修行時代日記 ~第24話~ | monolithのブログ

修行時代日記 ~第24話~

199×年○月▽日



フランス校の土、日は休みである。


休みの日は皆それぞれ自由だ。


フランス校のあるリエルグ村には郵便局や雑貨店、シャルキュトゥリー(惣菜屋)、小さなレストランなどはあるが、とてもじゃないが生活にたる品揃えではないため隣町へ出かける。


フランス校の目の前に一時間に一本程度のバス停がありそれに乗って隣町に向かう。



<ヴィルフランシュ シュール ソーヌ>



比較的大きな町でここにはブーランジェリー(パン屋)、シャルキュトリー、郵便局、銀行、レストラン、ブティック、ショッピングモールなどここでならたいていの物は揃う。


この街からちょっと離れたところには大型のシューペル・マルシェ(スーパーマーケット)のカル・フールがある。


このカル・フールはとにかくデカイ!!

フロアも広大なので、店員はローラーブレードを履いて滑ってやってくる。


そのすぐ脇には、おなじみのマ○ド、マ○ドナルドがある。


フランス校のプロフェッサーは皆こぞってこう言う。


「おい!お前ら!カル・フールに行ってもマ○ドだけは絶対にいくなよ!!

マ○ドに行くくらいやったら、ブーランジェリーでキャスクルート食えよ!」



やはりフランスに来たからにはフランスの文化を隅々まで満喫しなさいと言うことらしい。


・・・・・・って、先生達もマ○ド内緒で行ってんの知ってけど~~~!


フランス人は本当に毛嫌いしているのか、ムッシュ・ナレは実習中に怒る際に、「お前ら!!こんなこともできないのか!!フランス料理はやめてマ○ドナルドで働いた方がいいんじゃないか!!!」とフランス語で皮肉たっぷりで言い放つ。




そして、この街にはSNCFの駅があり列車が走っている。


フランス第2の都市、リヨンに行くにはここから列車に乗っていくことになる。






金曜の実習後、シャトーの部屋に戻り一息つく。



G藤君も実習を終えて部屋に戻ってきた。


「あ~~~~。剛ちゃん!お疲れさ~ん!」


「G藤君!お疲れ様!

明日の休みはどうするの???」


「あ~~~。俺は食べ歩きよ!毎週!!」


「へ~~どこ行くの?」


「明日はちょっと遠出して、コート・ドールまで行ってくる。」


「コート・ドール・・・・・3星の・・・・・」


あの、ベルナール・ロワゾー氏のミシュランの3星のレストランだ。


ロワゾー氏の創り出す料理は<水の料理>と呼ばれている。



「中々予約取りずらかったけどね~やっととれたあせる


そうか・・・・


俺はまだ一件も食べ歩き行ってなかったな~。


俺も行ってみようかな・・・。



早速別の宿舎にいる仲の良い井Kの元へ。


「お~~~い、井K!!明日の予定決まってる~~???」


「ううん。まだ。・・・・何、どっか行く??」


「おうよ!!食べ歩きよ!」


「おお~~~~!!俺もそろそろ行きたいと思ってたんよ!!で、どこ?」


「いや、まだ決まってない。ミシュラン見して。」


「・・・・・・」


「・・・・・・」



「どうしよう・・・・・」


「う~~ん。大体今から予約とれんの?剛ちゃんいつも急なんだよ!!」


「そ、そうっすね・・・」




「でも・・・・まだ、星付きは俺らには早いよな・・・・」


「そうね、まずは星なしから攻めるか。(笑)」



G藤君にはこの時点で大分差を付けられている・・・・・



結局、近場のリヨンのレストランにしてみた。


<レストラン ヴィヴァレイ>



ここで、一つ問題がある。


レストランやホテルなどの予約は自分で取らなければならない。先生は手助けは一切してくれない・・・・



「ええ~~~い!!なすがままよ!!・・・・・


・・・・・・井Kかけて!」



「剛ちゃん、ずるい!」


電話してみる。


トルルルゥゥゥ~~~、ガチャ「ウィーー!アローーー!!レストラン ヴィヴァレイ ボンソワー!!・・・・・・・・・・」


ガチャ!!!??


井K!!!!!!切りやがった!!



「ご、ごめん・・・・ビビって切っちゃった・・・・」


「アホ!!何してんねん!!」・・・なんだか先生に似てきた。




「よし!じゃあ今度は俺がかけてみる・・・・・見とけ!!(笑)」



トルルゥ・・・ガチャ「ウィーーーアローーアローーアローーーー!!!」



うわッ!!絶対さっきのイタ電だと思われてるな・・・・・。


勇気を振り絞って・・・・



「ウィーー!アローーー!ボンジュール!!・・・・・」



「?????ウィーー!アローー!!ボンソワー!!」


???ハッ!!しまった!!!?夜だった!!ボンジュールではなくボンソワーだった!!


もうパニックである。



・・・・・もうこうなったらこっちの言い分を立て続けに言いまくるしかないッ!!



「ケスク・・・・・」


「ジュヴドゥレ フェール ユヌ ターブル レゼルヴァシオン シルブプレ!!」(テーブルを一つ予約したいんですが・・・?)


「ウィーー!ダコーー。プル カン??」(はい。わかりました、いつの予約ですか??)


!!?やべえ!!!何か言ってきた!!


カン??カンってなんだっけ・・・・??


もう汗だくである。


「井K!!カンってなんだっけ!!?」


「カンって日にちじゃないの!?日にち聞いてんだよ!日にち!!」


(・・・・くッ。お前もう強気だな。さっきイタ電ばりに切ったくせに!!)


・・・そ、そうか、日にちか・・・・。


え~~~~と、明日。・・・・明日ってなんて言うんだっけ・・・・。


「おいッ!!井K!!明日ってなんだっけ!ど忘れしたッ!!!」


「ドゥマンだよ!!ドゥマン!・・・そんなのもわからないの!!」


(クッ!!・・・・・・お前!後でぶっ飛ばす!!)


「セ ドゥマン!!」


!!!よし言ってやったぞ!!ドゥマンだ!!



「パードン???ムッシュ?」


?????!!!


うわぁぁぁぁ~~~~~!!もうダメだ!!


通じてないィィィ~~~~!


「ドゥマン!!ドゥマン!!!!・・・!!!明日!!明日!!」


「A SHI TA????」


やべ~~~!!もう日本語しか出ない!!


ど、どうしよう・・・・・



「アトンデ・・・・」(ちょっとお待ちください。)



「ハイ!モシモシ!!ワタシ、ニホンゴ ワカリマス!!」



えッ!


片言の日本語を話せる人が電話にでた。