1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2017-07-26 18:52:38

バンコク駐在員物語 ~彼女と旅行編 後編~

テーマ:まったくのひくしょん

バンコク駐在物語 ~彼女と旅行編 前編~

からの続きです。

 

前回のあらすじ

 

じゃこ天みたいな顔の加地に

イワシみたいな彼女ができて

頭の中がコロッケになった。

 

*************

 

「加地の乗ってるベスパってね、

タイのネットショップかなにかで購入したらしいんだよ。

 

最初、『お金を振り込んだのに、持ってきてくれない』って言うから、

『騙されたんじゃないの?』って俺が言ったら、

『いや、お金振り込んだんだから、絶対に来るはずです。』って

根拠ないのに自信満々なんだよ。

なんで、引き渡し時にお金払わなかったのか

理解不能でしょ?

 

結局、3か月経っても何の音沙汰もないから、

加地が自分で取りに行ったらしいわ。

 

そしたら、輩みたいなのが3人も出てきて、

やばい!これはひょっとしたらピストルで撃たれるかもって

覚悟したらしいんだけど、

案外すんなり引き渡してくれたんだって。

 

たぶん、そいつらよりも、

加地の方がよっぽど輩度が高かったんだろうね。

顔も怖いし。」

 

「やだぁ、ひくしまさん・・・キャハハハ・・・。」

 

少女のように無邪気に可愛く笑うママを見ると嬉しくなる。

 

今日は加地から、先日の旅行の報告があるというので、

ここ「ちゃうちゃう」で待ち合わせしたが、

少し早目に来て、ママと話をしていた。

 

俺の巧みな話術で好感度がさらにアップするに違いないからだ。

 

 

 

ふっくら仕上がった「肉食系男子の恋する鉄板ハンバーグ」が

出てきた頃、じゃこ天・・・じゃなかった、後輩の加地が入ってきて、

いきなりの注文。

 

「あ、ママ、僕、焼きナスください。」

 

加地くん。で、どうったの?旅行は?

 

「ひくしまさん、聞いてくれますか?

僕、彼女に喜んでもらおうと思って、

サムイ島でのオプションツアーを毎日予約してたんですよ。

 

そしたら、彼女、日焼けするから嫌だって。

 

ビーチにすら出てこないんですよ。」

 

彼女はホテルにひきこもって、ずっとスマホをいじってたらしい。

 

「でも、ツアーをキャンセルするのももったいないので、

僕、一人で参加してきました。

ある時は、カヤックだったんですが、当然二人乗りのカヤックを予約してあって。

 

ガイドさんが、一緒に乗りましょうかって言ってくれたんですが、

お断りして僕、一人で二人乗りのカヤックこいだんですよ。

終わったら、手がマメだらけになってましたわ。」

 

笑える。

心の優しいママは、話を聞きながら、じっと笑いをかみしめているようだ。

 

「ディナーもね、海沿いのムード満点、お洒落なレストランを

事前にネットで調べて予約してあったんですが・・・」

 

が?

 

「そんなとこ行くよりもガイヤーンとソムタムが食べたいって。

仕方ないから、レストランはキャンセルしました。」

 

散々だったみたいだね。彼女との旅行。

 

 

「いやぁ、4日間が長かったですよ。

やっと終わってスワナプーム空港に戻ってきたんですが、

彼女が手を差し出すんです。

あぁ・・・手をつないで帰りたいんだ、やっぱり可愛い僕の彼女って思って、

手を握ろうとしたら、『メチャイ!』 違うって言うんですよ。」

 

彼女は、お店を休んだ分、1日5000バーツの4日分、

それにチップをあわせて3万バーツをくれと言ったらしい。

 

「自分の彼女と旅行するのに、なんでお金を払うんだ!

絶対に払わないって言ったら、彼女発狂したかのようになって・・・。

 

払う・払わないで大声だしてたもんだから、

空港のツーリストポリスがやってきて、

他の人に迷惑だからって、署に連れていかれました。

 

別々に事情聴取をうけたんですが、

僕は最初にそんな話を聞いてないし、

彼女なんだからお金を払う必要はないって主張したんです。

 

そしたら、彼女の事情聴取をしていた警官がやってきて、

むこうは「彼女じゃない!」って言ってるよって。

僕のことはただの客だって言ってるって。

 

警察もめんどくさいのか、

間を取って、半額で手をうちなさいと。

 

僕も彼女もそれぞれ、納得したって書面にサインさせられて、

僕が半額払ってそこを出ました。」

 

あぁあ・・・。可哀そうに。

ちょっと見えてた結末だけどね。

 

「納得して終わったはずなのに、空港のエスカレーターの前で、

彼女がまた暴れだしたんです。

 

他のお客さんが通れないし、邪魔になってるのが嫌で・・・。」

 

嫌で?

 

「結局、残りの半分、つまり全額払ったんです。

そしたら、彼女、急に笑顔になってね。

『コップンカー』って、ありがとうって、僕に手を会わせて

お礼を言ってくれたんです。」

 

良かったのか、良くなかったのか・・・。

 

「そのしぐさがなんとも可愛くってね。それで・・・。」

 

それで?

 

 

 

「それで、最後は手をつないで帰りました。」

 

 

・・・。

 

 

俺が呆れて言葉も出ず、頬をひくひくさせてた時、

 

 

 

 

ボケナスの眼の前に焼きナスが出てきた。

 

 

 

後編だけど、まだ続く。

 

***************

この物語はフィクションです。

登場する人物、店は全て架空です。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。