[T]PTSD 人は傷つくとどうなるか
- 著者:加藤 進昌, 樋口 輝彦, 不安抑うつ臨床研究会
- タイトル:PTSD 人は傷つくとどうなるか
- 2001年2月刊
目次 第1部 PTSDとは何か PTSDとは何か
ストレスと脳-PTSDの脳内メカニズム
PTSDの生理学的所見と脳画像
PTSDと薬物療法
PTSDの認知行動療法
PTSDと新しい治療法-EMDR
PTSDと損害賠償
第2部 PTSDの症例 自然災害におけるPTSD
被虐待児のこころのケアについて考える
性暴力被害におけるPTSD
国際テロ事件の人質におけるPTSDとその予防
パニック障害とPTSD
EMDRを用いてトラウマを再構成する
臨床の現場から
非常に中身が濃い本であった。
この本で初めてEMDRという治療法を知った。
この治療法は、
「眼球運動を利用して
外傷的記憶の脱感作
(その記憶に慣らしていくことによって、そこで引き起こされる不快な感情の強さ徐々に減じていくこと)
と
再処理
(自らにとって不都合な部分を圧縮し、快適な部分を強調しつつ長期的記憶に移行させていく=「思い出に変える」こと)
を行う」
生理心理学的治療法で、効果が目覚ましいとのこと。
開発されて10年ほどの新しい技術で何故効果が出るのか仮説の段階であること、
十分に訓練を受けた治療者が行わないとむしろ危険であること、
が指摘されているので、身近な被害者が、簡単にどこでも受けられる治療ではなさそうであるが、
こういった治療法があるということを知ったのは収穫だった。