地震、津波、原発と古今未曾有の大災害に
見舞われ福島原発1号機の事故による危険は
いまだ取り除かれていません。
被害がこれ以上拡大しないで
早く収束に向かいますように！！
私たちが出来ることは、ただひたすら
神様に祈ることくらいしかできないのでしょうか。
あめつちの神にぞいのる朝なぎの
海のごとくに波たたぬ世を （昭和天皇御製）
波のたたない安心のできる世の中は
いったいいつになったら訪れるのでしょうか。
仏教の教えの中に素晴らしい救済を説くものがあります。
『観音経』です。
観音経は、観音様の衆生済度の功徳を説くお経です。
『観音経』は、『妙法蓮華経』全二十八品(章)の中の
第二十五品「観世音菩薩普門品」(かんぜおんぼさつふもんぼん)の略称です。
普門品(あまねく開かれた門)とは、すべての人に門は開かれているということです。
観音様にお願いして、被災されて苦しむ人々を
何とか救済していただきたいです。
世尊妙相具 我今重問彼 佛子何因縁 名為観世音
(せーそんみょうそうぐー がーこんじゅうもんぴー ぶっしーがーいんねん みょういーかんぜーおん )
具足妙相尊 偈答無盡意 汝聴観音行 善応諸方所
(ぐーそくみょうそうそん げーとうむーじんにー にょーちょうかんのんぎょう ぜんのうしょーほうじょ )
お釈迦様は妙なるすぐれた相を具えています。私はお釈迦様に重ねてお尋ねしました。
「お釈迦様、観音様はどういう因縁で観世音菩薩という名前がつけられているのしょうか。」
お釈迦様は、無盡意(むじんに)菩薩に偈(詩)をもって答えました。観音様の行は、世の音声を観ずるという修行で、それはよく諸々の人の境遇や事情を察して、善なる方便をもって自在にお救いになるからなのですよ。
弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億佛 発大清浄願
(ぐーぜいじんにょーかい りゃっこうふーしーぎー じーたーせんのくぶつ ほつだいしょうじょうがん)
我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦
(がーいーにょーりゃくせつ もんみょうぎゅうけんしん しんねんふーくうかー のうめっしょーうーくー )
観音様は、海の如く深く広く誓願され、遥かなる永い時に数多の仏様に仕えて修行し、清浄なる大願を発願されたのです。
私が略して説けば、観音様の姿を想い名を唱え心空しく過ごすことなく、一心に観音様と念ずれば、たちまち観音様は現れて、諸々の苦しみを悉く滅して救って下さるのです。
假使興害意 推落大火坑 念彼観音力 火坑変成池
(けーしーこうがいいー すいらくだいかーきょう ねんぴーかんのんりき かーきょうへんじょうちー)
或漂流巨海 龍魚諸鬼難 念彼観音力 波浪不能没
(わくひょうるーこーかい りゅうぎょーしょーきーなん ねんぴーかんのんりき はーろうふーのうもつ )
たとえば、悪い者がいて、燃えさかる大きな火の穴に突き落とされても、観音様と一心に念ずれば、火の穴はたちまち池に変わることでしょう。
あるいは、大海原を漂流して、毒龍や怪魚や様々な鬼などが襲って来ても、観音様と一心に念ずれば、荒波に呑まれて海中に沈むことなく溺れることはないでしょう。
或在須弥峰 為人所推堕 念彼観音力 如日虚空住
(わくざいしゅーみーぶー いーにんしょーすいだー ねんぴーかんのんりき にょーにちこーくうじゅう)
或被悪人逐 堕落金剛山 念彼観音力 不能損一毛
(わくひーあくにんちく だーらくこんごうせん ねんぴーかんのんりき ふーのうそんいちもう)
あるいは、須弥山という高峰の頂きから、誰かに突き落とされたとしても、観音様と一心に念ずれば、太陽のように空中に浮かぶことができるでしょう。
あるいは、悪人どもに追われて、金剛山の頂きから落とされても、観音様と一心に念ずれば、一本の髪の毛さえ損なうこともないでしょう。
或値怨賊繞 各執刀加害 念彼観音力 咸即起慈心
(わくちーおんぞくにょう かくしゅうとうかーがい ねんぴーかんのんりき げんそくきーじーしん)
或遭王難苦 臨刑欲寿終 念彼観音力 刀尋段段壊
(わくそうおうなんくー りんぎょうよくじゅーしゅう ねんぴーかんのんりき とうじんだんだんえー )
あるいは、怨みを抱いた賊に囲まれ、賊らが一斉に刀を手にして殺そうとしても、観音様と一心に念ずれば、彼らは殺す気を失い、慈悲の心を起こすでしょう。
あるいは、王のような権力者の圧政にあって、今まさに刑場で死刑に処せられようとしても、観音様と一心に念ずれば、振り上げられた刀はバラバラに砕け散ってしまうでしょう。
或囚禁枷鎖 手足被杻械 念彼観音力 釈然得解脱
(わくしゅうきんかーさー しゅーそくひーちゅうかい ねんぴーかんのんりき しゃくねんとくげーだつ)
呪詛諸毒薬 所欲害身者 念彼観音力 還著於本人
(しゅうそーしょーどくやく しょーよくがいしんじゃー ねんぴーかんのんりき げんじゃくおーほんにん)
あるいは、囚人となって枷や鎖につながれ、手足の自由を奪われても、観音様と一心に念ずれば、それらの拘束具はたちまち壊されて、そこから脱することでしょう。
あるいは、誰かの呪詛や諸々の毒薬によって、危害を加えられようとしても、観音様と一心に念ずれば、危害はそれを企てた加害者本人に返っていくでしょう。
或遇悪羅刹 毒龍諸鬼等 念彼観音力 時悉不敢害
(わくぐうあくらーせつ どくりゅうしょーきーとう ねんぴーかんのんりき じーしつぷーかんがい)
若悪獣圍繞 利牙爪可怖 念彼観音力 疾走無邊方
(にゃくあくじゅういーにょう りーげーそうかーふー ねんぴーかんのんりき しっそうむーへんぽう)
あるいは、悪羅刹という食人鬼や毒龍や悪鬼などに襲われても、観音様と一心に念ずれば、これらのものは、ことごとく危害を加えようとしなくなるでしょう。
あるいは、恐ろしい猛獣に取り囲まれて、鋭い牙や爪で脅かされても、観音様と一心に念ずれば、それらは何処かへ逃げ去っていくでしょう。
蚖蛇及蝮蠍 気毒煙火燃 念彼観音力 尋聲自回去
(がんじゃーぎゅうぶっかつ けーどくえんかーねん ねんぴーかんのんりき じんしょうじーえーこー )
雲雷鼓掣電 降雹澍大雨 念彼観音力 応時得消散
(うんらいくーせいでん ごうばくじゅ-だいう- ねんぴーかんのんりき おうじーとくしょうさん)
あるいは、マムシや毒蛇やサソリの吐く毒気が、火焔のように迫ってきても、観音様と一心に念ずれば、念ずる声を聞くやたちまちに、それらは退散してしまうでしょう｡
あるいは、天が轟き、稲妻が光り、雹が降り、大雨となっても、観音様と一心に念ずれば、それらは何も無かったかのように、跡形もなく消え去ってしまうことでしょう｡
衆生被困厄 無量苦逼身 観音妙智力 能救世間苦
(しゅ-じょうひーこんやく むーりょうくーひっしん かんのんみょうちーりき のうぐーせーけんくー)
具足神通力 廣修智方便 十方諸国土 無刹不現身
(ぐーそくじんづうりき こうしゅーちーほうべん じっぽうしょーこくどー むせつふーげんしん)
人々が困難や災厄に見舞われ、様々な苦しみに苛まれる時、観音様の妙なる智の力は、人々を苦しみから救い出してくれるのです。
すぐれた神通力を具えておられ、広大な智恵と様々の方便によって観音様は、すべての国々のあらゆる所にあらゆる時に姿を顕現し、どこにあってもそのお姿をお見せくださるのです。
種種諸悪趣 地獄鬼畜生 生老病死苦 以漸悉令滅
(しゅーじゅーしょーあくしゅー じーごくきーちくしょう しょうろうびょうしーくー いーぜんしつりょうめつ)
真観清浄観 廣大智慧観 悲観及慈観 常願常瞻仰
(しんかんしょうじょうかん こうだいちーえーかん ひーかんぎゅうじーかん じょうがんじょうせんごう)
輪廻の中の諸々の悪趣の世を巡り、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界に落ちて苦しんでも、生まれ、老い、病になり、死ぬという四つの苦しみも、ことごとく滅してお救い下さるのです。
観音様は、真実を見通す眼で観、汚れなき清浄な眼で観、広大な智慧ある眼で観、悲しみを憐れむ眼で観、慈しみ深き眼で観るのです。だから、つねに観音様が現れるのを願って、その姿を仰ぎ見なければなりません。
無垢清浄光 慧日破諸闇 能伏災風火 普明照世間
(むーくーしょうじょうこう えーにちはーしょ-あん のうぶくさいふうかー ふーみょうしょうせーけん)
悲體戒雷震 慈意妙大雲 澍甘露法雨 滅除煩悩燄
(ひーたいかいらいしん じーいーみょうだいうん じゅーかんろほううー めつじょぼんのうえん)
観音様は、汚れもなく清浄の光を放っているので、その広大な太陽のような智慧で諸々の闇を破り、世間の災いも苦しみも普く照らし救っていくのです。
観音様が憐れみの心で説かれる戒めは、雷が鳴り響くように偉大であり、その慈しみの心は美しい大きな雲のように人々を覆い、恵み深い智慧の雨を降らせては、人々の煩悩の炎を消し去るのです。
諍訟経官処 怖畏軍陣中 念彼観音力 衆怨悉退散
(じょうしょーきょうかんじょー ふーいーぐんじんちゅう ねんぴーかんのんりき しゅうおんしったいさん)
妙音観世音 梵音海潮音 勝彼世間音 是故須常念
(みょうおんかんぜーおん ぼんのんかいちょうおん しょうひーせーけんのん ぜーこーしゅーじょうねん)
訴訟に巻き込まれて法廷に立たざる時や、戦場で死の危険にさらされる時も、観音様と一心に心に念ずれば、敵はみな悉く退散するでしょう｡
観音様の音声は、妙なる美しき音、世を観る音、清浄なる無垢の音、潮騒のように心にしみいる音、それはすべての人々の心の発する音にしたがって応える音であり教えなのです。
念念勿生疑 観世音浄聖 於苦悩死厄 能為作依怙
(ねんねんもっしょうぎー かんぜーおんじょうしょう おーくーのうしーやく のういーさーえーこ)
具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼
(ぐーいっさいくーどく じーげんじーしゅーじょう ふくじゅーかいむーりょう ぜーこーおうちょうらい)
だから、常に観音様を忘れずに一心に念ずるべきです。念じて念じて、決して疑ってはなりません。
観音様は優れて清浄なる菩薩様であり、人々が死や災厄などに出遭って悩み苦しむ時に、真の救いの拠り所となるのです。
観音様は、一切の功徳を具えています。すべての人々を大きな慈悲の眼をもって見守っているのです。その救いの福徳は大きな海のように無量であり、この故に一心に礼拝して観音様に習って歩むのです。
観音経のここに記載しているのは
偈文(詩)という形で要約された部分です。
観音経全体はもっと長いですが
これだけでも充分パワーがあります。
口語訳文は、人の口語訳等を参考にして
私(かつさん)なりの解釈で要約したものです。
観音経の偈文だけですが、是非お読みになるだけでなく
声に出して読誦されると良いかと存じます。
どうもありがとうございました。
今日もお越し頂きまして、誠にありがとうございました。＜(__)＞
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あなたが、いつもお幸せでありますように。
どうぞ、応援をよろしくお願いいたします。＜(__)＞
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