顔を出したタヌキ、黙って隠れていればいいものを、わざわざ様子を伺いにくる、捕らる気すら失せている、そのまま逃げてくれたらいいのに、欲を出して盗みにくる、殺してしまえないいのだけれど、そのまま放っておりました。
急かし続けるには意味がある、このままではノルマが達成できない、じわじわと迫る恐怖に心ここにあらず、このままでは許されるはずもない、絞り出してやると意気込む、死人からでもむしり取る、腐っても生きていきたいのです。
握ったのはハズレ券、黙って捨ててしまえばいいのに、未練がましく財布にいれている、野良猫にさえ愛想尽かされた、欲を出した貧乏に何がある、殺してくれと喚き異常な行動をとるけれど、そのまま放っておかれるのです。
逃げ出していくタヌキ、結局なにも奪えない、じゃらじゃらと小銭を落としていく始末、捕まらないからといい気になる、欲を出さずにケツをだす、恨まれれば恨まれるほど強くなる、殺されても死なない自信が彼女にはあるのです。