昨日,東京地裁立川支部で担当していた刑事事件で,無罪判決を頂きました。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110120/trl11012021070068-n1.htm


「正当防衛」と無罪 けんかで暴行、東京地裁立川支部

 交通トラブルでのけんかをめぐり、暴行罪に問われた東京都町田市の理容師、内田智和被告(38)の判決で、東京地裁立川支部は20日、正当防衛が成立するとして、無罪(求刑罰金20万円)を言い渡した。

 内田被告は一貫して無罪を主張していた。判決理由で福崎伸一郎裁判官は「馬乗りになられた際に相手を蹴ったが、正当防衛の範囲内」と認定した。

 判決や弁護人の一藤剛志弁護士によると、平成21年11月28日、町田市内で道路脇の病院に寄ろうとした同市の会社員男性(43)の車に後方の内田被告がクラクションを鳴らし、車から降りた2人がもみ合いになった。内田被告は倒されて殴る蹴るの暴行を受け、頭や首、胸などに2週間のけがを負った。

 男性は暴行罪で略式起訴され、罰金10万円の略式命令を受けたが、内田被告も在宅起訴された。


暴行の在宅事件という比較的軽微な事件ではありますが,無罪を得られたことは成果といえ,判決後,依頼者と一緒に喜びました。


この事件は,本来被害者ともいうべき依頼者が暴行罪で起訴された一方,加害者ともいうべき相手方については,依頼者を殴ったり蹴ったりした暴行を不問とされており(依頼者を倒したという暴行のみで略式となりました。),検察官の起訴・不起訴の判断に疑問を感じる事件でした。


弁護人としては,早い段階で無罪を確信していたのですが,その分,それをきっちり無罪にするまでの重圧はなかなかのものでした。

判決主文の読み上げで,「被告人『は』,」と聞いた瞬間,ホ~ッと力が抜けました。

(判決主文は,無罪なら,「被告人『は』,無罪。」

有罪なら,「被告人『を』,●●に処する。」

となるので,『は』と聞いた瞬間に無罪と分かるわけです。)


まだ検察側が控訴するかどうかわかりませんが,とりあえず一段落です♪