一万回目の旅のはじまり | ラフラフ日記

ラフラフ日記

主に音楽について書いてます。

MUSIC ON! TV presents GG10
2010年7月23日(金) SHIBUYA-AX


先日の野音で「2010年夏のエレカシ」を観ることができるのは最後かと思っていたけど、行ってきたぜぃ!

GG10

出演は、ACIDMAN/エレファントカシマシ/黒猫チェルシー

いやぁ、先日の野音で終わりかと思っていたから、思わぬご褒美をもらえたような、お祭りの日を待つ子供の様な、そんな気分。夏ってイイネ!

荷物を預け、いざ入場。開演を待つ。

「GG」ってのは、「George's Government」の略で、ジョージ・ウィリアムズが企画するライヴイベント。今回の『GG10』は4日間に渡って開催され、この日は3日目。(2日目も行きたかったなぁー)
ジョージさんがエレカシ大好きなのは知っていたし(初めて好きになった日本のアーティストがエレファントカシマシ!)、ジョージさん自身も好きなので楽しみ。きっと、出てきて喋ってくれるだろうし。

GG、私は行ったことあるんだっけかなぁ。
なんか勝手に行ったことあるような気がしてたけど、それは『JAPAN CIRCUIT』とかと混同してるのかも知れない。私は行ったことなくて、行った友達から話を聞いて、それで行ったものと錯覚してるのかも。

そんなことに思いを巡らせていたら、ジョージさんひょいっと登場!

「今日は一番 “男臭い” 日になると思う。だって、出演アーティスト考えてみてよ!
 ACIDMAN! 黒猫チェルシー! エレファントカシマシ!」

開演を待っている間、一体どのアーティストのファンが多いのだろうと思っていたけど、「エレファントカシマシ!」で一際大きい歓声が上がる! イエーイ! そして、

「最初のアーティストは、大好きなバンドです。黒猫チェルシー!」

初めて観ました、黒猫チェルシー。うんうん。カッコ良い。ヴォーカルの人、体が大きくて、なんか良いね。“朝目が覚めたら~かゆかった~” みたいに歌うのが一曲目だったかな。はっきりは聞き取れなかったけど、“ロックがやりたい/女の子の白い目” みたいなことをひたすら繰り返す歌が印象的だった。ぶっきらぼうな感じだけど、曲が終わるごとに言う「ありがとうございます」が礼儀正しそうだった。愛嬌あるのかも。あと、ドラムがカッコ良いと思いました。

黒猫チェルシーが終わると、再びジョージさん登場。GG が始まった経緯を話しつつ(ドラゴンアッシュの降谷建志さんと車谷浩司さんと話をしたのがキッカケみたいな内容だったかなぁ、ちと自信なし)、

「次のアーティストは、GG に7年連続出演してくれてます。ACIDMAN!」

うぉっ~、ってことは、エレファントカシマシがトリなのねー! そうなのねー!

ACIDMAN を観るのは超久しぶり。久しぶり過ぎて、最後に観たのがいつか思い出せない。なんかのフェスで観たのが最後だった気がする。何気に私、初ワンマン@下北沢ガレージ観てる! インストアも観たなぁ。

ACIDMAN。あの音を3人だけで出しているのが凄いです。登場の SE から、雰囲気を作り出し描き出す徹底ぶりと技量と確固たるものは凄いなぁと思いました。

確か一曲目だった「CARVE WITH THE SENSE」から大盛り上がり。皆、拳上げるわ歌うわ叫ぶわ心酔するわ。私も、久しぶりに観る ACIDMAN に「カッコええ!」と興奮しました。こうして ACIDMAN が変わらずに活動を続けていて、そしてまた私も音楽が好きでライヴに行き続けていて、だからこそ再会できたんだという感動も襲ってきました。
しかし、こんなに英詞多かったっけ?

「HUM」は印象的だった。誰もいない草むらっつうか荒野っつうか草原っつうかが浮かんだ。

だけど、ライヴが進むにつれ、「あれ、やっぱり、何かが違う」。確かにカッコ良いけれども、圧倒的だけれども、何かが、何かが……。その答えは、イベントが終了するまでおあずけです。

といっても、そんなことを考えるのはライヴ後の話で、ライヴ中はその瞬間を楽しんでいるんですけどね。

あ、ベースのサトマさん好きです。

再び、ジョージさんが登場すると、「次は、日本で初めて好きになったバンドです! エレファントカシマシ!」

エレファントカシマシ、堂々のトリで登場。宮本さん、黒シャツ。今日は、蔦谷好位置さんではなくサニーさんがキーボード。

いやぁもう、言いたいことはたくさんあるような気がするけれども、まずはこれを言っておかなければなりません。

私はこの日の「待つ男」を忘れません。

凄まじかった。

「待つ男」はいつも凄いんだけど、ボロボロになった黒シャツ、ボロボロの姿で歌う宮本さんを前にして私、固まった。それまで音楽にノッて観ていたのに、このときばかりは止まった。動けず。涙が出そうになった。悲しいからじゃない。嬉しいからでもない。なんなんだこの気持ち。魂が震えたよ。身の毛がよだったよ。

こんな衝撃、初めてかも知れない。
……と思ったりもするけれど、きっと今までにもあるんだろう。気付かなかったり、見落としていたり、時間の流れの中で埋もれていたりするだけで。

きっと、私がエレファントカシマシをカッコ良いと思う理由が、そこにはあった。

「待つ男」はアンコールで演奏された曲なので、ライヴ全体の話を。

「ファイティングマン」から始まり、順不同で、
「悲しみの果て」
「太陽の季節」
「珍奇男」
「デーデ」
「so many people」
「Sky is blue」
「笑顔の未来へ」
「FLYER」
本編最後は「ガストロンジャー」。

そしてアンコール「待つ男」。

抜けがあるかも知れませんので、すみません。

とにかくこの日のエレカシは、「荒削り」だった。ACIDMAN の方がよっぽど、洗練されてて完成されていた。どっちが先輩なんだ?って感じ(笑)。だけど、貫禄や迫力はあって、なんだか私はとても、エレカシのこの「荒削り」が嬉しいんだ。

ACIDMAN の大木さんが、MC で「ジョージが、『地上波に流れてるような音楽じゃなくて、ロックを届けたいんだ!』って良いこと言ってた」と言っていた。「色々な音楽があるべき」と。それは、その通りなんだろう。だけど、色々な音楽があるべきというなら、その「地上波に流れてるような音楽」とやらもあるべきなんだろう。まずは、自分にとってあるべき音楽を!
ジョージさんもきっと、「自分にとってあるべき音楽」をこの GG で鳴らしてくれたんだろう。サンキュー、ジョージ!

色々な音楽があるべきと思ってやっても、気を付けないと、すぐに囲われてしまうようが気がする。

囲う前に、囲われる前に、あいつらの、己自身の、化けの皮を剥がしにいかなくちゃ!

宮本さんの「一万回目の結論」、しっかりと受け止めました。

「so many people」。
この曲に救われたことがあった。

ライヴハウスでエレカシを久しぶりに観た気がする。特にここ渋谷AX では何度もエレカシのライヴを観ている。だから、色んな時期の色んな時代のエレカシが、そして自分が、頭の中を駆け巡った。

なんかよくわかんないけど、こういうもんと人は戦ってゆくんだ。

なんだか久しぶりにエレカシの「外面(そとづら)っぷり」を観れた気がしました(笑)。「珍奇男」のことを、「歌詞が面白いので聴いてみて下さい」なんて言っちゃって。また、「古い曲なのに拍手してくれてありがとう」って。

でも、考えてみれば、挑戦的なセットリストでもあったよなぁ? 決して媚びることもなく、かといって、突き放すわけでもなく。でもって、野音でもやらなかった曲もやったり、ap bank とも違ったセットリストみたいだし、な~んか今のエレカシ、バンドとして凄い良い状態なんじゃないの!? いつでもどこでもセットリストを変えて演奏できる! しかもそれがその場にちゃんと響く! 素晴らしい!

トミのドラムはカッコええし、成ちゃんのベースもカッコええ。「珍奇男」と「ガストロンジャー」でだったかなぁ、宮本さんが「高緑!」って言ったとき、めっちゃカッコ良かったです。うねりが! 宮本さん、ただ闇雲に「高緑!」って言ってるわけじゃなかったのね(笑)。

他の出演者のことにも触れて、「たくさんの素敵なバンド。たくさんって言っても三つなんだけど。三つの素敵なバンド。俺たちも素敵なバンド」と言っていた。そして、「黒猫チェルシー、初めて観たけどカッコ良かった」と。

そういえば、もうそろそろ開演ってときに、ふと二階席に白シャツの宮本さんが入ってくるのを見かけた気がする。見間違えかも知れないけれど、宮本さんだったような気がする。だから、やっぱりあれは、宮本さんだったのかなぁ。だとしたら、黒シャツに着替えたんだね。

そして終演後、ACIDMAN のときのことについて考えてみる。

なんて言ったら良いのか、私は、苦労というか暗黒というか「みじめさ」を知ってるアーティストが好きなのかも。

いや、ACIDMAN が苦労を知らないとか、エレカシがみじめなバンドだとか言いたいわけじゃなくて、その「音楽」においての話なんだけど。うーーーん。

………………わかった!

ACIDMAN には、「笑い(ギャグ)」が足りないというか、ほぼないんだ!

あくまで私にとっては、ですけど。

そこなんじゃないかなぁと。

でも、ずーっと前は、インディーズで出た『赤橙』とか『酸化空』には、もっとあったような気がするんだよなぁ、笑い(ギャグ)。今は、カッコ良すぎるというかなんというか、そこなんだよなぁ。

とにかく私は、今日もまた、宮本さんが、エレカシが、いかに「カッコ良い」かを思い知らされたよ。カッコ良いバンド達と観ることによって尚更にね。ほんとうの「カッコ良さ」をね!

エレカシが終わった後、ジョージさんが出てきて「息ができなかった!」って。

その後、全員で記念撮影することに。

ボロボロのシャツ姿のまま、ふらふらになった宮本さん。一番先輩なのに、何度もお辞儀をしながら写真を撮る位置に移動。素敵すぎます。

そういや、メンバー紹介やったのもエレカシだけだったよ。一番先輩なのに。普通、逆やろ!(笑)
あ、最近のバンドはメンバー紹介あまりやらないのかぁ。

エレカシ、ありがとう。
私の「2010年夏」は始まった。

明日はあゆ!