日下公人氏の論説は、政治エリートの対外的な行動に切歯扼腕している国民にとって、一服の清涼剤になると共に、マスメディアの主張することを懐疑の目を持って聞いたり見たりすることができるようになる。

敗戦国の国民だからしょうがないか、とエライ人達の言うことを納得してしまいそうになることがある。

そんな時、そうではないぞ、と日本人よ自信を持て、励ましてくれたのが日下先生だ。

例えば、日本の外交官や学者、進歩的言論人、政治家は劣位戦が得意であるという。
「決められた枠の中でベストを尽くす達人、というよりもそれしかない。“実戦”経験の乏しい学校秀才が多いからで、与えられた授業内容で一生懸命勉強して、正解が決まっている試験に合格してきた。省エネなどの新国際基準が決まれば、直ちにそのルールで勝負し、最高点を挙げてみせるという自信があり、実際、実績も積んできた。

だが、自分で新しい枠やルールを設定できず、欧米が決めた枠やルールそのものがアンフェアかどうかにはおもいが及ばない。更には『日本が優れた新基準をつくって、世界に普及させる』という発想ができない」(優位戦思考で世界に勝つ・15頁)と書く。その通りであるであるから、国民はしっかりするのだ。

身近な事例はたくさんある。
就活生よ、世界に占める日本の立場の真相を知るためにも、日下先生の本を読み、日本に自信を持とう(と言うと筆者が敗戦後の日本に育ちどれだけ悔しい思いの告白?になってしまうが・・・)