ドーモ、2月5日の地上波放送のせいで冬眠しかけていたグリホ熱が再び燃え上がっているSkyWhaleです。
”アメコミなんちゃって翻訳”コーナーは、私、SkyWhaleが独断と偏見で選んだアメコミ(というかおそらくはグリホ一筋になりそう)を、これまた多々の意訳を含んだいい加減な訳として紹介しようというものです。
2年前、映画『グリーン・ホーネット』の影響で買いあさったWebコミックをどうにか和訳して、もっと大勢の人にホーネットのことを知ってもらいたい!とうっすら思っていたのですが、ここにきてようやく実現が叶いました。
さて、ここでこの記事をご覧になっている皆様にお願いがあります。
正直、商品となっているアメコミを、いちファンの勝手な意思で意訳してブログにあげていいものかどうか、当初はとても迷いました。恥ずかしい話ですが、アメコミの著作権事情については全くの無知なのです。
とはいっても、マンガはやはり絵があってなんぼです。
このブログ内ではアメコミの公式画像をなるべく使わない方針でいきたいと思っていますが、画像をのせてしまうことも多々あると思います。
ですので、ここのコーナーを見て、もし「ああ、グリーン・ホーネットっておもしろいんだな」「読んでみたいな」と思った方。ぜひマンガの方も買って、併せて楽しんでいただきたいのです。
ステマのようになってしまって本当に申し訳ないのですが、興味がある方はぜひ、絵付きのマンガを楽しんでいただいて、ここはその補助にでも使っていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
話が逸れました。
以下の文で、私の個人的な感想やちょっとしたこぼれ話なんかは、この文のように灰色がかった文字で表示しています。冒頭のあいさつと同じ色です。
それでは、Green Hornet:Year One 一巻目のなんちゃって翻訳、行ってみよー!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
物語は1921年シカゴから始まります。
後の主人公――ブリット・リードがまだ少年だった頃のこと。
ブリット少年は壁にかかった昆虫標本を眺めています。
彼の父親、ダニエル・リード氏はシカゴの大手新聞会社『デイリー・センチネル社』の社長さんです。ダニエル氏は仕事の電話の真っ最中。どうやら、とある不正取引に関する情報を、匿名の提供者から受け取ることに躍起になっているようです。
最後はやや荒々しい調子で電話を切りますが、“最速の版で”“公式の情報として”出したい!という強い思いからの行動でした。かなりの熱血社長です。
電話を終えて一息ついたダニエル氏、標本をまじまじと見つめているブリット少年に声をかけます。
「標本が気になるかい?ずっと見ていたね。…この虫たちのことをどう思うかね、息子よ。」
「ぼ…ぼく、怖い。怖いなって思ってた…。」
思いがけない反応にお父さんびっくり。場を和まそうとちょっとおどけつつ、かわいいわが子に語って聞かせます。
「おやおや、怖がる必要はないんだよ!虫たちだって神様がおつくりになったものだ、決して邪悪な存在ではないんだよ。」
「でも虫ってすごく気味が悪いし、それに…危ないんじゃない?」
「…確かにそうだね、でもそれは人間だって同じさ。昆虫は刺したり噛んだりするが、それは自分の身を守るためや、自分のテリトリーを守るためなんだ。」
「それはとても自然なことだろう?父さんだって、お前やお前の母さん、それに父さん達の家にもし危険が迫ったら…昆虫たちと同じように、相手に立ち向かうと思うよ。」
お父さんの言葉にどうも納得いかないのか、始終仏頂面のブリット少年。ふと、他の虫たちと異なり1匹のみで展示されている、エメラルドグリーンに輝くハチの標本を指さします。
「ねえ、じゃあ…なんでこいつだけ1匹だけで飾られてるの?」
「ん?ああ…うん、こいつはちょっと変わった、しかも攻撃的なハチでね。アフリカに生息しているんだ。
いいかいブリット、父さんがさっき言ったことは本当のことだよ。だが…」
「もし万が一、お前がこのハチたちと出会うようなことがあれば…その時は彼らから逃げるために、ありったけの知恵を絞らなければならないよ!」
お察しの通り、このハチの標本がグリーン・ホーネットの由来の一つとなっています。
主人公の子どもの頃の経験が元になっていたのですね。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
所変わって、1921年大阪。
今度はブリットの相棒、カトーの子ども時代を覗いてみましょう。
さて、この作品ではカトーは日本人という設定。そのためか、彼の登場するコマではわざわざ『日本語』で喋ってますよー!という注記が入ることがあります。また、彼は大阪出身。恐らく話しているのは大阪弁でしょう。そのため、彼の日本語のセリフはなるべく大阪弁で訳していこうと思います。
ですが、私は関東出身でホンモノの大阪弁を知りません。記事を読んでいて「ここ、おかしいぞ」と気づかれた方がいらっしゃいましたら、コメントやメッセージでこっそり教えていただければと思います。よろしくお願いします!
カトーとカトーの父ちゃんである『お師匠さん』が、剣道着を着、竹刀を構えて向かい合っています。どうやら稽古の真っ最中のようです。
「さあ、よく覚えときカトー。武術は武士がその高潔な使命を果たすための、ただの道具でしかあらへん。
武士の本分は、自身の御大将にお仕えすることにあるんや。」
「武士の心得である7つの徳…それを決して忘れてはあかん。」
ここでお師匠さんの猛烈な打ち込み!
「すなわち!誠実さ!勇気!慈悲深さ!敬意!公正さ!名誉!そして忠誠心や!」
一言につき1回バシバシバシーッとメンが入り、最後には身に付けていた面をはじき飛ばされて小さくうめくカトー少年。かなりのスパルタです。
父ちゃんが被っていた面を取り、倒れたわが子に手を差し伸べます。
今のご時世、我々武士の血を引く人間がお役目を果たすことは難しくなってきている、でもご先祖から受け継いだ教えをしっかり守っていけば、いつの日か『林 カトー』の名前に恥じない立派な人間になれるだろう。
大体こんな感じのことを語って聞かせ、立ち上がったカトー少年は「おおきに、父ちゃん」とお辞儀をします。健気、健気すぎる。
それにしても…林が名字でカトーが名前なのね。苗字(姓)をダブルで呼んじゃう勘違い、日本人も外国人に対してうっかりやってしまうことってあるんでしょうか。
さて、ここでカトーの父ちゃん、いつもひたむきに稽古に取り組んでいた息子の目に、迷いがあることを見抜きます。何かやりたいことが見つかったんとちゃうか、話してみろと促す父に、カトーは今までいろいろな事を教えてくれたことは感謝してもしきれない、でも、と切り出します。
「でも僕が本当に学びたいんは、お父はんがご先祖様から受け継いだ奥義(Shadow ways)なんです!」
息子の切実な願いに「うむ、まあ、そのうちな」と曖昧な返事を返す父。ここで一旦、幼少期のカトーの描写が終わります。
このShadow waysという言葉ですが、後ほど登場する成長したカトーが身につけている装束から、忍術とかそういったものの類だと思われます。
作中、カトーは体術やシュリケンでブリットを助けたり、目隠し状態でトレーニングの相手をしたりと、そこかしこで驚異的な身体能力を披露していきます。
ニンジャだったらまた武士とは別な気もしますが細けぇことはいいんだよ!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さて、ここでまた時代が進みます。
実はYear Oneはブリットとカトーがどのように成長し、出会い、グリーン・ホーネットを結成するに至ったのか、現在と過去を行き来する形で追っていく物語なんです。
なので、今後もちょくちょくこの“時代さかのぼり現象”が出てきます。
1938年シカゴ。
高層ビルが立ち並ぶ街の中心から離れた寂れた駅の一角。格納庫のウラに荒くれが2人の従業員を取り囲んでいます。
荒くれは合計で6人。しかもそのうち1人は手になんかバットとか持ってます。明らかにリンチ体勢です。
バットを持った男――中折れ帽にスーツのヒゲのおっさんが、リンゴをいじくりながら話しかけます。
「なあおたくら、リンゴは好きかい?ヘヘヘ…俺ァこのリンゴってやつが大好きなんだよなァ~」
「っていうのもだな、今時多くの人間は『リンゴは硬い果物です』なーんて思ってやがるがな、実際は…」
「こーんな風に、バターみてえに粉砕できちまうのよ!」
おっさん、ここでバットを一振りしりんごをホームラン、木っ端みじんに粉砕するというとんでもないパフォーマンスに出ます。見てる従業員2人組は怯えながらもドン引きです。
このバット男ですが、セリフが全て『The(ザ)』が『de(ダ)』になるアフロアメリカン訛り、いわゆるワルの使う訛りで書かれています。バターの下りなんかFrickin' Butter、ファッキンバターなんて言ってます。相当汚い言葉遣いです。
この訛り、私は「アイシールド21」のアメリカ編で、まもり姉ちゃんが解説していたのを見て初めて知りました。日本で言うヤクザ言葉みたいなものなんでしょうか。
おっさん、さらにもう1個ホームラン。どんだけやれば気が済みますか。
「ヘェッヘッヘッヘッ…見かけで判断しちゃあいけねえとはよく言ったもんだ!外見は硬そうに見えても、その実中身はこんなにぐしゃぐしゃで柔らけえんだからよォ!」
だんだんジョジョっぽくなってきた。セリフ回しが。
おっさんが従業員たちを脅しにかかります。どうやら彼らのボスがおっさんの雇い主と契約を結んだ(結ばされた?)らしく、従わないやつを痛めつけて回っている様子。
バット片手に脅し文句を連発するおっさん。その後ろで仲間が従業員の腕と足を取り押さえ、身動き取れないように…これ、逆らったら絶対頭をホームランされるフラグだ。
ここで従業員Aが初めて声を荒げます。
「ち、違う!聞いてくれ!わ、私らは会社の役員会の人間じゃないんだ!それに経営幹部でもない!くそっ、私らはただの…」
「黙りやがれ!!んなこたあ言われなくても…」
「ううっ…!!」
おっさん、従業員の顔をバットのおしり?のような部分、柄の根本で思いっきりこづきます!超痛そうです。
そして殴られてピヨっている従業員の頭を狙ってバットを振りかぶります。立った!頭粉砕フラグが立ってしまった!!
「…わかってんだよォ!!」
「ああ、神様、そんな、やめてくれえええ…!」
悲鳴を上げる従業員A!その瞬間、おっさんの後ろから声が!!
「道理で、シカゴ・カブスはあんたを除名させたわけだ。ジョニー選手…」
「…あんたのスイングは、まるで女のコが棒きれを振って遊んでるようだったぞ?」
決めゼリフとともにブリットとカトーが登場!もちろんホーネットコスチュームです。
シカゴ・カブスというのは、アメリカのナショナルリーグで活躍している所属チームのひとつ、シカゴに拠点を置く野球チームのことです。それにしてもおっさん、野球選手だったとは。除名されてヤケになって、ワルに手を貸したって感じでしょうか。
さあ、ここから社長とバットのおっさん、もといジョニー元選手の壮絶な罵り合戦が始まります。
「何モンだてめえら!?9月だってえのに、一足早いハロウィンのコスプレかあ?」
ハロウィンコスとか言われてますよ社長
「“大馬鹿(Skid)”カルーソーの手下は卑劣な手を使うと噂には聞いていたが…なるほど、たった今合点がいったぞ。6人の荒くれでたった2人の作業員に脅しをかけるとは…臆病者が好みそうな手口だ!」
Skidって、どうやらスラングで『ガラの悪い連中のたまり場』とか『馬鹿者』という意味があるようです。
社長のこの発言に、ジョニー元選手はプッツン。鬼の形相でバットを構えます。
「おい!俺ァてめえらがどこの誰だかなんて知ったこっちゃねえけどな、俺らの『仕事』を知らないわけじゃねえだろうな!?」
「それに、ええい、俺の雇い主はそんなフザけた名前じゃねえ、このうぬぼれめが!次に口を開きやがったら、てめえの頭蓋骨を500ヤード(D'yard)先までブッ飛ばしてやる!!」
激おこ状態の相手に、社長はなおも言葉をけしかけます。
「なぜ?まずい状況を何とかしたくて、ただ悪知恵を働かせているだけの連中じゃないか。誰の目にも明らかなことさ。」
ちなみに、このコマの社長はどアップで描かれているため、キレイな緑色の目が拝めます。注目すべきはそこじゃないのですが、管理人のオススメです。
ジョニー元選手はもうカンカン。
「ええい、ぬかしやがったな!これでも喰らいやがれ!」
バットを握りしめ、社長に向かって渾身のスイングを振るジョニー元選手。社長の運命やいかに!?
…今回はここまで!すみません、まだ1巻訳しきれてませんm(_ _)m
なんちゃって翻訳、お楽しみいただけたでしょうか?また訳がたまったら続きをあげさせていただきます。
またお会いできるその日まで、ションディーフォーエバー!