ここに、最近1週間に1度は事故が発生するという、踏切があります。近所の人は『魔の踏切』とか『開かずの踏切』と呼ばれているようです。そこで電鉄会社は、踏切事故の絶無を目指してプロジェクトチームを結成し、事故原因の究明及び特定とその原因の除去のために、緊急会議を開きました。その会議の席上、様々な意見が出ました。事前の調査で、歩行者、自転車などの通過数、車種別の自動車通過数…と分析対象となる情報は与えられていました。

 Aさん→ 情報をみる限りほかの一般的な踏切と利用状況に関して差異はありません、近隣の駅に利用者の注意喚起のためのチラシを常備することと、ポスターの製作も必要と思われます。

 Bさん→ 通過する自動車のうち、トラックなどの商用車が多いようです、巻き込み事故の発生を防ぐために踏切幅を現状の2倍程度に拡幅すればよいのではないでしょうか。

 Cさん→ 夕刻視界の悪い状態での事故が全体の60%を超えています、当該踏切の前後の街灯及び道路灯の数を増やすという手もあります。

 Dさん→ 遮断機の閉鎖時間が長いようです、開放時間が長くなるようにダイヤ調整を行ってはどうでしょうか。

 Eさん→ 現在は、人車一体の状態ですので歩行者と車両が別に横断できるようにすればよいと考えます。

 Fさん→ 当該踏切は複々線を一度に横断する形式なのが事故原因の最たるものだと考えます。

 いかがですか?いろんな意見が出たようです、皆さんの業務の上でもよく見聞きするパターンではないでしょうか、「なぜこんな状態になるのか原因の分析を行う」、「本当の原因が分かるまで様々な分析ツールを駆使する」、「ISOにも不適合の原因を特定するってあるし」など、なぜそうなったのかが分かれば現状の改善は行うことができるという考え方です。これで本当に問題の解決が図れるのか、解決できる場合も多いでしょうが何かが違うと感じるのです。

 

 上記の場合、ゴールが踏切事故をなくすことから、できることを並べて、それらの選択肢のうちできることを選び出すことに変化しているのが分かります。出来ることを並べていくと、出来ることしかできなくなります。

やった方がよいことをどれだけやるかが目標達成への近道ではないでしょうか。