修業時代日記 ~第20話~
199×年○月△日
薄汚い病室の天井から自分の足元に視線を移す。
・・・・・・・!!
左足がギプスで固められ吊るされている。
足が倍位の太さ
になっている・・・・・・。
「・・・・・・・。」
ガチャ。
病室の扉が開く。
「お~~~。イシイ君。気がついた??」
院長先生だ。
「いや~~。しかし、イシイ君。
君、頑丈だね!!
足は腫れているけど、骨にはヒビ一つ入ってないよ~~!!」
「えっ!!そうなの!?こんなに腫れてるのに?」
「大丈夫、大丈夫!この点滴が終わったら退院ね!!はい、松葉杖!」
バイクは廃車になった。
学校は休みたくないが、2日だけ休み、アルバイトは辞めることになった・・・・。」
松葉杖を付き国立まで通う。
講習は受けれるが、実習は出来ない。
しばらくやきもきした日が続くが・・・・しょうがない。自分のせいだ。
フランス校の奨学金も後一歩という所で諦めざるを得なかった・・・。
幸いなのは、フランス校が秋コースだったという事だ。渡仏までまだ半年以上時間がある。
この間に治療に専念しよう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もうすぐ卒業式だ。
国立での授業も残すところ僅か。
色々勉強になった。
外来講習も一年間で豪華な講師の先生方がいらした。
銀座レストランPのSシェフ。
箱根のオーベルジュ OーミラドーのKシェフ。
QアリスのIシェフ。
等、他にも雑誌で見かける有名なシェフばかりだ。
この学校に来て本当によかった!
そして、フランス料理の虜になった。
早くフランスに行きたい。本場のフランス料理をたべたい!!
卒業を目前にし最後までしっかりと授業を受けようと思う。
ガチャ。
先生が入ってきた。
「おはようございます!!」
「え~~~~~。
皆さんに・・・・・・・
残念な・・・・・・
お知らせがあります・・・・・・・。
辻 静雄校長が、
お亡くなりになりました・・・・・・。」