前へと進む原動力 | ごく普通の日本人が出逢った外資系企業の世界

ごく普通の日本人が出逢った外資系企業の世界

外資系の世界・ビジネスの世界で感じたことを書き溜めています。
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30代半ばを過ぎて、仕事は相変わらず面白いし、責任も増えてきて・・・。でも、どこかでずっとふわふわとした、落ち着かなさを感じていました。それはきっと、「自分は10年後にこうなっていたい」という強い目標や、「自分はこの為に生れてきたんだなあ」という人生のテーマのようなものが、自分の中ではっきり定まって無いからじゃないかな、と何となく理由つけて納得していました。そして、その中で自分ができることは、やっぱり目の前のことを一生懸命やり続ける、そうしているうちに自分の道が見えてくるんじゃないかな、と考えていました。でも、それだけでは十分じゃないのかな、と最近思っています。


外資系で働く人は、人生における目標をはっきりと持っている人が比較的多いように思います。特にインド・中国などアジア諸国の人たちは、上昇志向も強く、未来への夢をはっきり描いています。


でも、目標を持つことが、自分を前へと突き動かすモチベーションの源泉とはならない人もいるのだと思います。だからといって、目の前のことをやみくもに一生懸命やっても、本当に幸せだと心から思える人生に近づいていくとも思えません。


きっと大切なことは、自分のスイッチを入れられる「なにか」を理解することなんだと思います。(もちろんそれが高い目標を掲げることだという人もいます。)


私は、「いろんなデータや事柄をストーリーに落として、それまで誰にも見えなかった何か新しいことを紡ぎ出すこと」が大好きです。そんな可能性を秘めたビジネスを目の前にするとワクワクするし、何時間でもそのことに没頭していられます。そして、そうやって紡ぎ出した新しいストーリーをチームと共有して共感され、彼らのインプットを受けてより良いものとし、それが自分よりもずっとスマートなマネジメントから評価された時、自分の満足度がぐぐっと上がるのです。


ここには私だけの二つの隠されたスイッチがあります。

一つは、普段は私生活も含めてクリエイティビティからかけ離れたような私ですが、実は「クリエイティブ」な人間に対して強い憧れを持っていて、自分なりのやり方でそれを達成できたときに興奮するということ。もう一つは、普段からあまり人付き合いが上手ではないけれども、「人としっかりつながること」に対して強い願望を持っていて、それが仕事を通じて達成できたことに喜びを感じているということです。


クリエイティブというよりも、地道に一歩一歩積み上げていく「自分」。ひとりでじっくり考えてものごとを解決していく「自分」。これが、私がずっと思っていた、「自分」でした。


それも間違ってはいないけれど、私が大好きな「自分」ではなかったようです。これが私にとって本当に正しい答えなのかどうかは分かりませんが、「私なりのやり方でクリエイティブに何かをうみだすことのできる自分」と、「もう一歩踏み出して人とより深いつながりを持てる自分」に向かって、しばらく頑張ってみようと思います。このほうが、「10年後までには自分の会社を経営していたい」なんていう目標よりも、自分には効くのです。


10年後の目標が持てなくても、自分の大切だと思えることをしっかりと掘り下げて理解して、そこに全力で向かっていく。これも、自分の人生を幸せに近づける一つのやり方ではないかと思います。自分なりの人生のテーマのようなものも、その先に見えてくるのではないでしょうか。




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