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若き写真家の肖像① 村越としや

村越としや








 今回は、福島県須賀川出身、東京在住の若手写真家のホープ村越としや氏を紹介します。私が村越氏と初めて会ったのは、20108月に開催した「GAW展パート 路地から路地へin西脇」でのオープニングの時であった。当時私はGAW展の事務局をやっていて、名前と作品は知っていたけど、会って話すのは初めてだった。初めて会った印象は、若いんだけど存在感があったようにおぼえている。作品は生まれ故郷の福島をモノクロで撮っているというイメージでした。


 村越氏のプロフィールが非常に面白い。田舎が嫌いで福島から洋服のデザイナーを夢見て東京に出て来ている。文化服装学院に通っていたが、自分の思うような活動ができないことに気づいて中退し、ファッション写真家をめざして写真専門学校へ通い始めた。その当時活躍していた写真家や編集者に憧れて徐々に現在のスタイルへと移行して行ったという。村越氏の撮りたいものは都会ではなく、田舎であった。森山大道氏の助手とアルバイトをしながら、休みを利用しては北は北海道から南は九州の田舎へ行き写真を撮っていた。撮るものは福島の田舎とどことなく似ていたという。


 一時は写真を止めようと考えた時期もあったと村越氏は言うが、2回のターニングポイントを経て、現在の彼が形成された。1回目は祖母の死であった。祖母が入院して、見舞いにちょくちょく帰省していた。2009年に祖母が亡くなり、改めて福島県の風景を撮影してみて、生まれ育った田舎の風景を残していかないと強く思ったという。写真をちゃんとやっていかなければと思ったときに、同じような考えをもった仲間と一緒に自主ギャラリーを開設した。最初は何年かしたら抜けようと考えていた。同じ場所で続けて行くとルーティンワーク化していくと感じていたようだ。村越氏の凄いところは、展示をしながら、写真集を精力的に制作してきたことだろう。最終形態を展覧会ではなく写真集にしているのには、半永久的に写真集は形として残っていくので、こだわっているという。2回目のターニングポイントは20113月に起きた東日本大地震の時である。地元福島のことが気がかりで、震災後も足繁く通った。村越氏は何か特別な意味がなくても、地元を撮影してきたという。生まれ育った福島が震災によって変わり果てていく姿を撮影することはそれだけで意味があることだと感じた。震災後の風景はそれほど変化はないが、周りでなにかがすこしづつ変化して行くように感じているという。村越氏の撮る写真は、静謐で牧歌的でありながら、なにか強い意志のようなものを感じる。



 2011年には日本写真協会新人賞を受賞し、2012年には東京国立近代美術館主催の展覧会『写真の現在4』でも展示された。これから村越氏の活躍が期待されるのと同時に今後どんな作品を撮って行くか気になる。たぶん10年後も福島の風景を撮っているに違いない。








[出典]


「写真の現在4 そのときの光、そのときの風」展カタログ 2012 東京国立近代美術館





村越としやプロフィール


1980年5月22日、福島県須賀川市生まれ。


文化服装学院中退。日本写真芸術専門学校卒業。


2009年、東京清澄白河に「TAP」を設立。


現在東京都在住、フリーカメラマン。




http://murakoshitoshiya.com/profile



写真展いろいろ

昨日は久しぶりに写真展を見て回りました。

①蒼穹舎 大森博写真展「グランド」
書籍納品に行ったついでに拝見しました。大森さんは存じ上げていませんでしたが、構図も良いし、プリントも丁寧に仕上げられていました。

②プレイスM 野村恵子展「此岸の日比」
野村さんの写真は写真集等で拝見していて、好きな写真家の1人でした。危なかしくてそれでいてやさしい眼差しが注がれている写真だとおもいます。壁に展示されていた作品はまさに野村イズム的な写真作品でした。

③シリウス 「岩手この空の下、明日への道を探して」
      フォトジャーナリスト:渋谷敦志、安田菜津紀、佐藤慧
被災地で撮影された写真展にはほとんど行った事がありませんでした。知り合いの安田さんにご案内頂いたので出かけてみました。テレビや新聞などでの被災地の写真は見ていましたが、それは悲惨な状況ばかりでした。安田さんが撮影された写真は、被災地の子供の笑顔が印象的でした。

④コニカミノルタ 木村伊兵衛写真賞受賞作品展「東北 田附勝」
第37回木村伊兵衛写真賞受賞した田附さんの写真展に行ってきました。受付に田附さんが居られました。あいさつをして作品を拝見しました。作品1つ1つに力があり、他を寄せ付けない強さがありました。賞をとるのも納得の作品でした。

⑤TAP Gallery 村越としや写真展「f」
最後に清澄白河にあるTAP Galleryに行ってきました。昨年日本写真家協会新人賞を受賞された村越としやさんの福島の写真展を開催してす。大きくプリントされた作品は福島県浜通りの小名浜辺りで撮った写真7点でありました。

TAPメンバーである吉原かおりさんも合流して、TAPの事務所で打ち合わせと称して飲み会を始めました。元明るい部屋の秦さん、遠矢さんも合流してなにやらいろいろと画策しております。今年中には新しいプロジェクトをします。期待していてください。
空きっ腹に芋焼酎を流し込んだので、朝から二日酔い気味です。
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