昨日のような 〈 物語風 〉 は、けっこう入念な準備というか、見えない部分で、こだわっています。・・・ こういうことは黙っておくべきですが、おちゃらけで書いてると誤解されたくないので、そうじゃないって言い訳するわけ。




☆まこさんが洋書を読んでいる場面。ここだけ韓国ドラマの一場面から選びました。書物についても 「 これ 」 と決めていました。




アーダルベルト・シュティフター 『 晩夏 』 です。ニーチェが絶賛した長篇小説、ですが読むのは忍耐を要します。いわゆる軽い作風ではなく、劇的展開は一切なし。シュティフターの、自身こうあるべきだったという、理想の人生を綴った、願望の書です。




散策シーン。現実にはありえないことが創作では起きるという、見本みたいな場面ですね。





ほんとうは使いたかった、この美しい風景。記憶に残る場面です。





正面からは遠藤憲一と分かりますね。若い子は、松井玲奈ちゃん ( SKE48 / 乃木坂46 ) です。髪を染めて、不良少女の役をやっています。





しだいに心を通わせ、お互いの境遇を理解してゆく二人。孤独な少女が、偏屈な男を、父親のように慕うようになる。 ・・・





そういうわけで、落日の光景は、いつしか甘美な夜想曲へと移るのでした。


ショパン 夜想曲 全曲


ニキタ・マガロフ pf



録音 : 1974年9月、アムステルダム



夜想曲全集は、これまでにも他のピアニストで紹介していますが、あらためて聴きますと、ニキタ・マガロフの演奏がいちばん奥深いように感じます。


ショパンの音楽そのものがベートーヴェンのような思想を有するとは思いませんし、バッハの深さやモーツァルトの純粋さも、持ってはいない。けれど音楽として優れているだけでなく、ピアニストの人格まで映す事から、底知れぬ泉の如き魔力があります。