離れ家の宿 

まだ夏のままでいようか
いっそ秋に身をまかせようか
通りすがらもみじの枝が
僕の肩に問いかける

下駄を鳴らしながら
飛び石を一歩一歩渡ると
そこは離れ家の宿
栗の間にたどり着く
軒下で番傘をすぼめ
雨の雫をさっとひと振り

もう秋に身をまかせようか
鯨波を傾けながら
きりがないほど
秋風に酔ってゆく

岐阜中津川 夜がらす山荘 長多喜より
夜がらす山荘 長多喜さんに泊まりました。