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本木リク(主人公)
本木君(本木雅弘さん風)
筒井君(筒井道隆さん風)
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「いい思い出をありがとう。お幸せに!」


 インデックスカードに筒井君の汚い字で
そう書かれたカセットテープ。
それが筒井君からの最後の贈り物だった。


 そういえば、
十代の頃、
彼とカセットテープで交換日記的なことをしてたっけ。


 お互いラジオDJになりきってカセットに話し掛け、
恋人に聞かせたい曲を紹介して流す…
トーク部分は曲紹介でありつつ、
どんなに愛してるかを語るラブレターめいたものだった。

 面と向かっては照れくさい言葉も、
メールなら語れちゃう、
今でいうとそんな感じかな。



「いい思い出をありがとう。お幸せに!」
と書かれたこのテープを受け取った時、
そんな彼の声が録音されているのではないかと、
少し期待してしまった。

 思い出の詰まった四曲が刻まれたテープ…
彼の声は無かったけど、
今でも大切にしている。








 筒井君と愛し逢ったまんま、
彼に見送られて、
本木君と結婚した私。

 お互い愛し合ってることを感じてはいても、
もうどうすることも出来ない。
新しい別々の道を行く決心をして歩き始める…







 二十歳の頃、
結婚に異常に憧れたばかりに葛山君を失い、
布施との間違った結婚にやっとの思いでピリオドを打ち、
なのに、筒井君とのハッピーエンドは幻と消えて、
もう当分は結婚という言葉は聞きたくもなかった私だったのに、
本木君からのプロポーズ…


「結婚を決めた理由は?」


→第20話『一生ぬぐえない罪』その2へ
《別れたくないからNOと言えなかった、でもそれだけじゃなかった・・・》
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