マウリッツハイス美術館展(1) | Lapislazuliのブログ

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嬉しい!楽しい!美味しい!大好き!をテーマに、カフェでおしゃべりするように
何気ない日常の出来事や好きなものの話をつづります。
ホッと一息つける時間に、お気に入りのお茶やお菓子やお酒をそばに
お越し頂ける場所でいられたら幸せです♪

オランダの首都アムステルダムから電車で1時間弱に位置するデン・ハーグ。
ネーデルランド共和国からオランダ王国となった今日も
国会、国際司法裁判所などの政府機関がある政治の中心として機能し
日本大使館ほか各国施設が集まるこの地に、マウリッツハイス美術館はあります

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今夜は上野の東京都美術館で開催中のマウリッツハイス美術館展のお話しを
私が気に入った絵を載せてゆきながらご紹介したいと思います♪

この展覧会は6つのテーマに分けて48点の作品が展示されています
Ⅰ.美術館の歴史 Ⅱ.風景画 Ⅲ.歴史画(物語画) 
Ⅳ.肖像画とトローニー Ⅴ.静物画 Ⅵ.風俗画

 
会場に足を踏み入れると、まずはじめに17世紀にこの邸宅を建てた
ヨーハン・マウリッツ伯の胸像が出迎えてくれます(高さ123㎝)

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彼はブラジルに植民地を造った人で、ブラジルの木材を使ってこの邸宅を建てました。
18世紀には大使の公邸に、兵学校に、ワインの貯蔵庫に、政治犯の収容所にと使われた館は
1882年にオランダ政府が購入し、王立絵画キャビネットとして一般に公開されたのが始まり。

歩みを進めると、オランダ建国の父と呼ばれるフレデリック・ヘンドリック総督や
オランダ最後の提督オラニエ公ヴィレム5世夫妻それぞれの肖像画と高貴な雰囲気漂う絵画が並びます。

こちらは、アウグストゥス・ヴェイナンツが
1830年に描いた『マウリッツハイスの景観』22.5×27.5㎝

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淡い色彩で描かれたこの絵を観ると、運河に浮かんでいるように見える外観も
この当時からほとんど姿を変えていないことがわかります

このブースではもう一枚、『マウリッツハイスの「レンブラントの間」、1884年』47×59㎝
来場者がマウリッツハイス美術館を訪ねたような気持になれる展示の仕方だと思いました

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Ⅱ.風景画のブースでは、広い空、川や運河や港に停泊するオランダ国旗はためく船や
広大な平原や牧歌的な景色を描いたライスダールやヤン・ステーンの絵が展示されており
細かい描写を近くから、また少し離れて絵全体の景色を楽しみました

左はヤン・ファン・ホーイエンの『ホーホエルテン近郊のライン川の眺望』81×152㎝
右はメイン・デルト・ホッベマの『農家のある森』88×120.7㎝

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Ⅲ.歴史画(物語画)では宗教絵画や寓意画が展示されています
こちらはヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレンの合作の
『四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪』106.3×69.9㎝
ブリューゲル(父)が風景、花、果実、野菜、動物を描き、ファン・バーレンが人物を描きました

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ブリューゲルの描いた花輪は自然の豊穣を称えた寓意で
天使たちは黄道十二宮を寓意化したもの

中央のメダリオンは四季を擬人化した4人が
女神ケレスに大地の産物を献上している姿を描いていて
花輪の下の二人の女性はニンフ(自然の精霊)が描かれています

一体どれだけの時間をかけて、このひとつひとつを描いたのだろうと思わずにはいられなかったし
天使が大好きな私はこの天使たちのかわいさと、細かくリアルな描写の果実や野菜や動物の描写は
一日中眺めていても飽きないほど魅力的でした

こちらはベーテル・パウル・ルーベンスの『聖母被昇天』87.8×59.1㎝

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ベルギー・アントワープの聖母大聖堂の主祭壇を祭る祭壇画の「下絵」で
フランダースの犬のネロがまぶたに焼き付けたあのルーベンスの絵です
ネロはルーベンスの描いたこのマリア像に亡き母の姿を重ねていました

依頼を受けた段階から頭の中にイメージが出来ていて
素早いタッチでこの下絵を完成させた印象を感じましたが
それがさらに聖母が昇天してゆく神聖なやわらかい風を感じました

この作品の後にレンブラントのいずれも聖書を題材にした作品、
『スザンナ』と『シメオンの賛歌』と、ヘルデルの『シメオンの賛歌』が続き、
このブース最後の作品が、ヨハネス・フェルメールの『ディアナとニンフたち』97.8×104.6㎝

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中央の黄色い服を着ているのが月の神ディアナでそのほか4人がニンフ(自然の精霊)で
木立の中で水浴をしながらくつろいでいる様子を描いたもの

この絵がパリの競売で落札された1876年時点では、この作品はレンブラントの弟子の
ニコラス・マースの作とされていましたが、1885年の修復の際に、
偽造された署名「N Maes」の下から「V Meer」の文字が姿を現したことで、フェルメールの真作と認定されました

この作品を観終わって、新しく設置されたエスカレータを上って行くと
Ⅳ.肖像画とトローニーのブースで、いよいよ『真珠の耳飾りの少女』とのご対面となるわけですが
ここまででずいぶん長くなってしまいましたので、今夜はこのへんで星空 次回に続きますaya