、くすくすと笑う。

「誕生石とか誕生花とか、そーいうの知ってる男って正直キモイよ~?ダヴィド」

みゃおう、と走り去る黒猫を、赤いハイエナが遠目で見送った。その場に金色の髪をした狗はいなかったのが、少し寂しく感じられた。


執務室の塵箱に、包み紙と一緒に棄てられていたカードには、
「良い子にしてた褒美だ、頑張れよ」
十字を模したサインとともに、癖のある字でそう書かれていた。



    ――しあわせの黒猫、或いは寂しがりな狗がかけた鎖



【シオン 花言葉:君を忘れない】
【ブラウンダイヤモンド 宝石言葉:至宝の輝き】

**************************


や、正直誕生花とか誕生石とか、彼女とか身内のを調べて覚える程度ならいいと思うんですけど、調べてるわけでもないのに366日ぜんぶ丸暗記してるのはキモイと思いますwwwww←ひどい←←←←←←←
でもやっぱ女性モノの香水を鼻利きみたいなのができるほうがきもいとおm…………あれっ…ダビデ…おまえ……………^q^
※結論;だびでさんきもい←←←←←←←

きっとサン君はダビデの所業ってわかってると思うんですwそんな気障いコトするのはダビデくらいだと思ってそうw←←←←

すみませんでした^q^でもお祝いしたかったんだ…wwwwwww


エマちゃんお誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!/////