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松尾リク(主人公)
筒井君(筒井道隆さん風)
坂口君(坂口憲二さん風)
江梨子(佐藤江梨子さん風)
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 失恋から始まった15歳秋の運命の恋。






 おもてだっては私のキャラクター上、
笑って過ごしていましたが、
辛くて苦しくて、
家では毎晩のように独りで泣いていました。


 そのうち私はこう考えるようになりました。

 筒井君がそばにいてくれないと生きていけないのは確かな気持ち。
だけど、幸い私は筒井君の最も身近な親友だ。
恋は成就しないけれど、
親友として今のまま
ずっと一番近くにいつもいられれば、


 それだけで幸せなんだ。


 そう思う事にして、
筒井君のそばに居ながら、
少しづつこの恋心は心の奥深くに沈めて
封印してしまおうとした。
歯を食いしばりながら。





 そして数ヵ月が過ぎる頃には
絶望的な気持ちもある程度
落ち着きを取り戻しつつあった。

 ちょうどそんな頃、
もうひとりのマブダチ坂口君も
以前から好意を寄せていた女の子への思いを諦め、
新しい恋を探すぞ!と言い始めていて、
(私は筒井君への恋心を坂口君にも誰にも打ち明けていなかったので、)
坂口君と私、
二人のうちどっちが先に新しい恋をみつけられるか競争だ!
なんて事を話していた。

 
 筒井君が江梨子といる時間が増えた分、
私と坂口君とで過ごすことが多くなっていた。




 数ヵ月がまた過ぎた。
私はその間に何人かの人に”付き合って”と告白をされたり、
妙な疑似恋愛に掛ったりもしたけれど、
高校生活の一年目が終わりに近付く頃には、

「本当の恋をみつけるまでは、もう誰とも付き合わない」
そうキチンと考えられるようになっていた。

 そんなことを真剣に話したり、
冗談をいって笑ったり、
あれからずっといつも坂口君と一緒に過ごしてきた。

 そして今度はちゃんと気が付いた。



 二年生になる頃、
私は坂口君を親友として以上に好きになっていた。


 恋をしていた…
この恋心は大切にしようと思った。



 すぐに打ち明けるつもりはなかった。
一番の親友でもあったから。







 そんな高校二年の初め頃、
私たち三人に大きな動きが起こった。
同時に二つ。



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