父が胆管がん被疑者となってから、はや二週間。

その後受けたPET-CTの結果や治療方針について病院より説明があったのですが、なにせ復帰間もないアタシ。

休みを取れず一緒について行くことができなかったため、父と母にどんな説明を受けたのか尋ねてみたのですが…。

 

PETの画像を見ながら、そりゃもう詳しく説明してくれはってなぁ~

しかも、説明してくれはったんは前にオペしてくれはったM先生や!

M先生にまかせとけば安心や!

 

実は、父は4年前に十二指腸穿孔からの急性腹膜炎で命を落としかけた事があるのですが、その時に深夜にも関わらずメスを握り助けていただいたのがM先生。

 

父と母の説明を纏めると

・PET検査では病変は見当たらず。

・ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)検査では腫瘍らしきものが広範囲に見られる。

よって、開腹し直接確認、迅速診断により悪性の所見が出た場合は「膵頭十二指腸切除術」を行うのが望ましいと説明されたようなのですが、なにせ70代のジジババの言うことなので超抽象的。

詳しく聞こうとすると途端に言葉に詰まり、「と…とりあえずM先生にまかせとけば安心や!それにワシは初期やから切ったら終わりやしな。」と根拠もへったくれもない言葉を並べる始末…。

 

こりゃダメだ…と思い、代休を貰って術前検査の説明を受けるという父と母について行ったのは先週の金曜日。

肝数値、肺機能共に手術に耐えられる状態とのM先生の説明に、ひとまずホッとしたのですが…。

 

外科医であるM先生に何故か入院手続きのことを尋ねる父。

麻酔科では入れ歯以外の生き残っている歯がどんな状態か聞かれているのに「グラグラする!」と声高らかに宣言する父。←グラグラしてるのは入れ歯のみ。

さらに、麻酔科の女医さんが超キュートな女性で舞い上がってしまったのか、またまた入院手続きのことを(嬉しそうに)尋ねる父。

そして、意味なく繰り広げられる手術とは全く関係ない世間話。

そんな父の横で、口を挟んだら父の機嫌が悪くなるかもしれないとひたすら大人しくしている母。

 

そら地方では腕も良いと評判で、かつて父の生命を救ってくれたこともあるM先生の執刀だって言うから、父が根拠のない初期宣言をしようが「悪い方向に考えて落ち込まれるより勘違いのがよほどいい!」と安心していたけれど…悪い予感がする…。

 

M先生が執刀してくれるって言うてるけど、先生に直接確認したん?

 

そんなアタシの言葉に、きょとんとする父と母。

 

何ワケわからんこと言うてるのん?M先生が説明してくれたんやで?前にも手術してくれた先生やね?って聞いたらハイって返事してくれはったんやで?M先生が手術してくれるに決まってるやん。

 

……………。(反論する気力も起こらねぇ)

 

そんな父の執刀医が判明したのは手術を2日後に控えた昨日の夕方。

悪い予感は当たり、執刀医はM先生ではなく若手の先生でした。

 

茫然自失状態の父と母。

 

手術入院前までの診察はトップが、執刀は若手が…なんてことは外科領域においては日常茶飯事なのかもしれないけど…。

入院するまで、患者から尋ねられるまで、執刀医の名前を言わないのも普通のことなのかもしれないけど…。

 

相手は80近い爺さんっすよ?

 

本人はしっかりしてるつもりでいるけれど、難しい手術のことを説明されたら進んで煙に巻かれちゃうようなヤツっすよ?
説明されたその時は何となくわかった気でいるけれど、いざ娘に説明をしようとすると全く言葉が出ず、初期だから大丈夫なんて世迷言を言い出すような輩っすよ?
うまく説明できない自分に初めて理解できていないことに気づく…それが現実っすよ?

 

無論、次代を担う外科医を育てるには若いうちから経験を積ませるのが一番だということは十分理解しているし、アタシ自身、研修医あがりのTちゃんに切ってもらって全然元気だから若いからダメなんて更々思ってないけれど、父はM先生が切ってくれると思ってたから安心してたのよ?

手術を受けるってことは生命を託すことと同じことなのに…。


まずは生命を託す相手の名前を先に伝えるべきでしょーがっ!

 

時は遡り3年前。

執刀するのは若い先生になるけれど、手術には僕も立ち会うから安心して手術を受けて欲しい。

アタシが卵巣がんになった時、婦人科の優しきボス、波平先生は真っ先にそう言ってくれました。

再々再発した半年前も、副院長先生に執刀して欲しいと直訴するも執刀医はY先生だったけれど、前もって執刀医の名前は教えてくれたし、オペ室には自分も入るからと言ってくれました。

 

まずはじめに執刀医の名前を伝える。

当たり前のことだと思ってたけどそうじゃなかったのね。

 

今回の父の胆管がん騒ぎで、高齢者におけるがん治療の難しさを垣間見た気がするわっ!

 

そんな父の決戦の火蓋が切られるのは明日9時から。

昨日は呆然としていた父ですが、幸いにも執刀医の先生が患者と家族に親身になってくれるタイプの方だったので、翌日にはすっかり能天気な父に戻り、ひとまず安心♡←単に一晩寝たら忘れるタイプなだけかもしれないけどw

 

現段階ではおそらくステージ3以上。

さらに受ける手術は難易度も高く合併症の危険性もある膵頭十二指腸切除術。

だけど、リンパ節転移さえなければ一気にステージダウン、逆転満塁ホームラン!

完治の可能性もあるそうなので諦めずに頑張るのだ!

 

先生!!!←父は寝てるだけw

 

 

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