都内の沿線で
素敵な方を見掛ける率No.1
を誇る銀座線。(※吉田調べ)
その銀座線で偶然見掛けた
長澤まさみ瓜二つの女性。(以下 長澤)
長澤を見掛けた瞬間
余りにも本人とそっくりだった為
一気に胸の高鳴りを覚えたものの・・・
私の目的地は
長澤が向かう方向と全く別だった為
すぐに、その胸の高鳴りを忘れ・・・
長い長い帰り道⇒小旅行をしなければならない
と言う、現実に引き戻された。
はずだったのだが
小旅行、最後の難関の小田急線で
長澤と奇跡の再会(一方的な)を果たす。
そして、普段は全く座れない小田急線にて
長澤の隣に座れると言う
新たな奇跡を迎えたのだが・・・
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長澤の隣の席が空き
意気揚々と、その席に座るも
目の前に立っていたおばあちゃんに
気が付き・・・
迷って迷って迷って迷った挙句
断腸の思いでおばあちゃんに席を譲り・・・
その悔しそうな顔を、誰にも悟られない様
長澤(と、隣に座るおばあちゃん)に背を向けて
長い帰り道、小田急線小旅行の続きが再開した。
これで・・・
良かったんだよ、これで・・・
心底、残念がっている私を待っていたものは
次の停車駅と・・・
良い事をすれば良い事が返ってくる
と言う因果応報の教え、そのものだった。
次の駅に電車が停車して
ここで、どれだけの人が降りるんだろう?
と、開く扉を見る為に
振り返った時だった。
長澤の隣が空いてる!!
私がおばあちゃんに譲った席とは
反対側の席が空いたのだ。
≪解説図≫
● 長澤 おばあちゃん
● ⇒ 空いた席
前述の通り
帰宅ラッシュ、都内を走る小田急線で
座れる事は滅多に無い。
その滅多に無い奇跡が
一度ならず二度も起こるなんて・・。
しかも、その二度ともが・・・
長澤の隣
と言う、まるで
奇跡のバーゲンセールの様な
状態だったのだ。
良い事をすれば
良い事が返ってくるって言うけれど・・・
返ってくるの早くね?
因果応報律の
余りのレスの良さに
若干驚きはしたものの
空いた長澤の席を
電車に乗り込む乗客より
いち早くゲットした私
・・・今度は
・・・周りに席を譲る様な人は
居ないよな・・・?
願う様な気持ちで
辺りを見回す。
今度は大丈夫だった。
ようやく巡り廻った
奇跡の恩恵を受ける事が出来る。
後は、限りのある残された時間
長澤の隣と言う奇跡を
ただただ静かに・・・
喜びを噛み締めながら・・・
味わう・・・だけ・・・・
味わ・・・・
・・・・?
はっ・・!?
俺、・・・
寝てた?
ようやく廻った奇跡
連日の小旅行を経た私の身体は
それすらを味わう事を許さなかった。
なんて勿体無い!!
せっかくの貴重な時間なのに・・・
・・・長澤は!?
そう思うと同時に
左半身に若干感じる違和感。
違和感の先に目をやると・・・
私の左肩に触れるか触れないかの距離に
頭を預けて眠る長澤の姿が、あった。
私の嗅覚を優しく包み込む
長澤のシャンプーの香り・・・
何、このシチュエーション?
めちゃめちゃ
オイシイ展開になってるやんけ!!
いつまでも
この時間が続けば良いのに・・・
そう願う、私の気持ちを
知ってか知らずか
奇跡の小旅行には、更なる展開が待っていた。
我々が乗っていた小田急線は急行だったのだが
その急行列車が
通常止まる事の無い駅で停車をしたのだ。
暫く停車をしたままの状態
その異変に気が付き、ざわつき始める車内。
その状態に気が付いたのか
私の左肩に預けかけていた
長澤が目を覚ました。
そして車内には
事態を告げるアナウンスが響いた。
~現在、○○ ~ ○○間で
列車と車との接触事故が発生した為
運転を見合わせております~
そのアナウンスを聞き
更にざわつき始める車内。
長澤と
より長く一緒の空間に居られる
ざわつく車内とは対照的に
この非常事態を喜ぶ私が居た。
そして、次のアナウンスで
事態は更に急変する事になる。
~○○~○○間で起きた列車と車との接触事故の影響により
この電車、終点を秦野止まりに変更をして
運転を再開致します
尚、秦野より先の運転は再開を見合わせて・・・~
そのアナウンスを聞き
更にざわつき始める車内。
ざわついた人の殆どが
秦野より先、運転の再開を見合わせられてる所が
目的地なんだろう。
生憎、私の目的地は
その秦野だ。
申し訳ないぐらい
この事故による影響が私には無い。
(長澤は・・・
影響があるのかな・・・?)
銀座線から一緒の長澤が
毎日の小旅行を送ってる私より
目的地が遠いなんて・・・
まず、有り得ない。
そう思った
矢先の出来事だった。
つづく
(※過去記事再掲載)