苦手な匂いがある。

香水やその他人工的な香りのことではなくて、

低気圧で、雨が少し暖かい風とともにやってくるときの、
雰囲気に近い、予兆の匂いが苦手である。

それは、過去の嬉しくない記憶を、それなりに甦らせるからだ。

しかし、どこか同時に、

それが、何かの転換点であるような気もする。

その嫌な時点から何かがきっと変わったように、

もしかしたら、ここから何かが変わるかも知れない。

良い方向に変わるかどうかは知らない。

でも、おそらくはこうして、

反復しながら変わっていく。

繰り返しながら、変わっていく。