1-3
慶喜さんのセリフ「『だけ』っていうのは気になるけど 認めてもらえて嬉しいよ」の後〜

秋「あんさんがあんまり綺麗になったもんやさかい驚いてしもうた」
「そんなことは…」と言う主人公。
秋「ーーこれは拾いもんかもしれへんな?」
と主人公のあごをそっと持ち上げ 瞳をのぞき込む秋斉さんに主人公はドギマギ。
慶「……ふうん?秋斉も〇〇を気に入ったようだね」
秋「せやね、……短い間かもしれまへんが 育てるのが楽しみや」
主(……よくわからないけど 気に入ってもらえたのならよかったのかな?)
まで。

2-3
昨日泣いていた時にそうしてくれたのと同じように また私の頭を撫でる。
の後。

胸の高まりに気付かれそうで顔を伏せたくなるが 秋斉さんは頭を撫でていた手をふと止めて指で主人公の目元をなぞる。
それだけで目をそらせなくなくなる主人公に
「…今日 鏡は見はった?」
「言うた通りやったろ」
と秋斉さんはふっと笑みをこぼして
「泣いただけ女は綺麗になるて」
「ちょっと目が赤うなってはるけど…
紅を差したみたいで 可愛らしい」
囁きながら 指先で主人公のまつ毛に優しく触れる。
「着付けもわからんらしいて 花里から聞いとったけど」
「髪も綺麗に結えとるし…着物もよう似合うてはりますえ」
まで。


3-5
急に掃除で服が汚れていないか気になって ぱたぱたと着物をはたく。
の後。

「ああ、気にせんでええ。どこも汚れてへんよ」
「ちゃあんと 綺麗や」
秋斉さんの言葉にまたどきっとする主人公。
「言い忘れとったけど」
「中身だけやのうて 見かけもきちんと成長してはりますえ」
「可愛らしゅうなった。とても」
と主人公の頭を撫でる秋斉さん。
鼓動がどんどん早くなって 頰が熱くなって 倒れてしまいそう…と思いながら
他の話を探そうと目を泳がせる主人公であった。
まで。


4-2
「それは買いかぶりすぎや」
の後。

「◯◯はんも やっぱりまだまだかもしれへんな?」
とどこか自嘲気味に 秋斉さんはかすかな笑みを浮かべる。
「綺麗な着物も 髪の結い方も 化粧も…
見た目は立派な 可愛らしい遊女やけど」
主人公の唇をかするように秋斉さんの指が触れ 心臓が跳ねるのを自覚しながら 主人公は見上げる。
「わてなんかをそんな風に褒めるなんて 見る目があらへん」
まで。


5-3
色んな駕籠をのぞきながら そんな事を話していると…。
の後。

主人公が視線に気付き 周りを見渡すと何やら沢山の人がこちらをみて話している。
「◯◯はんが可愛らしさかい」
と 秋斉さんがくすっと笑って呟いて
「みんな羨ましそうに わてを見てはる」
「それは秋斉さんが格好いいからです」
という主人公に
「いやいや みんなが見てはるのは◯◯はんや」
「あんさんは うちの自慢の女子やさかい。もちっと 自信持ちなはれ」
虫の音も喧騒もすり抜けてまっすぐに届いてくる秋斉さんの言葉に 目元を赤くしながらも主人公は嬉しくてうなずいた…
その時……。
まで。


6-4
「そんな 私なんて。看板娘なんてとても…」
の後。

「◯◯はんが新造なんて勿体無いて 言わはるお客さんもおるんや」
「わてもそう思う」
「せやけど ◯◯はんに本当の遊女の仕事をさせる訳にもいかへんさかい」
そう秋斉さんは言うけれど…
「それは慶喜さんから預かってるからですよね?」
と尋ねる主人公に
「さあ?」
と意味深な返事をする秋斉さん。
「お客さんに手ぇ出されたら わてが嫉妬してしまうからかも」
と言いながら 彼の指が 軽く主人公の前髪を整える。
冗談だと思っていても どうしようもなく胸の中が甘くなる主人公であった。
まで。


7-4
じっと見上げると 秋斉さんは意味深に目を細めた。
の後。

「ああ、今触ったせいで 髪が少し乱れてしもうたな」
頭をポンポンされた時に主人公の髪が少し乱れた模様w
「せっかく綺麗にしとったのに堪忍え。
直しますさかい 少しじっとしとってな」
髪を梳かれ また距離が近くなり緊張する主人公。
「ここ最近は また一段と趣味がようなりましたな」
「簪と着物の相性がなかなかええよ。
色の組み合わせも考えてはるんやな」
「…こういう気の利いた格好は わても嫌いやない」
言われて主人公の頬は熱くなる。
赤い顔を見られたくなくて 思わずうつむくと 秋斉さんはクスクス笑いながら言う。
「あきまへんえ、◯◯はん。そない顔を俯かせられたら 髪が直せまへん」
「ほら、顔上げて」
逆らえずに 主人公がおずおずと顔を上げると 秋斉さんは満足げな笑みを浮かべている。
「よろしい」
「うん…髪もちゃんと直りましたえ」
「これでまた綺麗な◯◯はんや」
まで。


8-4
「今度は何をにやにやしてはるんや。さあ、さっさと◯◯はんの部屋を出てってもらいますえ」
の後。

「だってこれがにやにやせずにいられる訳ないだろう」
「お前との付き合いは結構長いけれど お前が店の女にそんなに優しくしているのを 俺は初めて見た気がするよ」
そんな慶喜さんの言葉にドキッとする主人公。
秋斉さんはふうと困った顔をして慶喜さんに言う。
「丁重に扱うようにと この子をわてに預けたのはどこのどなたや」
その言葉に慶喜さんは
「…まあ確かにそれはあるんだろうけど」
「…でもさ、◯◯が着てる着物。どこをどう見てもお前好みのものじゃないか」
そう突っ込まれてたじろぐ秋斉さん。
「◯◯の着物を用意したのはお前だろう?」
「置屋の主人の特権を利用して。いやらしいなあ、秋斉は」
と更に鋭いツッコミww
主人公はビックリし、秋斉さんは慶喜さんに言い返す。
「…何を言うてはるんや
「さあさあ、これ以上うちの店の子の部屋に居座るんやったら花代をもらいますえ」
「それが嫌やったらさっさとわての部屋に来てもらいます」
それに対して慶喜さんは
「俺はまだ嫌とは言ってな……」
「……って、いたた!そんなに引っ張ったら痛いだろう秋斉」
まで。

この兄弟ちっくな掛け合い、
メッチャ好きです~(๑❛ᴗ❛๑) 
「心を許し合ってる」
そんな絆を感じるというか…
最高のコンビや♪♪と思います(๑′ᴗ‵๑)


9-4
後ろから羽交い締めにするように 秋斉さんは私の口に手を当てていた。
の後。

「…お話は楽しかったかいな、◯◯はん」
穏やかな秋斉さんの声が責めているように聞こえ 主人公はぎくりと体を震わせる。
主人公の襟元に伸びた手が そのまま首筋に触れる。
驚いて体制を崩しそうになる身体を秋斉さんに抱きとめられて 更に距離が縮まってしまい…
至近距離で見つめられて 口も塞がれたままで唇に触れている秋斉さんの手を意識して恥ずかしくなる主人公。
「そないに怯えんでもええ」
そう言いながらくすくすと笑う秋斉さんは驚かせないようにとゆっくり手を伸ばし 主人公の着付けを整える。
「せっかく綺麗なんやから。
ちゃんと着な もったいないやろう」
どうしてこんな時に褒められるのかわからないまま…胸は高鳴り、秋斉さんを見つめてしまうのだった。
まで。


10-5  
今だけは太夫になりきった気持ちで 私はしゃんと背筋を伸ばしていた。
の後。
このおまけシーンのみ本棚に保存されます。

「仕上げを」
と言う秋斉さんの側に腰を落とすと
彼は小指で紅をすくい取り主人公の顎をくいっと持ち上げ 唇をゆっくりとなぞっていく。
その感触に思わず瞼を閉じる主人公。
はずかしさに頰が染まり 自分を見つめる秋斉さんの表情を見ていられない。
唇からそっと秋斉さんの手が離れて 
眠りから覚める時のように 名残惜しく目を開く主人公。
「ああ、もっと色っぽくなった」
秋斉さんは、はにかんで俯く主人公の頭をそっと撫でる。
「…そうだ。これを使ってくれないか
秋斉さんが差し出したのは彼がいつも使っている扇子
少し古いもののようだけれど 丁寧に手入れがされてある。
(大切なもの…?)
主人公は「お借りします」と そっと受け取り
秋斉さんが頷くのを見てから 数歩後ろに下がった。
まで。


11-4
それを見て 秋斉さんは せわしないなあ とくすくす笑った。
の後。

「…顔を合わせるのは何日ぶりやろうか?」
「変わらず綺麗にしてるようで関心やな」
秋斉さんは主人公の姿を見て満足げにうなずく。
「そんな◯◯はんにご褒美や」
「正確にはお土産やけど」
秋斉さんが小さな包みを主人公に手渡す。
「お菓子?おまんじゅう?」
と聞く主人公にぷっと声を漏らして笑う秋斉さん。
「ちゃいます。今回は食べ物やあらへん」
「いい加減 色気のある物も贈ったろう思うて」
主人公はどきっとして秋斉さんを見上げる。
包みをそっと開くと 中には陶器製の綺麗な器が。
内側には玉虫色の何かが塗ってある。
「紅や。◯◯はんの好きな時に使うたらいい」

その時の主人公は秋斉さんから 紅という大人っぽい贈り物を貰った事にひたすらどきどきしていただけだけれど…
後で知った話では玉虫色に輝く紅は最高級の赤色の証なんだそうだ。
(本当に嬉しい……大事に使おう)
そう思い、お礼を言う主人公。
「あっ、そういえば 秋斉さんが帰ってきたのにまだおかえりなさいを言ってませんでしたね」
まで。


12-4
私の言葉に秋斉さんも目を細める。
の後。

「…本当に綺麗になったな」
と唇をなぞられて、恥ずかしがる主人公を見つめて秋斉さんは
「心も見た目も。今まで見てきた誰よりも美しいと思う」
「誰にも渡したくない」
「腕の中から離したくない」
「◯◯の笑顔を俺だけに向けてほしい」
そんな言葉に主人公は考えるより早く
うなずいた。まで。

秋斉さんって
普段甘い言葉を言わないので
これは貴重なシーンですよね(〃∇〃)



13-4
昔の翔太くんを見てるみたいで ちょっぴり可愛いなあと思いつつ 何かを忘れている気がしていた。
の後。

秋斉さんが主人公の顔に泥が付いているのに気がついて凝視するw
いきなり頰に伸びてきた秋斉さんの指に思わず固まってしまう。
それを見ておかしそうに笑いながら秋斉さんは指の腹を見せる。
「逃げてるうちに土汚れが付いてもうたんやね」
「もう綺麗になったさかい 心配せんでええよ」
「◯◯はんはいつも綺麗にしてはるからね。
頰に汚れなんて付いてたら台無しや」
「気付いたら またわてが綺麗にしたります」
何故かやけに恥ずかしくて うつむいて赤い顔を隠したのだった…。
まで。


14-2
…もしかしたら絹かもしれない布を取り出して、私に差し出した。
の後。

(そんな高そうな布、ますます汚しにくいんだけど…)
と思う主人公に
「ああ、お前は遠慮深い娘だからね。布が汚れるのを気にしているのか」
「だけどそのままにしておくわけにはいかないだろう?」
そう言いながら抱き寄せて、上質そうな布で 唇をそっと拭いてくれる秋斉さん。
「今思えば さっきのお前も口に紅を引いたようで 今の着物とも相性が良くて美しかったけれど」
「怪我をしているのはやはり良くない。
後で薬も届けさせよう」
と秋斉さんは、優しくそして悪戯っぽく笑ったのだった。
まで。

土方さんが伸ばした指を扇で阻止とかw
心が通じ合うビフォーアフターのギャップ
激しいっすね(笑)秋斉さん♡
でもそこが好き(///∇//)❤︎