『盗马记』の前に、昨日見た『白日焰火』のことです。
「分かりにくい映画」だと思ったが、実はカットされている時間があまりにも長いことが分かった。

ベルリン映画祭で公開されたのは2時間20分ほど長さがあるが、中国国内で公開されているのは、たったの1時間40分くらい。40分もないなんて、それは話しも分かりにくかろう・・・。
香港では、ベルリン版が上映されているとのこと、なにを40分も切らなくてはならなかったのか。・・・まあ、だいたい想像はつくけど。

ああー、正式版が見たい~~!


さて、その『白日焰火』とともに話題になっているのが、『盗马记』。



映画の面白さとともに、陈慧琳(ケリー・チャン)が復活したのも話題のひとつだ

ケリー・チャンは、香港出身の女優・歌手。
高校時代は日本に留学した経験もあり、日本語が堪能で日本でも人気があった。
『冷静と情熱の間』などの映画に出演し、日本語のCDを何枚も出している。←持ってます。笑。
金城武の大ファン、としても有名。笑。



美人で、モデルのような172センチの高身長。
知的で清純、スキャンダルはまったく無く、映画、歌、CMに大活躍。2005年から2007年は、香港含む中華圏で、収入が1番多い女優だった。

それが、2008年37才の時に、16年間付き合っていた彼氏と電撃結婚した。コンサートで突然「結婚します!」宣言をして、翌年には出産。そして、しばらく休養していた。

久しぶりのケーリー・チャンは、・・・やっぱりちょっと "おばさん“ になってました。笑。
もちろん、顔は今でもきれい。女優によっては、結婚後一旦テレビやスクリーンへの露出がなくなると、なんだかもっさりとした生活感が出てしまう人もいるが、それはまったくない。やっぱり努力の人だなと思った。

でも、二の腕が~~、ぽよよんとおばさんになってた。笑。
年齢って、そういうところに出ちゃうものだ。

もちろん、人のことは言えません。
ただ、なんだか親近感~。よけい好きになった~。笑。


映画自体は、犯罪ミステリーコメディ。
中国国内から盗まれ、海外に持ち出された宝を取り戻すというストーリーだ。(最近では、ジャッキーチェン(成龍)の『十二生肖』や、だだすべりだった刘德华の『天机・富春山居図 』なども、同じような話しだった。流行っているのかも。)


陈慧琳(ケリー・チャン)扮する夏梅は、テレビの司会者だ。(その番組が、「暴走族を追いかけろ」みたいな名前で、そこから喜劇だなとすぐ分かる。)

夏梅は、ロンドンの友達の結婚式に行った。そこで知り合いになったディレクターから、盗まれた宝・唐三彩の馬がオークションに出るから、盗撮カメラを持って会場に潜入してくれと依頼される。
夏梅は、会場で隠密捜査をしていた香港警察の張刑事(郑伊健・ポスター左端の男性)と出会った。

張刑事は、夏梅に事情を説明した。盗まれた唐三彩の馬は6つ揃いの物で、バラバラでもそれなりに高いが、6つ揃うと1億以上の値がつく。他の5つはもう揃っていて、これが最後の1つなのだ。そのため、世界的大泥棒「九尾狐」(梁家辉・ポスター左から2人目の男性)が狙っている。それを、捕まえようとしているのだと。

夏梅は「九尾狐」に協力するふりをしながら、張刑事に情報を渡す役を引き受ける。
一方、「九尾狐」は夏梅に正体がばれてもかまわず、唐三彩の馬を盗もうと行動する。

そこからは、「九尾狐」と夏梅が唐三彩の馬を盗もうとすることに、「九尾狐」を追跡する張刑事、「九尾狐」を殺そうとする女の殺し屋たち(ロシア人?超美人の双子姉妹。「九尾狐」のライバルの泥棒に頼まれている。笑)、その女の殺し屋に一目惚れしてストーカーのようにつきまとう骨董品の鑑定家(王祖蓝・ポスター右から2人目)と、夏梅ファンの鑑定士の師匠(曾志伟・ポスター1番右端)らが入り乱れて、大混乱。

「九尾狐」と夏梅は、ロンドンから持ち出された唐三彩の馬は、プラハでオークションにかけられることを知り、プラハの保管会社にたどり着いた。
「九尾狐」は馬を盗み出すことに成功。しかし、張刑事が来て、追いつめられた「九尾狐」は馬を置いて逃げてしまった。

「九尾狐」の行方は分からなくなり、夏梅は呆然とする。そして、「九尾狐」と一緒にいたけど、あの人は悪い人じゃなかった、と張刑事に主張するが、張刑事には、泥棒は泥棒だ、いい人のわけないだろうと一喝されてしまう。

そこからしばらく経ち、夏梅は、張刑事は香港警察をミスで首になったと聞く。
張刑事と一緒に出かけた夏梅は、張刑事が「九尾狐」のライバルだった泥棒に、その唐三彩の馬を横流ししようとしている現場に連れて行かれる。
そこに現れたのは、「九尾狐」と、殺し屋をストーカーしていた骨董品鑑定師の2人だった。張刑事は、彼らの仲間になっていたようだ。

いよいよ取引成立という時に、香港警察が踏み込んできた。

実は、「九尾狐」は3年前から警察の協力者だったのだ。ロンドンでもプラハでも、夏梅が気づかなかっただけで、張刑事と「九尾狐」、骨董鑑定士たちは協力しながら唐三彩の馬を追っていたのだ。

泥棒は逮捕された。しかし、「九尾狐」は別の殺し屋に銃で打たれて、船から落ちて行方不明になってしまった。夏梅は、また悲しみにくれる。

そして、1年後、張刑事がフランスへ行こうと夏梅を誘った。フランスの田舎のワイナリーを訪ねていくと、そこには懐かしい顔が。「九尾狐」がワイナリーのオーナーとして、新しい人生を歩んでいたのだった。・・・・。



夏梅の前には、張刑事と「九尾狐」の2人の男性がいたのだが、結局どちらを選んだかというのは、はっきりしないまま幕を閉じる。笑。


前日に見た『白日焰火』(ベルリン国際映画祭金熊賞受賞)に比べると、映画というよりテレビ的だった。2時間スペシャルドラマでやってもいいんじゃないか?。

(ちなみに、日本で撮るとしたら、主人公の夏梅は「米倉涼子」、張刑事は「藤木直人」、九尾狐は「船越英一郎」で決まり。笑。いいと思う。)

ロケ地が、ロンドンやプラハ、フランスなど豪華だし、それが映画に華やかさをもたらしているのだが、『白日焰火』が濃厚だっただけに、無意識に比べてしまう。
逆に、こういう映画が好きな人もいるのかな。コメディとしては面白く、よく笑えた。


ネット上の評価は、やっぱり高くない。6.4点。
DVDで見てもいいと思う。