ジオス倒産に思う
語学教室を経営することは簡単ではありません。
”語学教室を経営するためには何が必要か?”のようなキーワードで
このブログを見てくださってくる方がいらっしゃるようです。
語学教室を始めるのは、とても簡単です。
場所を確保し、机、椅子、ホワイトボード、CDプレーヤー、ペン、紙、電話、コピー機・・・
など必要なものを購入し、看板を掲げれば、
じゃ~ん”語学教室の出来上がり”です。
ただ、ハード面を揃えるのは簡単でも、ソフト面で良いものを揃えるのは
時間と根気が必要です。
よい先生を確保し、カリキュラムを練る。
気持ちよくレッスンしていただくために雇用関係以上の
人間関係を築き上げることが重要で、それが出来ないと折角いい先生を確保できても
すぐにやめてしまい、生徒さんに迷惑がかかります。
さあ、よい先生を確保できました。
カリキュラムもよく練ってよいものができそうです。
それから、広告を打ちます。
どういう思いで教室を運営するのか、特徴は何なのか、
他ではできない自分だけができる教室のあり方とはなんなのか?
よく考えこれらを盛り込み、HPやちらしやパンフレットなどを作ります。
語学教室は大根を売っているのと違いますから、
折角大金をはたいて宣伝を打っても、すぐには結果には結びつきません。
自分のことと置き換えてみるとよくわかると思いますが、
”英語勉強したいな~”と漠然と思っていても、
広告を見てじゃあ、すぐに行動に移すかというと、必ずしもそうではありません。
そのときは取り掛かっている仕事が忙しいかもしれませんし、
気持ちがそこまで高ぶっていない、かもしれません。
広告を打ってから、実際人を動かすまでには
だいたい1ヶ月くらいの時間が必要なようです。
最初、都立大学で中国語教室を始めたときには、広告をうっても
電話が一切ならず、”需要がないのではないか・・・”と落ち込んだものです。
教室経営は最初の1年ほどは採算ラインにのらないことを覚悟する必要があります。
その上で、どこにもマネできないレッスンの質とサービスをひたむきに追い求める
努力がその先の経営に大きな影響を及ぼします。
最近、ジオスが破綻しました。
ちょっと前はNOVAもダメになりました。
業界での評判は色々と聞いておりましたので、
(これもLILY ENGLISH SALONを始める大きなきっかけではありました。
英語スクールがこんな具合ならまずい。私がやらなくては・・・と僭越ながら思いました。)
決して不思議には思いませんでした。
やはりな、くらいな感想です。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/382763/
↑の記事によりますと、
リーマンショックに始った不況で生徒数が減少した。
広告宣伝費を落としたことで、生徒数が減少した、とあります。
一般的にいって、教育は不況に強いといわれています。
現に莉莉中国語サロンではこの4年、生徒さんがずっと増え続けています。
弊社の場合、小さいところですので、広告宣伝費は確かにあまり使えません。
生徒さんの口コミが一番有効な宣伝だと考え、
今いらっしゃる生徒さんに精一杯のレッスンとサービスを提供することに徹しています。
情報化社会ですから、自分の理念や考えをネット上で
こうやって発信することも比較的容易です。
要は中身があるのだったら、結果はおのずとついてくるということです。
以上の通り、
語学教室の経営は決して”スグに儲かる、おいしい仕事”ではありません。
以前はそうであったようですが、今となっては過去のものです。
ハード面でいえば参入障壁が低いので、誰でも比較的簡単に始められますが、
安易な気持ちで始めてほしくないと思います。
一度生徒さんを引き受けたからには、その方を最後まで責任をもって
育てようという覚悟が伴ってしかるべきです。
途中で儲からないからやめた!とか、
その程度な覚悟しかなのであれば最初からやらないほうが、
生徒さんのためでもありますし、身のためでもあります。
英語教室を経営している私の友人は、安易な生徒募集をしません。
彼女は子供を教えていて、その子どもたちが一人前に成長するまで
面倒を見る気でいるので、あまりたくさんの生徒さんをとれない、といっています。
”途中で放り投げられないでしょ?”
私は彼女のやり方に共感することが多いので、とても勉強させていただいています。
語学業界全体は新しいビジネスモデルの構築が迫られています。
日本人にとってこれから益々語学力が必要となるのは
目に見えています。
そんな中でもし語学離れが進むようなことがあれば見逃せない傾向ですし、
これによる日本経済全体に対するマイナスは計り知れません。
私がやっている教室はただでさえキャパシティとの戦いですので、
語学教育が必要な人みんなに対して何かしてあげられることはできませんが、
今お引き受けしている生徒さんの進歩に対して100%の責任を負ってやっていきます。
その覚悟がおありで、語学教室を立ち上げたいという方。
お聞きになりたいことがありましたら、ご連絡ください。
できる範囲でご相談に乗ります。
(って、エラそう)
宮内 真由子