AI技術者に殺到するヘッジファンド(2)。。 | たいくつ親父のひとり言(パートⅡ)

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亭主敬白

すでに日本でも、ロボアドバイザーと称するロボットを使った投資アドバイスの提供などが人気となっていますが、ヘッジファンド業界ではこのような単純で簡易なアドバイスを送るようなロボットでなく、もっと極めて精巧な現在のAIの技術の最先端の結晶を集めたような投資プログラム構築が目指されているのです。

 グーグルの開発した<アルファ碁>が世界チャンピオンに勝利したということでAIの飛躍的な発展が世間の話題になるようになってきましたが、実際の研究の最前線においては当然、研究結果が現実的な膨大な金銭的利益となる研究が最も好まれるわけです。いくら碁の勝負に勝っても膨大なマネーを得られるわけではありません。


 <アルファ碁>のような超知能を駆使した卓越したAIであれば、実戦で市場取引にトレーディングとして投入して、必勝のトレーディングロボットを作った方が膨大な資金が稼げるわけですから、最高の研究は残念ながら、ヘッジファンド業界における、投資の必勝法の方に頭脳流出が加速しているのが実情です。研究者としても、ヘッジファンド業界に入れば資金を湯水のように与えてもらえますし、思うような研究ができて実際、金銭的にも次元の違った潤いになるというわけです。唯一、学術的な名声を得られないということはあるかもしれませんが、それを求めないのであればヘッジファンドに移籍した方がいいという考え方です。
 AIはここにきて驚くべき進歩を遂げたわけですが、実はその一端がヘッジファンド業界に大きな影響を与えつつあり、業界の勢力図の圧倒的な変化として現れてきたのです。

 どのような変化が起こってきたかというと、ヘッジファンド業界において上位を独占するヘッジファンドがほとんどAIを駆使したファンドに変わりつつあるのです。


2008年リーマンショック後に大規模な市場変動があって、ほとんどの米国の銀行大手が破産寸前の危機に直面した事態がありました。

この時は世界中が破たんするのではないか、と思われるほどに株式市場が暴落して為替市場が驚くほど動き、世界各国の経済成長率が深刻な水準にまで低下してしまいました。

それから8年近く経つ今も尚、その時の後遺症が残っていると言われています。

そしてそのリーマンショックの最中、米国の議会公聴会でヘッジファンドの大物が数人召喚され、議会証言を求められました。このうちの3人はソロスファンドのジョージ・ソロス、ポールソン・アンド・カンパニーのジョン・ポールソン、ルネッサンス・テクノロジーズのジェームス・シモンズでした。ソロスもポールソンもカリスマ的な投資家と言われ、リーマンショック時も大きな利益を得たと言われています。


2008年当時はかようなカリスマ的な投資家がヘッジファンドの雄としても目立っていた存在でした。

その中で膨大な利益を上げながら、その投資手法は公言することなく、秘密主義を守っていたのがルネッサンス・テクノロジーズのジェームス・シモンズでした。

(つづく)