期待を超えた結果を出す | ごく普通の日本人が出逢った外資系企業の世界

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先週おこなったトレーニングの参加者の感想のまとめが返ってきました。
それによると、4つのトピックの中で最も評判が良かったのは、「期待を超えるということ」に関するトピックでした。
ここにそのキーポイントを書き留めておきたいと思います。

まず背景としてお話したことが2つ。

1つ目。少し前のニュースで、「20代の社会人にアンケートしたところ、上司に言われたことをきちんとこなしていれば、順調に出世できると思っている人が増えている」というのをやっていました。これがニュースになるということは実際にはそうではないということ。会社にもよるのでしょうが、私の感覚では言われたことをきちんとやって「平均のちょっと下」くらいだと思います。順調に上のポジションに上がっていく人というのは、コンスタントに上司の期待値を超えて結果を出している人です。

2つ目。これは以前に紹介した新さんの本からの引用をさらに応用したものです。どちらも1万円で売られているAとBという商品があったとします。Aを使った人の大半は、その商品を額面通り、つまり1万円の価値があったと評価しました。一方で、Bを使った人の大半は、その商品はその額面を超えた、1万2千円の価値があったと評価しました。この場合、Bを引き続き購入する人の割合は、Aを再び購入する人の割合の6倍にもなると新さんはおっしゃっています。
人に対する印象についても同様のことが言えます。期待値をいつも超えてくるという人は、そうでない人に比べて(期待値の超えかたが6倍でなくても)6倍くらい印象に残ります。そうすると、大きな仕事を任せてみたいな、と思われるわけです。

つまり、「期待値を超える」ことは、より大きな仕事を任されるようなポジションに上がる為には必須であり、また非常に効果的だということです。

そしていよいよ本題。どうやったら「期待を超える結果」を出せるかです。
これに関して、3つのステップでお話しました。

ステップ1: 知識 + 時間 = アイデアの種

ビジネスに関する知識があることがまず大前提です。とは言っても、広範なビジネス知識ということではなく、自分の担当する分野に関しては、狭くてもいいから誰にも負けないくらい知識をつけるということです。

そして、ここに「時間」を足します。ここでいう時間とは、「じっくり時間をかける」ということではなく、月に1回でいいので「誰にも邪魔されない半日くらいの時間」を確保するということです。

そして、会社のビジネスに大きなインパクトを与え得る、アイデアの種を2-3個ひねり出します。

ステップ2: アイデアの種 X ネットワーク = 具体的なプラン

この「アイデアの種」を、「仕事のデキル」上司やチームのメンバーなどにぶつけます。ここで行うのは「広げて絞る」作業です。アイデアの種にいろんな要素を加えながら大きく広げ、ころ合いを見計らって、実現可能なプランに磨きをかけていくのです。

この「広げて絞る」作業を自分だけでやってしまうと、アイデアが十分広がらず、結局こじんまりとしたプランになってしまいます。また、いつまでも絞らないでいると、結局絵にかいた餅で終わってしまいます。また、「アイデアの種」をぶつける人に十分な能力・知識が無いと、結局出てくるアウトプットは平凡なものになってしまいます。

「質の良いネットワーク」と「適切な広げて絞る作業」を経て、「アイデアの種」が「具体的なプラン」へと成長していくわけです。

ステップ3: 組織のワークプランに組み入れる

いよいよプランを実行へと移していくわけですが、ここからは本格的に組織の力をレバレッジしていきます。つまり、自分のプランを組織のプランへと昇格させるのです。こうすることで、組織がそのプランを推し進めていくことになり、プランはどんどん洗練されていき、実行へのラインに乗っていきます。

ここで大切なことは2つ。

1つ目は「組織のビジョン・方向性」を理解しているということです。どんなに秀逸なプランでも、組織のビジョン・方向性に合致していないと、実行に移すことはできません。当たり前のことのようにも聞こえますが、自分の周りのことで手いっぱいで組織全体を大局的に理解していない、ということはよくあることです。「アイデアの種」を考え始める段階でこのビジョン・方向性を考慮に入れておくことで、採用される可能性の少ないアイデアを予め除いておくことができます。

もう1つは、ステップ2のネットワークの中に、「組織の優先順位を決められる人」を入れておくということです。こうすることで、「広げて絞る」際に、会社の方向性にあったプランへと自然に修正されていきます。また、出来上がったプランを組織としてのワークプランに組み入れることが容易になります。

上記2つのポイントを、ステップ1・2に中で押さえておけば、ステップ3は比較的すんなりと進めることができます。

まとめると・・・・・
大切なことは3つ、「深い知識」「質の高いネットワーク」「大局観」です。この3つを日頃からしっかりと磨いておき、月に半日くらいの「時間」をかけて「アイデアの種」を生み出し、育てて具体的なプランへと磨き上げ、実行に移すのです。

言葉でいうと簡単そうですが、この3つを相当高いクオリティで持っていないと、「期待を超えるような結果」を「継続的」に産み出すことはできません。

次のトレーニングの機会には、もっと具体例を用いて、この3つのステップを掘り下げていきたいと思っています。