今天有空嗎?

今天有空嗎?

台湾映画その他中華圏映画のこと/蔡旻佑のこと/コトバのこと/音楽のことetc・・・今天有空嗎?

本日午後、東京国際映画祭のラインナップが発表されました。

ひさしぶりに特集「台湾電影ルネッサンス」が組まれ、4作品が上映されるとのことでした。

また、ワールドフォーカス部門で李鴻其の初監督作品も上映されるようです!

 

①『After School(成功補習班)』藍正龍監督

今年の台北電影節クロージング&台湾では先週末公開のこちらの作品。

 

きたっ!嬉しすぎます。

映画祭サイト

 

 

 ②『Ms. Shampoo(請問, 還有哪裡需要加強)』九把刀監督

こちらも今年の台北電影節オープニング作品&台湾では夏に公開されていました。

映画祭サイト

 

③ 『Old Fox(老狐狸)』蕭雅全監督

『ミラーイメージ』『台北カフェ・ストーリー』『范保德』の蕭雅全監督最新作!

劉冠廷 、白潤音、陳慕義ほか。台湾では11月24日に公開。エグゼクティブプロデューサーに侯孝賢監督と小坂史子さんのお名前があります。日本からは門脇麦さんが出演されているようです。

…こちらも気になってた作品!

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 ④『Who'll Stop the Rain(青春並不溫柔)』蘇奕瑄監督

今年の台北電影節で評価の高かった作品。現地では残念ながらスケジュールが合わず、見ることができなかったので、これも嬉しい限り!

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⑤『Love Is a Gun(愛是一把槍)』李鴻其監督(台湾・香港合作)

『酔生夢死』で注目していた若手俳優、李鴻其の初監督にしてヴェネチア映画祭で新人監督賞を受賞した作品!期待大です。

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金馬奨で発表されるコンペ以外の情報として、毎年楽しみにしているのが「金馬創投會議」の入選情報。

今年の情報が本日発表されました。

 

 

 

入選作品は46本。うち7本はすでに撮影が始まっているようです。

気になる作品をピックアップ。

 

・黃信堯監督によるドキュメンタリー映画『天皇玉音超推理』

・トム・リン監督によるホラー&異常愛モノ(?)『像我這樣的愛人』

・『石門』のホアン・ジー&大塚竜二監督『水釘郷』

・林君陽監督『我殺了我自己』
・『
查無此心』曾英庭監督×唐在揚プロデューサー『旺的Girl』は再び不法移民労働者がテーマ
・『本日公休』傅天余監督『狗的眼睛裡
世界是什麼顏色』はプロデューサーに林柏宏の名前が!

・『強くて弱い女たち』許承傑監督の『雙囍』、タイトルの字面が既にユニーク
・『先に愛した人』許智彥監督『嘻哈糶手』(ヒップホップ?)
・張榮吉監督『懸命一線』は高層ビルの窓清掃人のサバイバルアドベンチャー
・馬志翔監督『樂之茉』

・『哈勇家』陳潔瑤監督のタイヤル族の神話をベースにした『聖女頭顱』

…結局名前の分かる監督(&プロデューサー)の作品が目に留まるわけだけど、きっとこの他にも面白そうな作品が沢山あるはず、というわけで、それぞれの作品がいつ完成するかはわかりませんが、いろいろと楽しみです。

『I ~人に生まれて~』をシネマート新宿にて鑑賞。

作品紹介というか感想を台湾映画同好会のFBとX(旧ツイッター)にアップしたので、記録としてこちらでも。

 


以下、Xへの投稿。

 

 

 

 

 

 

 

今春のOAFFと先日のあいち国際女性映画祭で上映された台湾映画『本日公休』。

劇中、主人公アールイの長女とその別れた夫を方志友と傅孟柏が演じているのですが、台湾で公開された際の報道を追っていくと、ふたりが10年前の「媽, 親一下」というドラマで共演していたという情報がチラホラ…あれ?「媽, 親一下」って作家・九把刀の自伝的小説のドラマ化だよね?と思い、以前に自分の書いたブログ記事を引っ張り出して読み返してみました。

それがこちら。

 

 

…で、『本日公休』関連の情報を読むと、方志友と傅孟柏がドラマで演じていたのはどうやら大学の先輩後輩で、傅孟柏演じる先輩は酷い男だったらしい(笑)…と、そういえば方志友って蔡旻佑が好きになる同じ部活(チアリーディング)の女の子だったはず…ということは、もしかして蔡旻佑と傅孟柏って共演シーンがあった!?と思い、今度は「媽, 親一下」の動画を探すことに。

 

 

 

↑あった。しかもドラマがYouTubeに全編公開されていた!

 

劇中、傅孟柏が演じる韓森はチアリーディングチームのリーダーで、方志友演じる萱萱の憧れのひと。誘われるがままに一夜を共にし、萱萱は妊娠してしまうのだけど、韓森にとっては遊び相手のひとりに過ぎない。萱萱のパートナーであり、萱萱のことを誰よりも大事に思っている蔡旻佑演じる柯景雲(柯家の三男)は、韓森が萱萱を冷たくあしらうところを目撃し、さらに韓森が男子ロッカールームで発した(文字通り)「無責任」発言にぶち切れ韓森に掴みかかる(40分ころ)、というのがこのエピソードのハイライト…でしょうか。このシーンはよく覚えてる。でもまさか、蔡旻佑ともみ合っていた相手が傅孟柏だったとは(笑)。

 

アットホームでベタなドラマで、このノリは好きなのだけど、さすがに時の流れを感じずにはいられない。まあ、それは仕方ないとして、それでも個人的には蔡旻佑(髪型ヘンだけど)と傅孟柏(めっちゃ嫌な役だけど)という推しのふたりが10年前に共演していたというだけで、大満足なのでした!

 

2022年の台湾映画『售命』をDVDにて鑑賞。

これはB級映画か?それとも…

まずは予告編

 

 

[ストーリー]

27歳の保険会社員・阿良(傅孟柏)は「死」に憑りつかれていた。彼にとって生きるとは、ただただ時計の針を進めるだけのこと。そんなある日、阿良は偶然にも三島由紀夫の小説『命売ります』を手にし、こう考えた…どうせ死ぬなら最後に自分の命を売りに出そう!

 

こうしてオークションサイトに自分の「命」を出品した阿良だったが、世間からの反応はほとんどなかった。イライラが募る中、隣に住む陳瑜真(曾之喬)の中学生になる息子が心臓移植を必要としていることを知り、阿良は自分の心臓を提供しようかどうか悩むが、そこに謎の美人会社経営者の裁沈晶(蔡淑臻)が現れ、ある人体実験のために彼の命を法外な値段で買いたいと色仕掛けで迫ってくる。一方でギャングのボス(蔡明修)が阿良のもとに殺し屋(李銘忠)を差し向け、両親の命と引き換えに阿良の命を差し出すように迫る。無価値に思われた自分の命に群がる謎の人々に対し阿良は…。

 

 

面白い設定に、テンポよく展開するストーリー。全体的にスタイリッシュだし、何より役者ぞろい…なのに、台湾での評価が低かった本作。確かに荒唐無稽すぎな感じはするし、かなり血しぶきも飛ぶし、これまでの台湾映画では見かけないタイプの作品ではあるけど、まあ映画だから、このくらい思い切って振り切ってもいいんじゃない?と個人的にはめちゃくちゃ楽しめました。鑑賞後に三島由紀夫の長編小説『命売ります』の解説をウィキペディアでざっくり読んで、あああ、なるほど、となった部分も。それもそのはず、本作が長編1作目の鄧仲謀監督は件の小説にインスピレーションを得て脚本を書いたそう。途中で一度命を落としかけた阿良は、思いがけずに不死身の身体を手に入れてしまうのだけど、あれほど死に憑りつかれていた人物が…というブラックさ、それにラストの描き方も良かったんだけどなぁ。。