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中国から帰り、北海道に暮らしつつ、台湾とつながる生活。

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連休中。
働いていたときほど休日のありがたみを感じているわけではないのだが、それでも休日というのはいいものだ。

のんびりするのも悪くないが、ずっと部屋にこもっているのも俺の趣味ではない。
ということで、昨日は一日、遊びに出たのだった。

遠出をしたわけではない。
市内ではなんといっても西湖が有名だが、さすがにこの連休中は近づく気にはなれない。
ということで、中心部から少し離れた、「九渓煙樹」と呼ばれるところに行くことにした。
ここは、市の中心部から南西に位置する山地で、風光明媚、杭州市民は西湖よりもこちらの方が好きな人も多いという。

バスに揺られて、まずは竜井という場所まで行く。
竜井茶(ロンジンチャ)といえば、中国でも非常に有名なお茶のブランドだ。名前を聞いたことがある人も多いのでは。
その、竜井。
既に立派な観光地になっている。
あちこちにお茶の店があり、街を歩いているとそこら中から声をかけられる。
ただ、今日の目的は別なので、とりあえずは素通り。

この竜井から、歩いて九渓を目指す。

その道は、林道のような道になっている。
傍らを小さな川が流れていたりして、気持ちのいい道だ。
観光客らしい人もたくさん歩いているのだが、どういうわけか、大半の人が九渓方面から竜井を目指している。
どうやら俺らは一般客とは逆周りをしているらしい。
まあ、いい。

約40分くらい歩くと、九渓にたどりつく。
ここも、なかなかに人が多い。

ちょっとした庭園のようなところがあった。
入場料は、2元。
有名どころの観光地と比べると、随分と低価格である。

中には、大きな池や東屋があり、そして奥には小さいながらもそれなりの迫力を持つ滝がある。
滝好きとしては放ってはおけない、と、どんどん近づいていく。
すると、滝の傍をさらに登っていく山道を発見。
さらに登って行くと、少し開けた場所に出た。そこにはやはり東屋があり、何人かの観光客が休んでいる。
どうやらここが最終地点らしい。もう少し上に行ってみたかったのだが。
と、辺りを見渡すと、どうやらまだ登っていけそうな道を発見。
ただ、ここまでは階段や手すりもあって、公園の一部という感じだったのが、その先はごく普通の山道になっている。道幅も広くなく、あまり整備されている感じも受けない。
さて、登っていっていいのだろうか?

まあ、いいか。行ってしまえ!

登る、のぼる。
ほとんど人影は消えた。
山は木に覆われていて、周囲の風景は見えない。
一体どこに辿り着くのかさえ、わからないのだが。

どのくらい歩いただろうか。
実際にはおそらくたいした距離でもなかったかもしれないが、それなりの傾斜があったため、随分と長く歩いたような錯覚を覚える。
とにかく、山頂と思われる場所には到達した。
思われる、というのは、やはり樹木に覆われているため景色がほとんど見えないからだ。少々残念ではある。
ただ涼しい風が吹いていて、火照った身体には非常に気持ちがいい。

本来ならここで下山してもよかったのだが、さらに奥の方へ伸びていく道を発見。別の方角に下山する道か、それともまた別の山へ突っ込む道か?
予備知識が全くないため、判断のしようがない。
が、まだ時間はたくさんあるし、明日も休みだし、今日はとにかく前進だ!
・・・ということで、さらに細い道へと足を踏み出した。

この道は、傾斜はなだらかながら、たしかに登りの道になっている。
いささかの不安もあったが、それよりもわくわくする気持ちのほうが大きい。
わかるだろうか、こういう感情が?

その道は最後には獣道に近くなったが、唐突に終わりを告げる。突如、整備された石段の道にぶつかったのだ。
その道はちゃんとした遊歩道になっている。どうやらこちらが本当のハイキングコースらしい。
すると俺らは・・・、どうやらとことんイレギュラーなルートをたどってきたらしい。

そのコースからは、景色が綺麗に見える。
この地帯は完全に山地になっているようで、どの山も緑に包まれていてとても綺麗だ。

さらに、進む。
この付近ではおそらく最も高い地点、「貴人峰」という場所に到着。ここには「貴人閣」という展望地点があって、そこから四方が見渡せる。
そこから東北の方角を望むと、意外なほど近くに西湖が見えた。
湖の中央には「三潭印月」と呼ばれる小島があり、西側と北側にそれぞれ「蘇堤」「白堤」という堤があり、南側には「雷峰塔」があるため、すぐに西湖だとわかるのだ。
視点を南へ転じると、銭塘江が滔滔と流れているのを見ることができ、対岸の開発地区まで一望できる。なかなかの絶景である。