全国の教習所の指導員が集まって、二輪の研修を受ける機会があったのですが、教官(指導員を指導するスーパーティーチャーのような人)がこのように話していたのを思い出します。
「ニーグリップって、常に必要ですか?」
雷が落ちたかのような、というほどではないですが、かなりのハッとした衝撃がありました。
ニーグリップとは膝でタンクを挟むことで、これによりバイクと人間が人車一体となって走れます。
確かに、直進しているときなんかは別にライダーが何かしなくてもバイクはジャイロ効果で安定します。
ライダーが上で踊ってたって遊んでいたって、バイクは自らまっすぐになろうとします。
しかしカーブや低速では、バイクの安定が失われやすいので、積極的にライダーがバイクにアプローチしなければならないことになります。
そのような時のためのニーグリップなのです。
それを私はただ漫然と「教習生はよく膝が開くから、開いていたら閉じさせよう」と短絡的に考えてしまっていた節がありました。
四輪車の教習でも、何も指導のノウハウがなかった一年目は、ただただ「遠くを見て~」と連呼するだけで(それで解決するケースもありはしましたが)、なぜ遠くを見る必要があるのか、本当に遠くをみるべきタイミングなのか、などが曖昧だったような気がします。
遠くの行き先を見ることで車の進路は決まっても、近くの道幅も見なきゃいけないし、「常に遠くを見るわけでもないよな」と気づいてからは指導の幅が広がったように感じます。
気づかせてくれた教官には感謝です。
やはり指導するこちら側が目的をしっかり理解して伝えることが大事なんだなぁと思ったのでした。
今後も日々精進したいと思います。