~人生を豊かにするための地図~

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投資・人生・知恵に関するあれこれ



"An investment in knowledge pays the best interest."
by Benjamin Franklin

"Investment is most intelligent when it is most businesslike."
by Benjamin Graham


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投資で成功するためには、何をしたらお金を失うのかを知ってそれを避けることです。

 

人生で成功するためには、惨めになる方法、何をしたら死ぬ確率を高めるのかを知ってそれを避けることです。

 

ビジネスで成功するためには、何をしたら破綻するかを知ってそれを避けることです。

 

あらゆる企業には、「死亡前死因分析」を行う部署が不可欠だと考えています。

 

この部署は、自分が勤務している企業が5年後、10年後に破綻しているとしたら何が原因になり得るのかを徹底的に考えるのが仕事になります。

 

どうやったら破壊できるか考え、それを定期的に全社に発表するわけです。

 

例えば、コピー用紙を無駄にする社員の割合が大幅に増えるとか、顧客ではなく自分たちを優先するとか、新しい考え方を聞く耳を持たない文化にするとか、挑戦して失敗した人を評価しないとか、様々な原因を挙げることになるでしょう。

 

何をしたら成功するのかということを考えるよりも、何をしたら失敗するのかを考えるほうが遥かに有益です。

 

列挙した項目を満たせば満たすほど破綻の道に向かっているとわかりますし、その項目というのは斬新なものなど一つもなく、当たり前のことが書かれることになるでしょう。

 

・上司は、部下を尊重しないでください。

・部下は、上司を尊重しないでください。

・コピー用紙を無駄に使ってください。

・自分の仕事が終わっても、周りの人が残っているなら帰らないでください。

・自分の人生よりも会社を優先してください。

・顧客の要望に耳を傾けないでください。

・経営陣は、自分たちを特権階級だと考えてください。

・経営陣は、業績が良くなったら自分たちの手柄にして、業績が悪くなったら従業員のせいにしてください。

・失敗しても責任を放棄してください。

・挑戦して失敗した人を責めてください。

 

これらの項目を満たせば、ビジネスを失敗させる確率を高めることができます。

 

このようなリストを壁に貼って、満たした人が恥ずかしい思いをする文化を構築しなければなりません。

 

「あっ、あなた今部下の意見を馬鹿にしましたよね。ものすごくダサいですよ。」

 

「あっ、あなた今成功を自分だけの手柄だと勘違いしましたね。ものすごくダサいですよ。」

 

このような文化は、とても重要なのです。

 

人間の頭脳は、繁栄している時に「失敗する方法」について冷静に考えられるようにはできていません。

 

今の繁栄を継続するにはどうしたらいいか、どうやったらもっと収益を増やせるか、といったことを優先してしまいがちになります。

 

こういう時に、「どうやったら収益を減らせるか」「どうやったら衰退させられるか」を考えれば、それを警戒するようになるでしょう。

 

この考え方は、個人の人生にもそのまま適用できます。

 

失敗する方法(=死亡前死因分析)を考え、それを避けるようにするのです。

 

 

人間の頭は、累積成長(=複利)を直観で理解できるようにはできていません。

 

ウォーレン・バフェットの株主への手紙やピケティの「21世紀の資本」の中にもこの複利に関する記述があります。

 

分野は違いますが、ダーウィンの著書「種の起源」の中にも複利の威力に関する記述があります。

 

複利の本質は、いかに小さな変化であっても、何百年、何万年、何千万年と蓄積されればとてつもない大きさになるということです。

 

ピケティの「21世紀の資本」の78ページに、1700~2012年の期間に世界経済がどれだけのペースで成長してきたかのデータが掲載されています。

 

世界のGDPは312年の間、1.6%ずつ成長してきました。

 

内訳は、人口成長率が0.8%、一人当たりGDP成長率が0.8%で、合計1.6%です。

 

さて、1700年と2012年の世界はどれほど違っているでしょうか?

 

”わずか”1.6%の成長率であっても、長い期間持続すれば、驚くほどの変化を遂げるのです。

 

この観点を理解するならば、GDP成長率1%は「低い」という考えが誤りだと気づくはずです。

 

年率1%の成長率は、どう考えても満足のいく成長だと言えますし、アメリカのように2~3%ずつ成長しているのは、相当な速いペースで成長していると言えます。

 

これを賃金にも当てはめてみましょう。

 

あなたの賃金が今年1%成長しました。

 

これは短期的には微々たる変化だと思うかもしれません。

 

しかし、この1%の成長が50年間持続したとすると、1.65倍になるのです。

 

これを国全体に適用するならば、GDP500兆円の経済が50年後に825兆円になっていることになります。

 

小さな変化を過小評価してはいけません。

 

 

 

 

 

 

 

これまで、様々な取引を単式簿記と複式簿記それぞれの記録方法で見てきました。

 

単式簿記は家計簿のような記録方法です。

 

複式簿記は複数の観点から取引を見る記録方法です。

 

ほとんどの人は単式簿記的思考でしか取引を見ていないでしょうから、資産と負債を把握している人は稀でしょう。

 

ぜひ一度、ご自身のバランスシートを作成してみてください。

 

左側に「資産」、右側に「負債」を記録して、資産から負債を差し引いてください。

 

数値がマイナスならば、あなたは「債務超過」の状況にあり、プラスならば「純資産」があるということになります。

 

財務状況を改善しようと思うなら、この「純資産」の状態にすること、そして、総資産に対する純資産の割合をなるべく高くすることです。

 

適切な割合は人によって異なりますが、50%以上を一つの目安にするとよいのではないかと思います。

 

単式簿記的思考では、通帳の残高が増えていれば満足してしまうかもしれません。

 

複式簿記的思考では、その貯金をどうやって費やせば「資産」と「純資産」を増やすことができるのかを考えることになります。

 

バランスシートの左側を増やそうとするのですから。

 

さらに、右側を減らそうとするようにもなりますね。

 

複式簿記の思考方法を使って作成したバランスシートは、自分の現在の財政的な立ち位置を知るよいツールになります。

 

自分の立ち位置がわかれば、どこに向かいたいのかがはっきりする可能性が高まりますし、そのゴールに近づいているのかも随時確認できるようにもなるでしょう。

 

僕は複式簿記を自分の人生に採用するようになってから、その思考方法から多大なる利益を得ています。

 

短期的には効果を実感することができないかもしれませんが、長い目で見れば、それをやらなかった場合よりも良い財政運営をすることができると考えています。

 

 

今回は、住宅の購入について考察していきます。

 

次のようなバランスシートを持った人がいるとします。

 

【有形資産】   【負債】  
現預金 4,000,000    
       
    【自己資本】 4,000,000
総資産 4,000,000 【負債+資本】 4,000,000 

 

住宅を購入するためには大きな資金が必要なので、自己資金だけでは買うことはできません。

 

そのため、ほとんどの人は住宅を買うために銀行から借り入れをします。
 
次のような取引を考えてみましょう。
 
自己資金 300万円
住宅ローン 2,700万円
金利 1.2%(30年固定)
月々返済 約9万円
 
住宅を売ろうと思って買う人は稀なので、償却期間は返済期間と同じに設定して問題ないでしょう。
 
住宅購入後のバランスシートはこのようになります。
 
【有形資産】   【負債】  
現預金 1,000,000 ローン 27,000,000
住宅 30,000,000    
    【自己資本】 4,000,000
総資産 31,000,000 【負債+資本】 31,000,000
 
そして、30年後には住宅の”帳簿上の価値”はゼロになります。
 
30年後      
【有形資産】   【負債】  
現預金 5,000,000 ローン 0
住宅 0    
    【自己資本】 5,000,000
総資産 5,000,000 【負債+資本】 5,000,000
 
”帳簿上の価値”というのは、単なる形式的なものであって実態を表したものではありません。
 
30年後に、もし仮にその住宅を誰かに売ろうとした時に市場価格がつかないわけではないのです。
 
ただ、バランスシートは左側と右側が一致するように記録するため、そうしたというだけです。
 
これは、僕が個人的に”バランスシートの限界”と呼んでいて、企業の財務分析にも役立つ知識ですが、ここでは深く立ち入らないことにしましょう。
 
ここで一番言いたかったことは、あなたが銀行から借金をして住宅を買ったならば、あなたには2,700万円の「負債」と、3,000万円の「資産」があり、時間と共に資産と負債の帳簿上の金額は減っていくということです。
 
また、実際の価値というのは資産が生み出すキャッシュフローに基づく、と考えるならば次のように考えることができます。
 
30年後にその住宅を知人に月7万円で賃貸したとしたら、その住宅の資産価値はゼロではないですね。
 
年間84万円の家賃収入を生み出す資産のバランスシート上の資産価値は、低く見積もって収入の10倍の価値がある言えるでしょう。
 
【有形資産】   【負債】  
現預金 5,000,000    
住宅 8,400,000    
    【自己資本】 13,400,000
総資産 13,400,000 【負債+資本】 13,400,000
 
これは実際にその価格で売れるということを意味していません。
 
ただ、年間84万円の収入を生み出す資産をいくらで評価するのが妥当なのか、ということです。少なくともそれはゼロではないですね。
 
単式簿記的思考の人の頭の中には、「自分にはいくらの借金があるのか」ということしかありません。
 
頭の中を文字化するならば、次のようになるのです。
 
・借金 2,700万円
・毎月9万円の返済費用がかかる
 
複式簿記のようにバランスシートは出てこないでしょう。