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松尾リク(主人公)
本木君(本木雅弘さん風)
筒井君(筒井道隆さん風)
智子ちゃん(田畑智子さん風)
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 人殺し…


 たとえ、
この世に産まれる前の命だとしても。


 私は人の命を奪ってしまったのだ。




 それも、
自分の子としてこの体の中に宿っていた命を。






 人の命の重さに、大小なんてない。
まだ身体のパーツも出来上がっていない妊娠二ヶ月ほどの胎児でも、
立派な大人でも、
人は人…





 だから私はこの子を殺した罪を、
一生背負って生きねばならない、
そう思った。


 そして罪を背負うという意味で、
絶対に、
この子を殺したことを後悔するような生き方をしてはいけない。


 後悔するくらいならば何故殺したのかと、
きっとこの子は私を責めるだろうから。
心からそう決意した。







 私は24歳の誕生日を迎えた。
本木君は27歳。
こんな若い二人が親の援助無しで自力で頑張っているにしては、
素晴しく立派な結婚の準備が進んでいた。

 新居も、結納も、結婚式も、
すべてが会社の跡取りとして、
立派すぎるくらい立派に整ってきていた。



 本木君は、
本当に私と結婚できることが嬉しくてしょうがないと、
浮かれどうしだった。




 秋が過ぎ、冬が来て、二月。
この年のバレンタインデーがちょうど日柄の良い日曜日で、
私たちは二月十四日、結納を交した。

 生まれて初めてのバレンタイン告白のことを思い出す…
13歳。あの年のバレンタインデーも日曜だった。
あんなにドキドキした恋は最初で最後だったな。
あれから十一年、
あの時の同じ日曜のバレンタインデーに
私は着物を着て結納の席にいた。
この結納が四ヶ月後の結婚式への正式な婚約だ。


 本当にこれで良いのだろうか…


→第19話『二度目の結婚そして卒業』その2へ
《※『番外編:初めての告白から…』よかったら読返してみて下さいね☆11年後の同じ日こんな風になるなんて…》
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