前回は砂丘のでき方(形成)について紹介しました。
今回は風紋のでき方(形成)について書きたいと思います。
なぜ風紋(砂紋または学術用語では漣痕)はできるのでしょうか?
風紋は風による砂の侵食と堆積のバランスがちょうどよく保たれた結果です。
これではよくわかりませんね。
では、1.砂の移動の必要条件と2.砂の移動パターンから説明していきたいと思います。
1.砂の移動の必要条件
風紋ができるには砂が移動することが絶対、必要です。
砂漠の砂が移動には最低、風速3m/秒といわれ、風速4m/秒から風紋が形成されはじめます。
当然、砂が風で移動するのですから、砂粒の大きさと重さ(水分を含んでいない)が重要なポイントになります。
鳥取砂丘の砂粒は大きさにばらつきが少なく、直径0.125~1mmで、鳥取砂丘では風速5~6m/秒の時に風紋ができます。
サハラ砂漠のように広大なところは場所によって砂粒の大きさにばらつきが大きいため、風紋のできる風速条件は4~9m/秒で、特に5~7m/秒で美しい風紋が形成されると言われています。
2.砂の移動パターンから見た風紋の形成過程
次に砂の移動パターンです。移動の種類は大きく3パターンがあり、それは砂粒は大きさ(直径)によって分けられています。
砂漠の表面は目にはわからにない凹凸があり、その小さな山と谷が移動のポイントとなります。
(1)約 1~2mm※→転動 注)匍行(ほこう)と呼ばれます。
砂が転がるようにして進む
①谷へ転げ落ち、転がって山または山の途中まで登る
②谷にある砂が転がって山または山の途中まで登る
①と②で砂が山の方に移動します。
そのまま砂がとどまれば風紋を形成していきます。
とどまれず、谷へ転げ落ち、上記の現象①②を繰り返していきます。
※約2mmは砂と呼べる上限であり(2mm以上は礫(れき)といいます)、転がる大きさの上限はその場所の風速に強さによります。
(2)約 0.05~1mm→跳躍:跳ねながら進む
跳ねた砂は谷と山のいずれかに落ちます。
風で跳ねているため、
(谷側に落ちる量)<(山側の方に落ちる量)
となり、山側の砂が多くなり、風紋を形成していく。
(3)約0.05mm以下→浮遊:空中を浮遊する
浮遊するため、風紋形成には影響しません。
※日本を悩ます中国の黄砂は0.0005~0.005 mmです。
約0.05mmをイメージする参考です。
・日本人の黒髪の太さの平均は約0.08mm
・スギ花粉の大きさは約0.03mm
以上、風によって、砂が(1)~(3)のように運搬され、谷の砂量は減り(侵食)、山の砂の量の方が多くなり(堆積)、風紋が形成されていきます。
【おまけ】
いままで読んでくださった方におまけです。
風紋をみたときに、縞模様の間隔をみてみてください。
縞模様の間隔から何がわかるのでしょうか。
それは、風速(定量的でなく、定性的ですが)です。
今まで読んできていただいた人なら、お分かりでしょうか。
風速によって砂の運搬量、運搬距離が異なります。
風速が強ければ、谷は多く削られ、縞模様の間隔が広くなり、風速と縞模様の間隔は比例関係にあります。
砂丘で風紋をいろいろ見て歩く際、風紋を観察し、そこの風速が周りに比べてどうなのかを考えるのもおもしろいかもしれません。
私は砂漠で風紋のありなしをみて、そこの風速や風向きを考えたり、周りの砂丘の位置関係で、どのあたりに風紋があって、特にどのあたりの風紋が綺麗かを想像したりしています。
砂丘で綺麗な風紋のある場所を推理して、推理が当たっているかを見に行くのも楽しいものです♪
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