船会社倒産 | 松尾貿易の社長のブログ

松尾貿易の社長のブログ

ショッピングモールやホテルのロビーなどに置いてあるプランターをヨーロッパから輸入し、全国に卸している会社です。皆さん、植木は目にするけど鉢など気になさった事は無いのではないでしょうか。世の中、こんな商売も有るのです・・・・・。

久々の更新です。

 

皆様ご案内のように9月に韓国の大手船会社「韓進海運」が日本の会社更生法に当たる手続きを韓国当局に提出し、事実上倒産いたしました。 このため、韓進海運の本船に積まれた貨物は世界中でストップしたまま足止めを食っています。

 

運悪く、当社のイタリアからの貨物が積載されており、先日まで1ヶ月近く韓国沖に停泊していました。最近の情報ではやっと陸揚げされたものの、この先の予定は全く未定です。

 

この遅延により、注文が何件かキャンセルとなってしまいました。また、商品をお待ちのお客様には大変ご迷惑をおかけしておりますが、このような事情ですので何卒、ご検察くださいますようお願い申し上げます。

 

さて、感情的に腑に落ちないのが海上保険です。当社はすべての輸入貨物に保険をかけておりますが、な、な、なんと今回のような船会社倒産による貨物の入荷遅れに保険が適用できないのです。したがって、入荷遅れのため、急遽、航空便で取り寄せたとしても、それらの費用は一切カバーされません。

 

保険会社の説明はこうです。

船会社が倒産して、貨物の運送が完全に打ち切り、または海中に放棄された場合は保険が支払われますが、運送は止まっているが打ち切りではないので保険適用はない。

 

一見、筋が通っているようで変な理屈です。世界的に活動している船会社です。一船あたり、3-4千本のコンテナを積んでいるのです。海中放棄などありえないし、会社が倒産しても、貨物はそれぞれの荷主のものですから、必ず、管財人が引き受け手を手配して運賃の回収を図るのが当たり前の流れです。つまり、代替わりしたとしても輸送の打ち切りなど現実にはありえない話なのです。 保険会社が支払う馬合とは実際には起こり得ない状況に対してなのです。 彼らは「まだ輸送途中である」と云う解釈です。

 

その他、海上保険がカバーするリスクは破損、水濡れなどですが、一部は別途掛けている商品保険と被りますし、輸送中の事故は船会社、陸上輸送業者の責任となります。戦争・暴動などのリスクもカバーしますが、戦争はいきなりは起きません。必ずきな臭い期間があり、戦争へ突入していきます。船会社はそのような危険地帯はすぐ配船を中止しますので、戦争リスクと言いながら、実際上はありません。

 

こう考えると、海上保険は無駄かもしれませんね。少なくとも、有りもしない危険をあげつらい、保険料をふんだくって、肝心の場合に保険適用外と言うのは釈然としませんね。

 

 

これでは保険の意味がありませんね。