注意!台輔様の濃厚な毒に冒された中毒患者の妄想成分含有。
舞台は生ものにつき、アナタが実際にご覧になった舞台と、ココで書かれていることが違うとしても、あいにく当方は責任の負い方がわかりませぬゆえ、悪しからずご了承ください。
というわけで、今年も「台輔様」であります。
どなたが言い出されたものか、ファンの間で密やかに(←Twitter上で公然と使用されていた時点で、密かじゃないけどなっ!)愛をこめて呼ばれていたものが、
今や、ご本人に認知されているのみか、深夜枠とはいえ、地上波にまで乗ってしまった。
とはいえ、ファンは間違っても呼び捨てになんぞしないので、台輔「様」。
2016の台輔様は、台の上から地上のものを冷たく見据えていた。
足元に群がりきたものに、戯れに手を伸ばし、肩に歯を立てたりすることはあっても、あくまで超然として、愛欲に身を焦がす人々を指先ひとつで操る美神。
・・・とはいってもねー、正直、振付はいまひとつだな、って思ってたんです。
大輔さんの華、スター性にi依存した作品だなって。
特に、後半なんか、ダンサーズとの絡み以外は、ほぼエアロビクスだもんね(^^;A
←いや、おまいさん、あんだけ熱狂しといて、その言いぐさはあるまい?
2017の台輔様は、さらに一歩踏み込んだ作品に。
もちろん、それは、大輔さんがダンサーとしていっそうレベルアップしたことを踏まえての大幅改訂だったわけなんだけど。
あと、ヴィジュアルね。2016ではお髭をたくわえ、髪は後ろになでつけて乱れない、さらに、上腕が逞しくて、いかにも「男性」な感じだったけど、2017では髭をきれいに剃り、なでつけた前髪をメンズにかき乱されて前髪ハラリ、の美麗この上もない、同時に男性性が薄まった、ザ・「美」なお姿。
この、「美」そのものである、って在り方、方向性は真逆だけど、「氷艶」の義経様で培ったものだよね?
で、ダンスに話が戻るんだけど、歌が始まって冒頭の「Everyone!」から、うっわーーーーーってなったよね。
だって、2016の時には、基本的に上半身の演技&踊りで、この部分では下半身はほとんど動かしてなかったんだけど、いきなり、腰から下が、うねる、うねる。
当然、全身の動きの領域が拡大し、空間を捩じり、矯めるような異界感が立ち上る。
んで、「No.1!」「No.2!」の後の、上げた掌の降ろし方の超絶美しいこと。。。
けっして大きくはない筈の大輔さんの掌が、大きく、雄弁に語っていた。
あのね、上手い踊り手って、掌が大きく見えるんです。その手の関節、どーなってんの??と不思議に感じるくらい、自在に動き、豊かにしない、そりゃあもう「ソレしかないよね!」と思う/感じる位置と形に、ピタリとキマってあでやかに動いてゆくのよ。ひとつひとつ。
今回の台輔様には、もう、まずもって、その掌の動きで持っていかれたよね。
そして、「in LA」でちょっぴり「予習」できていた、メンズダンサー5人との濃厚な絡み。
まず、DJスマート氏にお迎えに来られて、台の上でこちらにくるっと背を向け、背面からダイブするとこ、アレが凄い。
だって、身体真っすぐに倒れてくるんだもん。
ちょっとでも、受けとめられる側に恐怖心があったら、自然と腰が引けて、身体が歪む。それが、本当に真っすぐ綺麗に倒れてくるのね。
ま、そりゃ、あれだけ屈強なメンズ5人に恭しく待ち受けられたら、恐怖感じる余地はないかもだけれども、その「真っすぐに倒れてくる」ことによって、台輔様に不思議な浮遊感が生まれ、それこそ「この世のものならぬ超越者」が、戯れに地上のものに我が身を任せてみた「実験」という感じが、自然に出ていた。束の間の、夢の交わり。
ジェイムズ先生以外のメンズダンサー総入れ替えの目的は、まさにここにあったんじゃなかろうか。
大輔さんは小柄だし、男性としては軽い上に、アスリートだからボディコントロール力は抜群。
一度慣れてしまえば、投げるも受け止めるもキャッチするもされるも、おそらく、このメンバーならば軽々、であったろう。
そして、冷たく傲岸な表情を崩さぬまま、地上の男どもの、どんどんエスカレートする愛撫に身を委ねた台輔様が、ふわりふわりと別な男の腕の中に飛び移る様が、いっそう「人外」な感じを与えるんだよ
まあ、でも、やってくれたよねー💦
台輔様の首筋にキスするは、腹から胸から撫で上げ撫でおろし、内腿をがしっと掴み、顎クイしてキス直前まで唇を近づけては氷の瞳に拒絶されるは。
台輔様をあろうことか床に押し倒したDJスマート氏なんか、愛撫だけじゃ物足りないとばかりに自分のコカンを押し付けるは。
そして台輔様ってば、OFFを挟んだ中日以降は、試してみたけど、そんな地上の男どもの愛撫ごときじゃ、俺様感じないんだよ、と言わんばかりに、自らの身体を抱きしめ撫でおろして、うっとりと顔を上げて。
きゃあああああ
いや、あのさ、コレってモーゼの十戒と海を切り開いてのエジプト逃避を下敷きにしてるんだよね?確か?💦💦💦
でも、描かれてるところの禁断の世界は、ソドムとゴモラっちゅーか、それこそ、天のいかづち落ちて来て、塩の柱になりかねない世界よね?
コレって、一応清教徒的価値観のベースがあるアメリカで上演していいんですか?💦💦💦
衆道と「腐」の文化がベースにある日本でなら、もちろん大好評なワケだが。
あ、もしかして、台輔様、アチラでは演らない?
なら、ガタイのいいメンズをここまで揃えた意味はなんなのよ???
これね、もし、大輔さんの役をシャーメイン嬢に置き換えたとしたら、全く意味合いが変わってきちゃうわけよ。どうしたって、女子一人に複数男子が群がる図って、暴力行為なわけよ。
(そういう意味では、この後のドメスティック・ヴァイオレンスな「対峙」とつながる、っちゃつながるが)
この世のものならぬ美神(仮に小柄な美青年の姿をとっている)に下界のオスどもが、これが手に入らなければ死にかねない、くらいの必死さで群がるからこその背徳の美であってさ。
オスどもの手からやすやすと離れた台輔様は、この世の欲望に捕らわれたすべてのものを見下しつつ誘惑する、ワルくて妖しい表情のまま、「No.1!」の振りに戻る。
背後に従えた女子たちは、バッカスの狂信女達のイメージか。
一瞬だけ、台輔様は頭を抱え、酩酊したような苦悩するような表情を浮かべるが、それはほんの一瞬で、再び「至高のワル」に戻って踊り狂う。
狂信女達の手で、再び重力を感じさせないフワリ感で台上にお戻りあそばす直前。
舞台中央の台輔様は、熱狂する私達を「フ、」と蔑み嘲笑う一瞥を斜め後ろから投げて、天に戻っていった。
2016とは逆に、観客に背を向けて遠ざかっていく。
そして振り向いて、天高く指さす、そのポーズは2016と同じ。最高。
いやあもう、ここばかりは、ホントに目が10組くらい欲しかったよ。
台輔様の表情に目を奪われていると、絡みつくメンズの動きを見落とすし、正直、その間上手で繰り広げられている筈の女子ダンサーズの動き、視界に入らないし。
全体を俯瞰して見られる3F席から観てさえも、全体を追っかけきれなくて。
ぜひぜひ、ここのシーンだけでも、軽く11台はあったというカメラの、全部の「絵」が欲しい。
DVD化のあかつきには、ぜひとも!!!(祈)