市町村の「5歳児相談」という幼稚園・保育園への訪問相談にたずさわっています。

園の先生方の子どもを包み込むあたたかい愛と、素晴らしい工夫を目にします。

どんなに扱いの難しい子どもでも、

「でも、○○ちゃんは みんなと同じようにやりたいんだよね。」
「でも、○○ちゃんは 待つことがつらいんだよね。」
「でも、○○ちゃんは わかっているんだよね。でも、繰り返しちゃうんだよね。」

さらに、

「○○ちゃんのお母さんも、毎日たいへんだと思う。それはそれは苦労している。
 登園の様子を見てもそれはよくわかる。」

と、ご家族への理解も深いのです。

私はたまに行って、いいろころだけ接する立場なので、簡単なものです。
日々、苦労する子どもやご家族と付き合うことは、並大抵のことではないです。

母性あふれる包み込む愛に、敬意を表すばかりです。

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さて 先日はこんなお子さんがいました。

発達的には明らかな遅れがあって、療育を受けつつ、園では1つ下学年のクラスで保育を受けています。

座位を保持することも難しく、ぐにゃりぐにゃりと上半身ごと前方や左右に倒れたり、立ち上がってふら~っと歩きまわったりします。

そのお子さんが、「う゛---------」、「あ゛-----------」と声を出しながら、片耳をふさいでいました。


【仮説を立ててみました】

≪今ある動き≫

低い声出し + 耳ふさぎ

  ↓
≪考えるうる彼・彼女の「体が必要としている刺激」≫

鼓膜や耳鼻の振るえ という 

感覚遊び・感覚刺激

  ↓

≪仮説≫

“三半規管”への刺激欲求

  ↓

≪仮説´≫

“前庭覚”への刺激欲求

  ↓

≪仮説´´前庭覚への刺激を入れれば、声出しは必要なくなる≫

  ↓

前庭覚に刺激を入れるエクササイズ

“コアの活性化”が有効な可能性がある。

  ↓

実施すると・・・

すぐに声出し+耳ふさぎはなくなりました。

加配保育士に「なくなりましたよね?」とたずねると、

「あ、ほんとだ~! どうやったんですか? 教えてください!」

と、ポケットからメモ帳をペンを取り出しました。

こうした日ごろの準備の良さも、先生の子どもへのあたたかいまなざし、熱心さを感じました。


私の目からは、

さらに、ふわ~っとした足取りから、地に足をつけた、より安定した歩き方に変わりました。

また、目が合いやすくなったようにも感じました。


約20分は、もったでしょうか。

20分経過すると、少しずつ声出しが始まったので、そのつど、的確なエクササイズをちょいちょいと入れていくと、

しっかりした刺激が、体と脳に伝わって、発達を促してくれるように思います。

声出しは、彼・彼女が編み出したエクササイズだと思います。
ただちょっと効率が悪いので、長く継続しなければならないのです。

こうした刺激を体や脳が必要としているのだから、
言い聞かせたりしてもどうにもならないのですよね。
体の声に耳を澄ませるといいのだと思います。


【注意】
この日の限られた時間しか見ていないので、もしかしたら、他の日は変化がないかもしれないです。
それに、他にもっといいエクササイズや手立てがあるかもしれません。