惨衰、
ああぁぁぁ。。。
さておき、わたくしはひととき、
山水は607シリーズの、歴代アンプの聴き比べに、
どうしようもなく、はまっておったのです。
そのきっかけを作った、このひとは、
今世紀の初頭に、ハッピーロード大山
の古道具屋にて、
ぼろぼろのお召し物をまとい、7Kで売りに出されていたのを、
わたくしがお囲い申し上げたのです。
身なりから察せられたように、随分とご無理を重ねておいでで、
例えばセレクタは、切り替えができなくなっていたり、
2系統あるノーマル入力(パワーアンプダイレクト)端子の
一方は接触不良があったり、などと、
御年のこともあり、あまり多くの機材は、つなげかったものだから、
この当時お~でぃおより凝っていた、びでおの編集のほうで、
音声の確認をしてもらっていたのです。
でも、たまの休みの日に、ダイヤトーンのDS-500や、
パイオニアのS-55TXなどをつないでみて、昔話に耳を傾けてみると、
折り目正しいその語り口には、曖昧なところは微塵もないし、
筋道や前後関係もきちんとしていて、これ見よがしなそぶりはなくとも、
物腰のしっかりとした説得力があるし、
それでいて身の不遇を嘆かない、大らかなかたでもいらしたので、
その昔はさぞかし立派な御仁だったのだろうと、
それに、すばらしいなお姉様 (上級機とも、いう) や、
従姉妹 (後継機とも、いう) のお歴々が、
幾人もいらっしゃるとのことで、事情が許せばいつの日か、
その方たちとも話してみたいと、思い起こさずにいられなかったし、
実際に従姉妹の方たちとは随分と、お話を伺う機会に恵まれたのです。
でも、正妻がいる分際で、この御仁をかくまっているわたくしは、
自分の不甲斐なさを棚に上げて、この御仁の高潔さが鼻についてしまい、
びでおのほうも、いつしか飽きてしまって、
よからぬ浮気心が、またしても頭をもたげてきたりしたものだから、
2008年の3月に、借金のかたに手放してしまったのです。
いまでもよく、この御仁のことを思い出します。
このような御仁が、この御仁のご生家をも含め、
どうしてあのような目に会わねばならなかったのか、について、
わたくし自身が犯した仕打ちへの、慙愧の念とともに、
思いを馳せずには、いられないのです。