台湾の舵 | 中華の足跡・改

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中国から帰り、北海道に暮らしつつ、台湾とつながる生活。

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台湾が、これからどういう方向へ行くのか。
これもまた、俺にとっては無視できないテーマだ。


台湾と中国の大きな違いの一つは、日本に対する感情である。
個人レベルではともかく、一般論としては、やはり中国国内では反日感情は根強く、そして政府がその反日感情を利用している面もあり、この先劇的な改善があるとは思えない。

もっとも、日本側に改善の意思があるとも思えないが。


一方、台湾においては、あまり反日感情が強くない。
まがりなりにも、かつて日本軍による占領という事実があったのは確かだから、高年齢の世代では日本嫌いの人が案外多いのかもしれないが、少なくとも若者を中心とした反日デモなど発生する気配は微塵もない。
その辺の事情は日本人も承知しているから、同じ漢民族を主体とした国であっても、「台湾は好きだけど中国は嫌い」という人も多いわけだ。
まして、中国と台湾は一つの国だ、などと本気で思っている日本人は非常に少ないだろう。
結局、国に対する感情というのも、個人に対する感情と何ら変わりはない。
相手が自分に好意的なら自分も相手に対して好印象を持つし、その逆もまた然り。
自分が相手を嫌いなら普通は相手も自分を嫌いになるし、相手を尊重しないなら相手もこちらを尊重しない。
実に単純な理屈だ。
そんな小学生でもわかりそうな理屈すらわからない――あるいはわかろうともしない人間が一国の首相であるという事実は情けない限りだが、それが自分の国の首相だという事実はさらに情けない話だ。
が、まあそれはとりあえず置こう。


大して長くもない時間だが、一応中国で生活していたので、少しは中国の事情というものを肌でわかっている。
ただ、台湾のそれは、完全に把握しているとはいいがたい。
なので、台湾人が日本を、あるいは中国をどう見ているか、本当のところは実はよくわからない。
――そういったことを考えさせられたのは、先日の台湾での統一地方選挙の結果を知ってからである。


結果的には、国民党の大勝利に終わった今回の選挙。
政権党の民進党は大きく後退した。

国民党は、少なくとも現状では、親中国路線を取っている。
そして中国も、堂々と国民党を支持し、民進党と陳総統を批判している。

台湾国民(あえて国民と呼んでおく)は、その国民党を支持したわけだ。
むろん、腐敗の目立つ民進党への批判票が国民党に流れただけかもしれないが。


ともかく、この結果を見る限り、近い将来に国民党政権が誕生する可能性は相当に高くなった、ともいえる。

どの国にどんな政権が誕生しようと、その国の勝手だが。
単純な話、台湾で反日教育などやられると、困る。
もちろん、台湾国民がそこまで簡単に踊らされるとは思わないが。
今回の国民党勝利の立役者、馬英九新主席が党本部ビルに巨大な「台湾抗日英雄」の肖像を掲げた、なんて話を聞くと、一抹の不安を覚えてしまうのだった。


公平に見て、日本という国が周辺国から好かれるような国だとはとてもいえないが。
仲良くやっていくのは、こうも難しいものか・・・。