教習生の方々に質問することがあります。
「事故の原因として、認知ミス・判断ミス・操作ミスのうち、どれが一番多いんでしょうか?」
圧倒的に認知ミスなんですね。
そもそも認知をしてから次の判断、操作の段階に移行するので、認知の段階で間違えたらもう、就活でいうところのエントリーシートで外されているようなもので、一次面接、二次面接に行くこともできません。
以前、先輩指導員が話していた、子供が熱いコーヒーを倒そうとしているのを間一髪で止めた話があるのですが、それも子供が熱いコーヒーに近づいていることを認知できなければ、その後の救出に結び付きませんね。
ところで、見通しの悪い交差点では「二段階停止」を教習所で教えていますが、これは一度停止線の前で止まって左右確認した後、車の先端を徐々に相手に見えるように出していって、自分が見やすいところでまた止まって確認、安全なら出発、というものです。
ここで以前私が教習生から受けた質問のひとつをご紹介
「別に法令の一時停止はしたんだから、2回目はちょっと出てみて安全そうなら2回目は停止せずそのまま出発していいじゃないですか」
いい質問ですね。
答えは「道路の様子を見て行くかどうか判断している間に車が動いているのよりも、見やすいところで一旦止まってひと呼吸おいて判断して、そこから動き始めた方が安全な気がしない?」というような感じで話した気がします。
つまり、慣れないうちは認知・判断の段階と操作の段階を分けて運転した方がより安全なんですね。というふうに解説を持っていくと、納得してくれたようでした。
たまにこのような鋭い質問をされますが、試されているようでワクワクしますね。
ここでどもったり不明瞭な答えを返せば、この先生は大丈夫なんだろうか…と威信に影響してしまいますからね。
私も日々精進したいと思います。