今年の中秋節にはたくさんの映画が公開になっていて、とても見きれない。
この映画は題名がいいなと思って、笑、まず見てみた。
原作は、安妮宝贝(別名;庆山)の同名小説の映画化だ。
この女流作家は、ヒット作がたくさんあって、作家の長者番付ではいつも上位に入っている人気作家だ。
運命とか、放浪がテーマになっている作品が多く、『七月与安生』もまさにその通りなお話。
七月と安生という性格のまったく違う2人の女性が、13歳の時に知り合い親友となり、26歳になるまでの間、近づいたり遠ざかったり・・・愛憎絡まり合うストーリー。
日本人には理解しにくい中国的な部分があるけれど、影像が繊細で美しく、しみじみ心にせまってくるものがある。
あらすじ
構成が複雑な映画なのだけれど、最初は、現在の安生から始まる。
安生は、編集者か記者(?)に質問されていた。
「この現在大ヒットしているネット小説は、あなたがモデルでしょう?」
小説の題名は『七月と安生』。七月と安生という女性2人の物語が書かれているという。
安生は、「知りません。ネット小説なんて読んだこともないわ」と答える。
しかし、家に帰るとさっそくパソコンを開いて、その小説を読み始める・・・。
始まりは・・・2人の学生時代から・・・
安生:アンシェン(周冬雨:チョウ・ドンユイ、ポスター左の女性)と七月;チーユエ(馬思純:サンドラ・マー、ポスター右)は、同級生。13歳の時に学校で知り合った。2人は、性格がまったく違うのだが、不思議と仲良しになる。
七月の性格は保守的で安定志向のいい子ちゃん、両親とも仲がよく円満な家庭で育っている。一方、安生は、いたずら好きで大胆、規則など気にせず自由に振る舞う。彼女の家庭は複雑で、父親はなく、母親は仕事で家を空けることが多い。その母親とはうまくいっていない。
安生は、いつも七月の家でご飯を食べさせてもらい、七月の両親も安生に対しては優しく接してくれていた。
高校になり、七月は普通に進学したが、安生は職業学校(美容学校)に進んだ。
母親とうまくいってなくて、ぐれちゃってるかんじでしょうか。アパートを借りて一人暮らしを始めるのだ。
安生のアパートに止まりに来た七月。
女子トーク、”ブラジャーについて” で盛り上がっている。笑。↓↓↓
(実は、このブラジャー話しが、重要な伏線なのだ・・・。)
高校生になった七月には好きな人ができ、付き合うようになる。相手は、同じ高校の同級生、家明;ジャーミン(李程彬:トビー・リー)だ。
七月と安生は、性格は真反対だが、好きな男性のタイプは同じだったみたい。
安生も家明を好きになってしまう。そして、家明も安生に魅かれるものを感じるのだった。
3人でサイクリングデートしたとき、疲れた七月を置いて先に行った安生と家明は、あやしい雰囲気になるのだが、もちろん何事もなかったように七月の前では振る舞う。七月も、気づかない振りだ。
安生は、この微妙な三人の関係に耐えられず、バイト先のギターリストと北京へ行ってしまう。この街はわたしには小さくて退屈なの・・・と強がってみせるが、安生は、たくさんの手紙を七月に送ってくる。そして最後には必ず、「家明にもよろしく」と書いてあるのだ。それを読む七月は、複雑な気持ちだ。というのは、安生を駅で見送った時、なぜか家明のお守りネックレスを彼女がしていたからだ。
それでも、七月と家明は大学も卒業して就職も決まり、家明は世間を勉強するために北京に行くが、2年後には帰ってくるからと、結婚の約束もするのだ。
一方、北京に行った安生は、ギターリストとは彼の浮気が原因で別れ、そこからは職も転々と住所不定の漂流生活になっていた。手紙は来るが、こちらからは連絡できない。そんな状態だったが、安生は七月の住む街に帰って来た。生活に疲れてしまったのだ。
再会した2人は喜んで上海に旅行に行くことにする。しかし、銀行に勤める七月と金なし漂流生活だった安生とは、もういろんなところが相容れなくて、大げんかして別れてしまう。
そしてその後、安生は北京で美容関係の仕事に就いて生活は安定するのだが、どうしても運が悪くて、うまくいかない。そんな時に、北京に来ていた家明と偶然再会するのだった。
ブランドのカバン持って、一応いい生活してる様子の安生。↓↓↓
家明は、七月には内緒で安生と関係を持ってしまう。
ここで恐ろしいのは、七月の女のカン。いままで街を出るのが嫌いだったのに、不意打ちで北京にやってくるのだ。
もちろん、安生と一緒に帰って来た家明を見つけて、そこからは修羅場!! いままでいい子だった七月が、安生に言いたい放題言葉を投げつける。
家明に対しても、本当に私と結婚したいなら、一ヶ月以内に街に戻って来てと言う。
果して、3人の男女の関係はどうなるのか・・・。
女性2人の友情はどうなるのか・・・。
ラストが・・・
・・・このような物語が、安生が読むネット小説には書いてあるのだけれど、
映画の仕掛けとしては、小説の結末がどうなるのかということだけでなく、事実は小説と同じだったのか? ということや、誰がこれを書いたの? という、見ていてわき上がってくる素朴な疑問が、全体をひっぱっていく。特に、後半。
構成が、工夫されている映画なのだ。
種明かしに次ぐ、種明かしがある。
でも、これ以上書くとネタバレ過ぎになってしまうので控えよう。笑。
ただ、これだけは言いたいのだけれど、私はラストがよく分かりませんでした。笑。
その現実と小説世界の、どれがどうなの? どれが本当? って。
みなさんは、分かりますか? 私が頭悪いだけ?
まあ、でも、答えがスッキリ出るのがいい映画というわけではない。
むしろ、よく分からないから印象に残るということもある。
・・・といいながら、やっぱり原作の小説を読んでみたい。
読んで、ラストを確かめたい。笑。
*写真は、百度からお借りしています。
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