これで最後[みんな:01]

<呼吸>
○呼吸の変化
呼吸パターンの異常には2つの意味がある。
 ㈰呼吸中枢そのものの障害
 ㈪呼吸中枢から呼吸金までの神経路の障害
・呼吸中枢が存在する下部脳幹の障害が疑われる症例では、気付かないうちに無呼吸になっている事があるので、異常呼吸パターンに注意し観察を行う。
・気道閉塞による呼吸パターンの変化である。気道閉塞によって低酸素血症およ高炭酸ガス血症になると、これを改善しようとして呼吸数の増加と努力呼吸が現れる。
いずれも、放置すれば低酸素血症によって重篤な脳の障害を起こす。これに気付く事も脳損傷を悪化させないために大切な看護のポイントの一つとなる。
・慢性呼吸不全の患者においては、血中の酸素濃度が呼吸数を決定している事がある。この場合、高濃度の酸素を急に与えると無呼吸になる事があり、きわめて危険。

Q11:呼吸の観察のポイントは?
 A:呼吸の状態を観察する場合、回数と呼吸パターンに注意する必要がある。

 正常成人の安静時の呼吸→14~20回/分。脳の障害部位によって、呼吸状態の変化がみられる事がある。
 1…失調性呼吸(正常な呼吸パタ-ンが失なわれて換気数が減少し、1回換気量は大小不同で、まったく不規則な呼吸)
 呼吸が不規則な状態、延髄の障害で起こる。
 2…中枢神経性過呼吸
 呼吸回数が25~30/分以上になります。橋の上部または中脳下部の障害で生じます。
 3…チェーン・ストークス呼吸
 呼吸のふり幅が徐々に大きくなり、そして徐々に小さくなり、その後無呼吸になります。この呼吸パターンを繰り返します。
 4…偶発呼吸
 呼吸が数回群がって起こると、その後不規則な休止期が続く状態です。橋下部または延髄上部の障害で生じます。
《タイプと呼吸パターン》
①チェーンストークス呼吸:通常、両側大脳半球、時に間脳
②中枢神経性過呼吸:中脳下部、橋上部
③群発性呼吸:橋下部、延髄上部
④ビオー(失調性)呼吸:延髄


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Q:なぜ、呼吸中枢が障害されると睡眠中に無呼吸になる事が多いのか?
呼吸中枢は動脈血中の二酸化炭素濃度、pHに合わせて無意識に呼吸のリズムを作っている。呼吸中枢が障害されると、このリズムが作れなくなるが、覚醒している時は意識的に助ける事が出来る。しかし、睡眠中はこれができなくなり呼吸数が減少し、低酸素血症に向かう。したがって、脳損傷、とくに下部脳幹の障害のある患者さんでは、夜間の睡眠時の呼吸リズムを観察することが大切。

Q:なぜ、低酸素血症になると呼吸数が増加するのか?
血液中の酸素濃度が減少すると、呼吸中枢が刺激され呼吸回数を増加させる。少しでも多くの酸素を取り入れようとする自然な反応である。この場合、酸素投与も重要ですが、低酸素血症の原因に対する対策も必要。
脳外科疾患では、呼吸中枢が直接刺激されて呼吸回数が増加することもあります。この場合、動脈中の酸素濃度はむしろ上昇し、二酸化炭素は低下する。

Q:なぜ後炭酸ガス血症は脳神経外科疾患に悪影響を及ぼすのか。
脳外科疾患の患者さんは、呼吸中枢障害、気道閉塞、呼吸器感染症などのさまざまな理由により、呼吸不全に陥りやすい状態にあります。
呼吸不全により血中の二酸化炭素が上昇⇒脳血管はこれに反応し拡張⇒脳血管の拡張は、頭蓋内の血流量の増加⇒頭蓋内圧の上昇⇒これがもともと存在する頭蓋内圧亢進に加わることにより、頭蓋内圧はますます上昇⇒脳血流は低下⇒すると、脳血流を保とうとして脳血管はさらに拡張⇒頭蓋内圧がさらに亢進するという悪循環に陥る。
その結果、呼吸中枢の障害が強まり、回復不可能な状態になってしまう。
脳外科疾患、とくに頭蓋内圧亢進を伴うものでは、高炭酸ガス血症きたさないような綿密な呼吸管理が必要となる。

Q:脳疾患ととくに関係する呼吸障害にはどのようなものがあるか?
 A:誤嚥性肺炎による呼吸障害と、SAHに伴う神経源性肺水腫による呼吸障害がある。

 脳疾患の場合、意識障害を伴っている患者が多く、そのため誤嚥による肺炎を引き起こす事が多い。
 また、発症時に頭蓋内圧亢進による嘔吐を伴っていることも多く、吐物を誤嚥し肺炎を起こす。意識障害を伴う脳卒中患者の場合、誤嚥性肺炎は必発。
 SAHにより交感神経が刺激され、血中カテコールアミンが増加するために、肺動静脈圧の上昇、肺血流の増大、肺毛細血管内の圧力の上昇が起こり、血管透過性が亢進し肺水腫が起こるとされている。治療は気道確保し、人工呼吸器により呼気終末
 ・肺水腫が疑われる時の吸引は、PEEP↑、閉鎖式の吸引チューブを使用するなどし、PEEPをかけながら行う。普通に吸引するとSpo2が下がってしまう。


<体温>
Q:体温調節の中枢はどこにありますか?
 A:視床下部

 体温調節中枢は視床下部にあり、熱の産生と放散のバランスによって体温は調節されています。
細菌やウイルスが体に入る。⇒単球・マクロファージ・内皮細胞から発熱サイトカインが放出。⇒発熱サイトカインにより視床下部のプロスタグランジンE2産生が促進。⇒サイクリックAMP(ホルモンの重要な作用伝達因子)が急速に放出される。⇒体温調節中枢のレベルが高温側に傾く。⇒熱産生が高まり発熱することとなる。
・アスピリンなどの解熱剤は、プロスタグランジンE2産生を抑制することによって解熱に導く。

Q:なぜ、感染でもないのに高い熱が続く事があるのか。
体温の調節は、間脳の視床下部にある体温調節中枢で最も優位に行われています。この体温中枢が、脳出血、脳腫瘍、脳挫傷、あるいは機械的刺激などによって障害を受けると、高熱が持続する場合がある。
⇒中枢性過高熱
・体温が40℃以上になり、四肢には冷感がある。
・体幹部、頭部、顔面は熱く紅潮したように見えます。
・高熱にもかかわらず、発汗を伴わない。
・解熱剤は効果なし。
・全身クーリングやブランケット使用・温湯やアルコールを使って熱の放散を促す。

Q:なぜ、高体温は脳損傷を悪化させるのか。
神経細胞は低温では損傷を受けにくいのですが、逆に高温では容易に損傷が悪化します。
そのため、脳損傷の程度は体温の高低に著しく左右される。脳損傷を軽減するために、低体温に維持する試みも行われてきた。少なくとも、脳損傷のある患者さんは、高体温を避けるためのあらゆる努力をすべき。

Q:なぜ頭部クーリングはしないほうがいいのか。
前頭部のクーリングは、頭蓋内外に交通のある静脈血を通して脳の温度を下げます。したがって、実際には脳損傷を軽減する有効な方法です。しかし、体温を下げるという意味では、全身をめぐる動脈血を冷やす腋下や背部のクーリングのほうが効果的。
後頭部のクーリングは、大後頭孔神経を刺激し、頭頚部の筋肉を収縮させることによって、筋緊張性頭痛の原因となるため、安易に用いる事は避けたほうがいいと言える。


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