まちおこしに必要な"価格"の知識 <2> ~アンカリング~ | Lactivator~スモールビジネス、地域活性化にマーケティングリサーチのノウハウを~

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前回、価格の持つ3要素について書かせていただきました。皆さんおわかりいただけたでしょうか?
むやみに安値付けをするのはブランドを傷つける恐れがあります。是非、3要素をベースに適性な価格をつけるよう
心がけて下さい。

さて、今日は少しでも収益を上げる為の価格に関する豆知識をお話したいと思います。
まちおこしはその地域の経済を活性化させ、かつその活性状態を継続させることができて初めて成功したと言えます。
その為にはちょっとした価格のテクニックも必要です。是非試して見て下さい。



皆さんはこんな経験をした事はないでしょうか?

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Aさんはとあるアジアの国に旅行に行き、地元の小さな木彫りの人形を御土産を買おうとして店員を呼びました。

Aさん: これいくらですか?
店員: これはね、地元にしかない木を使って職人が作った人形なんだ。100ドルはいただくよ。
Aさん:え!?100ドルも!? そんなに高く見えないのに。じゃあ、こんなのいらないよ。

店を出て行こうとするAさん。しかし店員に呼び止められます。

店員: OK、じゃあ80ドルでどうだい?

Aさんの足が止まります。しかし、まだ高い。もっと安くしろと要望。すると今後は、

店員: 60ドルでどうだい?
Aさん: う~ん、まだちょっと高いな・・・
店員: じゃあいくらなら買うんだ?
Aさん: ん~、40ドルなら・・・

結局40ドルで交渉成立。Aさんは木彫りの人形を買っていくことになりました。
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海外に行くとよくある価格交渉ですよね。

さて、ここで1つ疑問が沸くのは、店員さんは40ドルで人形を売って利益が出るのでしょうか?
おそらく交渉を成立させたのですから店員さんにとっては40ドルでも十分なのでしょう。
多分原価としては10ドルくらいだったのではないでしょうか。

では、なぜ最初に100ドルという法外な値段を言ってきたのでしょうか?

これはアンカリングというテクニックです。
アンカー(Anchor)とは船のイカリという意味です。

人間の脳みそは結構単純にできているようで、最初に100ドルと言い渡されるとその100ドルという数値にアンカーを下ろしてしまいます。

もっと簡単に言えば、100ドルが基準になってしまうということです。
そして、その100ドルから段々値下がりしていくと、あたかも安く思えてしまうんですね。



何て汚い手を使うんだ!と思う方もいるかもしれません。
しかしこのようなテクニックは、上記の例ほどあからさまではないもののよく使われています。



例えば、車のカタログ(価格表)などが良い例です。
通常、車というのはいくつかのグレードに分かれており、それぞれのグレードで価格も異なりますが、ほとんどのメーカーは
一番高いグレードとその値段を価格表のページの一番上に記載しています。
ページを開いた時に最初に目がいくのはページの一番上であり、そこに記載してある価格に人間は無意識のうちに
アンカーを下ろすのです。
それによって、その下にあるグレードの価格は安く感じてしまいます。

また、レストランのメニュー表などにも応用されている場合があります。
一番高い料理とその値段を大きな文字で目立つところに記載すれば、他の商品の価格を安く見せることができるでしょう。



これはまちおこしでも十分使えるテクニックです。
是非活用してみて下さい。