ふっこです。
（写真は福岡の白糸の滝♡）
最近は本を読む時間が作れて
楽しくインプットしています。
今日読み終えたのはこちら。
ロボットＡＩＢＯの開発責任者であり
ベストセラー8冊を含む45冊もの著書を輩出された
天外伺朗氏と、
日本メンタルヘルス協会代表の心理カウンセラー
衛藤信之氏による、
それぞれがインディアンと
交流をする中で気付いたことを
交互に語っているのがこの本です。
知人から衛藤氏について
教えていただき、
別の本を読み終えてから
タイトルに惹かれて購入。
お二人ともそれぞれの立場から
インディアンの思想や在り方の中に
現代人が学ぶべきスピリットを
とてもリアルに、そしてわかりやすく
説明してくれています。
読み終えて一番興味を惹かれたのは、
天外氏が考察されている
トランス・パーソナル心理学の権威である
ケン・ウィルバー氏の考えの部分。
ちょっと難しいのですが
できるだけわかりやすく
拾ってみたいと思います。
・個人の内面の進化（意識の成長や進化）
・個人の外面の進化（生物としての進化）
・集団の外面の進化（狩猟社会→農耕社会のような変化）
・集団の内面の進化（文化的な進化）
これら4つの進化がお互いに
影響を及ぼし合って呼応している
まず、この部分に
深く頷いたのですが、
私たちって個人と社会を
別個のように（現実だけを見れば）
捉えられますが、
個人の意識レベルや
人類の肉体的進化と
社会は密接に関わっていて
それはどちらが主導ではなく
お互いに影響を与え合っているということ。
そして面白いなと感じたのは、
集団としての人類社会の進化が、
一人一人の意識の成長や進化に
きちんと対応しているという理論です。
紀元前20万年前から現代までの外面の変化と、
人が生まれてからたどる
意識的な成長プロセスが対応している
と天外氏は解説しているのですが、
それは以下のような感じです。
・紀元前20万年前から1万年前までは
出来事を呪術的にとらえる特徴があり、
時間や空間の概念がなく
自他の区別がはっきりしない
「赤ちゃんの頃」に相当。
・紀元前1万年から紀元前3千年までは
農耕が始まり、過去と未来の区別がつき、
未来の概念を持つことで死を意識しはじめ
宗教を必要として神話が生まれた
「呪術と論理の混合」の時代であるとし、
ファンタジーで世界を解釈し、
自分を中心に世界が展開していると
考える「幼児期」である。
・紀元前3千年から紀元前1200年頃には
人類に自我意識が生まれ、
神話に英雄が生まれ始める。
（英雄＝自我の出現）
それまでは母なる自然に逆らえなかったのが
この時期の神話にはドラゴンなどの
自然の象徴と闘い、倒し、母親から分離独立する
英雄が頻繁に登場することから
自我が確立して思春期を迎え、
親から独立していく時期である。
こんな風に、長い歴史の変化を
人間の意識的成長になぞらえて
理論を展開しています。
これがもしも的を射た理論であれば
未来が予測できると、天外氏は
書かれていて、
自我をより心理学的見地から
①初期自我（4～7歳）
→本能、感情、思いをストレートに行動に移す
②中期自我（7～12歳）
→しつけや社会的規制を受け入れ、道徳観が芽生え自分をある程度コントロールする
③後期自我（12歳以降）
→反抗期を経て親への依存を解消し、自分のことは自分で決める
と分類した上で、
紀元前2500年～500年を初期自我、
～西暦1500年を中期自我、
それ以降を後期自我、と定義しています。
ただし、天外氏は現代も
「中期自我」の人が多いと分析していて、
この点に私も大きく同意します。
パートナーや教祖にすがったり、
会社や学校などの狭い価値観から
自由になれない人は、むしろ中期自我
そして現代の理想と言えば
多くの人は「理性で自分をきっちりと律することのできる立派な社会人」と考えています。
これは典型的な後期自我の人間像です。
その上で氏は、後期自我の
次なるステップ、
「成熟した自我」
にこれから人類が進んでいくと
語っています。
ちょっと難しいので
天外氏の説明をさらにさらに
わかりやすくかみ砕くと、
①今まで人類が辿ってきた歴史や進化は、個人の意識的進化と同じだよー！
②現代を個人の意識に例えるとしたら後期自我あたり。
ただし中期の人も沢山いるよー！
③これから人類は「成熟した自我」の段階に進んでいくかもしれないよー！
とまあ、こんな感じです(笑)
で、気になるのは、
「成熟した自我って？」
という部分。
これもざっくり書くと、
①その時代の「指導者たち」の意識レベルが社会に影響を及ぼすよー！
②現代の指導者は「後期自我」の人が多いよー！
③後期自我の特徴としては、ペルソナ（仮面）とシャドー（影）が闘ってるよー！
※ペルソナとは・・・外部の環境に合わせて作り上げる部分人格
※シャドーとは・・・ペルソナが生まれる時に同時に生まれる好ましくない自己の側面や抑圧された部分
④成熟した自我に進むためには、ペルソナとシャドーをある程度統合することだよー！
ペルソナとシャドーが専門用語で
わかりにくいかもしれませんが、
ここは私的には
「他者（や社会）に合わせて作った自分」
と
「他者をまみえない自己中心的な自分」
と言う風に解釈しました。
まだまだ現代は、
自分の勝手だけを押し通して
心地よく生きられるだけの仕組みや
体制にはなっておらず、
多かれ少なかれ
社会に自分を適合させて
生きていくことを求められます。
ですがその陰では
自分の一部は必ず抑圧を受け、
不整合を起こします。
そのシャドーの部分を
私たちは他者に投影し、
常にその影と闘っているので
少なくともその影を認識し、
他人に投影しないような対処をすれば
現実における闘いはなくなる、
というのが天外氏の推測で、
私はこれを
「自分の陰を受け入れる」
という風に伝えています。
陰をどうにかするのではなく、
それもまた自分が生み出してきた
大切な自分の一部として
受け入れ、癒し、統合していく。
それができるようになると
他者の中にある陰を理解することができ、
寄り添ったり、思いやれたり、受け入れたり、
するのだと私は思います。
その究極が「慈愛」ではないかと
考えている次第です。
そして、そういう「指導者たち」が
世界に増えていくことで
社会を次の段階に進めることができるのであれば、
それは私も普段から望んでいる未来であり、
その指導者の一人になるのか
はたまたそこに繋げるための一翼になるのかは
わかりませんが、
作用の一つを起こす人で在りたい
と願うばかり。
天外氏は、インディアンを
「成熟した自我」のプロトタイプと
言えるのではないか、と
最後に考察されています。
これから私たち人類が
進もうとしている時代の在り方を
インディアンのスピリットから
学ぶという意味で
こちらの本は得るものも多く、
私個人の在り方を
考えさせられる1冊でした。
これから訪れるかもしれない
社会の変化や人類の進化に
触れてみたい、と言う方には
参考になるエッセンスが詰まった
良書だと思います♡
なんかね、日本の文化を
もっと味わいたい！って
思わせてくれます♡
ちょっと小難しい内容でしたが
少しでも参考になれば。
ではでは！
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