なにをあげても、なにをしても文句たらたらだから、今年はなにもしないことにした。
メール一通のみ。

今までどんなに無条件に尽くしていたのか、気づくといい。
まあ、無理だろうな、ああいう人種は気づかぬまま墓場でも文句を垂れ続けるに違いない。

日が変わって、少しホッとした。
来年の母親の誕生日に怯えるには、まだ早い。

今年、本来ならば、プレゼントとして用意しておいたものがあった。
母の好きな作家の本で、19年ぶりの続編で、私もその作家はすごく好きなので母に買って、母が読んだら私が借りようと思っていた。
もちろん、ネットをしていない母もその本が出版されていることは知っていたが、「1冊1500円くらいするし、高くて買えなーい!」ってボヤいてたところだったので、本当にサプライズにしようとしていた。

そして、届く手筈を整えた後に、メールでそのことを知らせた。
電話がかかってきた。
「買っちゃったのよね」
と、母。
「高くて買えないって言ってなかった? だから、誕生日のプレゼントのつもりだったんだけど…」
「だって、こないだ1000円分の図書券くれたでしょー」
なんなんだ、その言い分。
まるで図書券を渡した私が悪いとでも言いたげな…。
「いいよ、キャンセルできるならするから」
と、私は取り繕って言ったが、そのあとの一言には、さすがにピキッとくるものがあった。
「ねえ、それって代引きなの?」

あーのーさー。
誰が誕生日プレゼントを代引きで贈るわけ?

自分の37にもなる娘がそんなふうに育ったら嬉しいのか?
私は自分の母親がそんな質問をしてきたら、自分に失望するよ。


後日、母を知る人にそのことを話すと、
「まあ、あんたのお母さん、ちょっとズレてる人だよね」
と、半ば慰められた気がする。
事実は同情じゃないけど、だからこそか、慰めになったのは。


産まれたときから、底辺すぎるところからのスタート。
結局、兄貴が自殺したのも母になんか言われたのもなくはなかったんだろう。
父はやっと別居した。
もしかしたら、父には私の知らない家族がいるのかも?
いっそ、そのほうが楽しいや。私もそこに加わりたい。
正しい家族ごっこ、一度でいいからやってみたいな。



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