けの精神をかたむ | laughterのブログ

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「ベルガラス!」セ?ネドラはのどもとの護符を両手できつく握りしめながら、小さな声で呼びかけた。「ベルガラス、わたしの声が聞こえて?」彼女は、意識のないポルガラの身体を少しでも楽にしようと骨折るダーニクから数ヤードと離れていない場所に立っていた。王女は両目をぎゅっとつむり、全身全霊をこめて思いを空にむかって注ぎ、いにしえの魔術師を捜し出すことに、ありったけた。「セ?ネドラか?」老人の声はまるでそばに立っているかのように鮮明だった。「いったいそこで何をしておるのだ。ポルガラはどうした?」「ああ、ベルガラス!」王女は安堵のあまり、あやうく泣き出すところだった。「助けてちょうだい。レディ?ポルガラは気を失ったままだし、マロリー軍がまた攻めてこようとしているわ。このままじゃ、わたしたち殺されるわ。どうか、助けてちょうだい」「まあ、落ちつけ」老人はそっけない声で言った。「いったいポルがどうしたというのだね。おまえさんたちは今どこにいるのだ」「わたしたちはタール?マードゥにいるの」セ?ネドラは答えた。「チェレクの艦隊を下流へ逃がすために、この街を攻め落としたの。でもマロリー軍とマーゴ軍がいつのまにか忍び寄っていたのよ。この朝からずっと攻撃が続いているわ」 ベルガラスはののしり言葉を吐いた。「それでポポルガラとベルディンで力を合わせて風を起こしたあと、急に倒れたのよ。ベルディンが言うには彼女がとても疲れているので、そのまま寝かせておかなければならないんですって」「ベルディンはどこにいる」「グロリムを監視しなくちゃならないと言ってたわ。わたしたちを助けて下さるわね?」「セ?ネドラ、わしはおまえさんたちから千リーグ以上離れた場所におるのだ。ガリオンとシルクとわしは今マロリーにいる――文字どおりトラクの敷居をまたいだところなのだ。もしわしがここでおまえさんたちを助けたりしたら、トラクが目覚めてしまうだろう。ガリオンにはまだその用意ができてはいないのだ」煙雨濛濛攜酒言歡獨向黃昏