当時、契約中で引渡し前の案件が2件ありました。
JR摂津本山駅と六甲道駅の近くのマンションでした。
ずっと気になっていましたが、なかなか見に行くことができませんでした。
見に行くことができたのは震災後10日後くらいだったのではないでしょうか。
その時も原付で行きました。4時間くらいかかったと思います。
営業所片付けの時は垂水区、須磨区、長田区、兵庫区、中央区は目の当たりにしていました。
灘区、東灘区は震災後はじめてです。いたるところで建物が倒壊、損傷しています。
知人、友人、お客様の安否を思いながら目的地を目指していました。
すこし離れた国道2号線あたりから見えるマンションです。
その日も見えましたので、「よかった、大きな被害は免れていたんだ」と思いました。
マンションの前まで行きました。
見慣れたマンションですが、何かが違います。すぐにはわかりませんでした。
次ぐの瞬間に気がつきました。
そうです、1階が全て崩れているのです。
そのマンションは1階部分がほぼ柱だけで支えられている駐車場でした。
柱が折れて、駐車場が無くなっていました。
2階以上はまっすぐ建っていましたので、すぐにはわからなかったのです。
エントランスも潰れており、中に入ることもできません。
売主様の安否が気になりましたが、携帯電話もなく、連絡を取る術がありません。
これからの対応はどうしたらいいのかとマンションの前で呆然としていました。
その後、六甲道へ向かいました。そのマンションも1階に駐車場があり、道路側に傾いていました。
念のため、お部屋の前まで行ってみました。すると売主様が片付けをされていました。
お見舞いを申し上げて、ご連絡先をお聞きしました。
どちらもマンションも簡単には修復できるような状態でありませんでした。
後日、契約は解除となりました。