■支持率低迷しても/5月末決着断念しても

 鳩山由紀夫首相が公約破りともいえる米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題の5月末決着断念を表明したにもかかわらず、民主党内で「鳩山降ろし」の声が高まることもない。首相は参院選を前に支持率が低下しても、党内の「小沢」「反小沢」勢力の双方に担がれ、奇妙な安定感を誇っている。参院選への危機感があっても、党内には首相と小沢一郎幹事長のグループによる「小鳩枢軸」の大きな数が、見えない圧力として、議員たちの上にのし掛かっているようだ。(榊原智)

 首相の5月末決着の断念は、党内では織り込み済みの空気が強く、同党議員の間では「首相の謝罪会見は何日になるのか」(若手)が話題になる程度だ。

 「普天間問題で政権がぐらつくことはない」

 小沢氏は最近、周辺にこう明言した。自らの「政治とカネ」の問題を抱え、東京地検特捜部から事情聴取を求められ、衆院政治倫理審査会で近く弁明も行う小沢氏にとって、自身の続投を認めてくれている鳩山首相を支えたほうが得策だ。

 小沢氏と近い党ナンバー3の輿石東参院議員会長も13日の記者会見で、普天間問題の先送りについて「大きな問題だから、思った通りにいかなければ、引き続き努力するという意味だ。それで仕方がない」と首相を擁護した。記者団が「首相の責任問題、進退にならないということか」と問うと、即座に「その通りです」と合点した。

 「反小沢」勢力の渡部恒三元衆院副議長や前原誠司国土交通相、仙谷由人国家戦略担当相らも「6月、7月と(首相が)頑張るのは認めるしかない。沖縄問題で鳩山内閣がどうということにはならない」(渡部氏)などと、先送りを容認している。

 仮に普天間問題で鳩山首相が政権を放り出せば、6月に党代表選が行われる。だれが立候補しようとも、「小鳩枢軸」が推す候補が勝つ公算が大きく、小沢氏の影響力は残る。反小沢勢力にとって、枢軸が保たれている状態で、首相が退陣することは望ましくない。首相に退陣を求めるよりも擁護し、“恩”を売ることで、枢軸の分断につなげたいとの思惑もありそうだ。

 ただ、「月末の世論の動向次第では、今とまったく異なる政治状況になる」(民主党中堅)と、進退問題への発展を懸念する声はくすぶっている。

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